リモハラとは【起こる原因や起きないための対策をご紹介します】

記事更新日:2023年05月31日 初回公開日:2023年05月30日

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日本では2020年以降から広まりだしたコロナウイルスの影響を受け、感染対策のために社員が自宅で業務を行うリモートワークを始めた企業が多く存在します。コロナ禍が収束しつつある現在も引き続き在宅勤務を継続している人も少なくはありません。そんな中で広まりつつあるのがリモートハラスメントことリモハラですが、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。今回はそんなリモハラについて、言葉の意味やリモハラに該当する行為、対策方法についてご説明していきます。企業の人事担当者の方やハラスメント対策でお困りの方はぜひご覧ください。

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リモハラとは

オンライン上の従業員に対するハラスメントのこと

リモハラとはリモートワークやテレワークといった会社以外の場所で働く従業員に対して、オンライン上で行われるハラスメントのことです。ハラスメントの種類にはセクハラやパワハラなどが挙げられますが、オンライン上で行われる場合は上記のハラスメントも包括してリモハラと呼ばれています。現行の法律では企業を経営している事業主は、職場のハラスメント防止のため対策を講じることが義務付けられています。そのため、今まで知られることも少なかったリモハラにも今後適切な対策を求められることが予想されます。

リモハラが問題視されるようになった原因

コロナウイルスによるテレワークの普及

リモハラが広まりだした拝啓にはコロナウイルスの感染拡大を受け、当時の政府が多くの企業に向け対策として在宅勤務の導入を推奨したことが挙げられます。これによりコロナ禍以前はオフィス勤務が主流だった働き方も、今ではそれぞれのライフスタイルに合わせて業務形態を選べるようになりました。業務形態の選択肢が増えたことで企業側や労働者側は通勤負担の軽減や感染リスクの抑制など様々な恩恵を得られます。しかし、その反面リモハラというテレワークならではの特殊な状況下で起こる問題も発生し始めました。

リモハラの現状

テレワークで上司との会話に不快感を感じた社員が約8割

2020年に行われたハラスメントの実態調査では調査対象110人のうち、約8割の人がテレワークの場で上司との会話を不快に感じたことがあると答えています。また、この調査ではどのような場面で不快感を感じたかについての質問も併せて行われています。内容としては、メッセージ上の言葉遣いの荒さや勤務態度の過剰なチェック、業務時間外の頻繁な連絡などの声が寄せられていました。更に調査を受けた約4割の人が「上司からオンラインでのプライベートに関する質問を受けたことがある。」とも答えています。

リモハラがあると考える社員が約3割

リモハラは実際どれだけの会社員が身近に感じているのでしょうか。同年に実施されたハラスメントに関するアンケートでは、調査対象718人に在宅勤務でもハラスメントがあると感じるか質問しています。そして、このアンケートの結果では約3割の人が在宅勤務でもハラスメントがあると感じているとの結果が出ました。更に詳しい調査では出社を強要される、無視をされる、仕事をしてないと決めつけられるなどの意見も上がり、より深刻なハラスメントが実在していることもわかりました。

リモハラの言葉自体を知らない社員が約7割

リモハラがあると考えている人が一部存在している反面、別の調査では回答者の約7割がリモハラの言葉自体を知らないとも回答しています。この結果を他の調査の結果と照らし合わせて考えてみると、一部の人は周知しているものの、まだリモハラ自体を詳しく知らない人も多いということになります。そのため、実際はリモハラを受けているが自分ではわからないという人だけでなく、知識が無いので自分のリモハラに無自覚な人も潜在していると考えられます。

リモハラが起こる原因

職場とプライベートの線引きが曖昧

リモハラが起こる原因の一つとして挙げられるのは、職場とプライベートの線引きが曖昧になってしまうというものです。オフィス勤務では仕事に専念できる場が与えられているため、気持ちの切り替えがしやすいですが在宅勤務だと切り替えが上手くできない方も多いのではないでしょうか。そのため、つい仕事と同じ感覚で業務時間外での連絡や、プライベート感覚の世間話が発生しがちです。このようなことが頻発すると、その行為自体がリモハラに繋がる可能性があります。

部下の管理に不安がある

テレワークはオフィス勤務と違い、他の社員がどのように仕事をしているのか一目で確認できません。そのため、部下が指示したことを本当に実行しているのか不安に思ってしまったり、仕事の進捗が気になってしまうという人も多く存在します。特に部下が数人居る方の場合は自分が管理責任を問われる立場に在るので、責任を感じてしまいがちです。また、チャットやメールなどで連絡を取り合っていると、本人が確認し返信するまでにタイムラグがあり、レスポンスに時間がかかるので焦燥感を煽られるという事情もあります。

テレワークのルールが定まっていない

コロナ禍からテレワークを導入した企業では、テレワークそのものが初めての試みのためルールが定まっていないまま在宅勤務を開始してしまったケースも多く見られます。禁止事項や規定が無いと社員も手探りの状況で仕事を進めなければなりません。これは精神的な負担の増加を招くだけでなく、リモハラが起こりやすい環境を作り出す要因にもなります。何故ならルールが無いことで、ハラスメントを受けた際にも社員が禁止事項には当たらないことを理由に周囲に事実を打ち明けにくい環境になってしまうからです。

リモハラの事例

カメラオンを常時強要する

リモハラの代表的な事例として挙げられるのが、パソコンのカメラやマイクの常時作動を強要することです。仕事中やましいことをしていないなら見られても困らないはず、と思う人も多いと予想されますが、過度な監視は社員へプレッシャーを与えてしまいます。また、人によっては自宅などの私的な空間を見られることや、生活音を聞かれることに抵抗を感じる人も少なくありません。必要な接触であればハラスメントにはあたりませんが、社員の行動を常時監視する行動は歓迎されないことを理解しておく必要があります。

体型に関する話題を出す

通常、会社内で社員の容姿や体型など見た目に関する話題について言及することはセクハラやパワハラに該当する場合があります。これはオフィスだけでなくテレワークになっても同じです。在宅勤務の場合だと服装や体型に変化が出てくることも少なくありません。しかし、自分は「普段と雰囲気が違う。」という趣旨で話したつもりでも、受け取る相手によっては不快感を与えてしまいます。オフィスで言及してはいけないことはテレワークでも話題に出さないよう注意が必要です。

プライベートに関する話題を出す

テレワークではカメラ等を利用したリモート会議で情報共有や相談を行う機会が少なくないため、お互いのプライベートな空間が目に入る場面も多く存在します。そのため、部屋の中を見せるよう要求したり、自宅の場所を特定しようとしたり、家族や同居人について執拗に尋ねるなどのリモハラ事例も多く挙げられがちです。上記の事例は特に男性上司から女性の部下へ行われがちなリモハラで、相手に不快感だけでなく恐怖感も与えてしまいます。明確な理由もなく社員のプライベートに関して言及するのは避けましょう。

オンライン飲み会を強要する

リモハラの事例ではオンライン飲み会を強要するというテレワーク独自のものも見られます。オンラインでの飲み会は一見すると社員間の交流手段として有効ですが、終電や帰宅時間の心配が無いことから、深夜まで飲み会が続いてしまう場合があります。また、次の日に備えて早めに就寝したいと思っていても、上司の手前強く勧められると断りにくいという人も少なくありません。そのため、誘う人に悪気は無くても誘われる人にとっては強要されていると感じたり、負担に思うことも念頭に入れておくことが大切です。

リモハラが起きないための対策

リモハラについての社内教育を行う

リモハラを未然に防ぐために、まずはリモハラについての研修等を開き、社内教育を徹底していきましょう。リモハラは存在自体を知らない人もいるので、詳しい知識を身に着けてもらう必要があります。教育の実施ではなるべく多くの社員が負担を少なく受講できるように、形体や日程を整えることが大切です。また、知識の共有は被害を受けた時に対処できるだけでなく、ハラスメントの加害者にならないための指導にも繋がります。そのため、ただ受講を目的とするだけでなく、リモハラへの理解を求める姿勢も必要となります。

テレワーク中のルールを社内で共有する

テレワーク中のルールを設け、社内で共有することもリモハラの予防対策として効果的な手段の一つです。ルールの例としては既定の時間外での業務連絡は行わない、などの具体的な事柄や禁止事項を明確にすることが重要です。ルールが無い状態で業務を行うと混乱を招くだけでなく、自分では気づかない間にハラスメントに該当する行為を行ってしまう危険性があります。このような理由から加害者を作らないためにもテレワーク時のルールは早めに決定し、社内でしっかりと共有しておきましょう。

ハラスメントに対する相談窓口を設ける

リモハラに限らず社内でのハラスメントには専用の相談窓口を設けることが大切です。窓口ではリモハラを受けた人やリモハラをしてしまった人がどちらの性別でも相談しやすいように、担当者は男性と女性の両方を設置しておきましょう。また、窓口の設置では、社員が気兼ねなく相談できるよう社内で窓口の存在を広く周知させるだけでなく、プライバシーへの配慮にも留意する必要があります。これを行うことにより社内でのハラスメントの有無や実態についても情報収集ができるので、より効果的な対策に繋がります。

厚生労働省のテレワークガイドラインを一読する

厚生労働省の公式サイトではテレワークの実施にあたって、具体的な注意点などが記載されたガイドラインが閲覧できるので一度目を通してみることをお勧めします。上記のガイドラインではテレワークでの労働管理の留意点だけでなく、事業主はオフィス勤務と同様にテレワークでもハラスメントの防止対策を講じる必要がある旨の文章が綴られています。また、同ガイドラインでは企業の担当者向けに労働者の安全衛生を確保するためのチェックリストも掲載されているので、こちらも参考にしてみましょう。

過度な連絡を控える

テレワーク中の過度な連絡は先述した通り、リモハラの主な原因にもなっています。そのため、管理者側は節度を持った距離感を心掛け、頻繁な連絡は控えるように注意しましょう。部下の管理体制に不安がある場合には、決められた時刻にあらかじめ報告や相談をする時間を設けるのも解決手段の一つです。また、業務連絡を行う時間帯は基本的には業務時間内に留めることも大切です。さらに1対1のWeb会議など第三者が介入しない場面でのやりとりは、誤解を招いてしまう危険性があるので行わないようにしましょう。

まとめ

リモハラを理解し働きやすい職場作りに努めよう

リモハラの加害者の中には自分が他人にハラスメントをしている自覚が無いという人が少なからず存在します。これは当事者本人だけが原因なのではなく、職場環境や今まで知識を共有する機会に恵まれなかったことも原因の一つです。特にこの数年間で増えつつあるテレワークの場では、このような原因からリモハラがこれからも更に増えていくことが予想されます。そのため、被害者と加害者を出さないためにも、リモハラについて正しい知識を身に着けて対策を考えていきましょう。

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