記事更新日:2021年08月25日 | 初回公開日:2021年08月25日
用語集 外国人採用・雇用 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報企業におけるコミュニケーションコストとは、社員同士が意思疎通をする際に発生する時間や労力のことを指しています。具体的な例としては、上司から部下に仕事の指示をする際の説明などがあげられるでしょう。説明にかかる時間が長ければ長いほど、コミュニケーションコストは高いということになります。したがってコミュニケーションコストが高いということは、スムーズな業務の妨げとなってしまう可能性があるということでしょう。
コミュニケーションコストが低いほど、企業全体の生産性は向上するということになります。コミュニケーションコストが低いということは、先程あげた例のような業務伝達の際にも無駄な時間が発生しません。そのため限られた時間を最大限に有効活用できるので、業務の質は必然的に向上すると考えられます。したがって今よりもさらに生産性を向上させたいと考えている企業は、コミュニケーションコストを削減させるための取り組みを行うのも効果的でしょう。
コミュニケーションコストは、企業の経営にも直結する重要な要素でだといえるでしょう。全員が同じビジョンを持って業務に取り組むためには、企業のトップをはじめとする経営陣の意見を社内全体に浸透させる必要があります。そのための手段として会議やミーティングなどの機会が設けられることが多いですが、それだけ時間や金銭的コストがかかっているということになります。したがってトップから社員一人一人への情報伝達においても、コミュニケーションコストの削減は必要不可欠といえるでしょう。
コミュニケーションコストが高いことによって生じるおもな問題として、業務に関する情報の伝達に時間がかかるということが考えられます。特に複数人で行う業務の場合にはそれぞれの進捗報告や課題の共有など、頻繁にコミュニケーションを取ることが必要とされます。コミュニケーションコストが高いとそのようなやり取りの一つ一つに余計な時間がかかってしまい、結果的に業務の完了までのスピードが遅れてしまうことになるでしょう。
コミュニケーションコストが高いことによって、コミュニケーションにかかる時間が単純に増加してしまいます。その間は業務を完全にストップしなければならないので、必然的に業務効率は下がってしまいます。また、コミュニケーションコストが高いことによって意思や情報の伝達がうまくいかないというケースも考えられるでしょう。間違った解釈をしたまま業務に取り組んでしまうと、それにかかった時間は全て無駄になるので業務の効率は最悪となります。
組織全体での連携が取りづらくなってしまうのも、コミュニケーションコストが高いことによる弊害です。ほとんどの業務は一人で完結させることは難しく、社員間での連携が必要となるでしょう。したがって、社員間での連携がうまく取れていないと業務全体の進捗を遅らせてしまいます。業績が思うように向上しないのは個人の業務能力だけが原因ではなく、コミュニケーションコストの高さが原因となっている場合もあるということです。
コミュニケーションコストが低い人の特徴として、説明が端的でわかりやすいということがあげられます。伝えたいことの要点だけをうまくまとめて相手に話すことができるので、伝達のためにかかる時間は必要最低限で済みます。このような人材は物事の本質を理解する能力に長けており、それを相手にとってわかりやすい言葉で説明することができるのです。反対に、関係ない話までダラダラと続けてしまうような人材はコミュニケーションコストが高いといえるでしょう。
返信や対応が早いということも、コミュニケーションコストの低い人の特徴といえるでしょう。業務に関するメールをした際に、その返信を待つ時間は次のステップに進められないという場合もあります。必要な時にすぐに返信ができるということは、相手の時間を無駄にしないという観点から考えても非常に重要なことでしょう。さらに対応の早さは社内でのコミュニケーションコストのみならず顧客との関係にも大きく関係しますので、特にスピードを意識させるべきです。
コミュニケーションコストが低い人材は業務を効率的に行えることから、より重要な仕事を任される場合が多いです。コミュニケーションコストの大小を決める要素はさまざまですが、「理解力」はその中でも特に重要だといえるでしょう。企業のビジョンなどについてしっかりと理解した上で業務に取り組んでいる人材は、自然と企業の望むような成果を上げてくれるケースが多いです。したがってコミュニケーションコストのさらなる削減を図る企業は、理解力などを特に重視して人材採用を行うといいでしょう。
コミュニケーションコストを削減するためには、まずは相手の話をよく聞いて内容を正しく理解するということが大切です。伝えたいことを簡潔に話すスキルももちろん重要ですが、注意してすぐに身につけることは難しいでしょう。一方で、相手の話を注意深く聞くということは意識さえすれば誰にでもできることです。疑問に感じたことはすぐに質問し、理解を深めることで誤解によるコミュニケーションコストの増加を防ぐことができます。
5W1Hは英語の授業でよく用いられる表現で、「誰が」「どこで」「いつ」「何を」「なぜ」「どのように」の疑問詞の頭文字を取ったものです。これらを意識することによって、コミュニケーションコストを削減できるでしょう。その理由は、これらのキーワードはビジネスにおけるほぼ全ての会話において重要な内容であるからです。したがって難しそうな内容だと感じてもまずは5W1Hを意識して会話をすることによって、伝え漏れや聞き漏れを防ぐことができます。
コミュニケーションを円滑に取るために、話しかけやすい職場の環境を作り上げるということも重要です。上司に対して何か相談したいことがあっても話しかけづらいと、一人でその課題を抱えてしまうことも考えられます。その結果としてトラブルが起こってしまったのならば、それは明らかにコミュニケーションコストが高いことが原因です。個人の話すスキルや聞くスキルだけでなく、職場全体の雰囲気もコミュニケーションコストの大小に関係するということを意識しておきましょう。
情報伝達のための専用ツールや社内報を活用してこまめに情報共有することによって、コミュニケーションコストを下げることが可能です。理由としては社員がそれぞれ好きなタイミングで確認できるので、会話によって相手の時間を奪ってしまうことがなくなるためです。また、こまめに情報伝達をすることで一回あたりの情報量が減り、情報過多による間違った解釈を引き起こす心配がなくなるというメリットもあります。社員への情報伝達の仕組みを見直すことで、コミュニケーションコストの削減につながるということです。
社内教育を充実させて、社員一人一人の理解力を高めるというのもコミュニケーションコストを削減する方法として考えられるでしょう。特に企業のビジョンや経営方針についての理解力が低いと、それらに関する疑問を持ったまま業務を行うことになってしまいます。ビジョンの浸透に不安を感じる企業は、定期的な研修を実施するなどの対策を行いましょう。話す姿勢や聞く姿勢についても、必要に応じたセミナーの開催などによって社内で教育できる制度を導入してみるといいかもしれません。
会社の理念が浸透していないと、様々な業務においてそれらに関する質問が投げかけられる可能性があります。企業全体に浸透していることが前提の、会社の理念に関する質問に使う時間はコミュニケーションコストの無駄だといえます。全体が同じ目的意識を持って業務に取り組むことによって、そうした無駄なやり取りをなくすことができるので結果的にコミュニケーションコストの削減につながるでしょう。常に社員が企業の理念を意識できるような仕組みを取り入れましょう。
ブルックスの法則とはソフトウェア開発において提唱された法則で、「遅れているプロジェクトへの人員追加は、プロジェクトをさらに遅らせる」というものです。この法則が成り立つ理由は、人員を増やせば増やすほどそこで必要とされるコミュニケーションコストも同時に増加するためです。したがって業務遂行のための必要な人員を知るには、単純計算をするのではなくコミュニケーションコストも計算する必要があるということになります。
コミュニケーションコストを計算する際には、人員の増加に対しておよそ2乗分のコストがかかることを想定すべきだとされています。例えばプロジェクトメンバーの数を3倍に増やした場合には、そこでかかるコミュニケーションコストはもとの9倍に増加するということになります。単純に比例するのではなく2乗ずつ増加するため、人員を増加する際には一人一人のコミュニケーションコストを下げることが非常に重要だといえるでしょう。
企業におけるコミュニケーションコストの重要性について、お分かりいただけたでしょうか。具体的な数値に表しにくいということもあり、コミュニケーションコストは正確に把握しづらいのが難点です。しかしコミュニケーションコストは企業の業績を大きく左右するため、決してそのままにしておいてはいけません。業務関連の伝達をする際に意識すべきことを社内全体でしっかりと共有し、コミュニケーションコストの削減につなげましょう。
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