OKRとは?【導入手順やKPIの違い等もお教えします】

記事更新日:2023年12月13日 初回公開日:2023年12月11日

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近年においてOKRという管理手法に関心が集まっています。OKRとは目標であるObject を達成するために必要な主要結果である Key Resultsを複数落とし込んで、企業の最終目標を達成しようという考え方です。また、企業と社員が一丸となれる取り組み方としても注目されています。ここでは、OKRの意味や注目されるようになった背景、OKRと他のマネジメント法の違いやOKR導入のポイントまで、詳しくご説明いたします。

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OKRとは

全ての社員が同じ方向を向いて目標を達成するための管理方法

OKRとは「Object and Key Results・目標と主要な結果」の略称で、企業において全ての社員が同じ方向を向いて目標を達成するための管理方法です。企業が掲げる目標と社員の目標をリンクさせることにより、高く重要な目標であっても少しずつ目標達成に近づくように取り組むことを目的とします。このようにモチベーションアップのためにも高度な目標設定をすることを基本とし、6〜7割の達成率であっても一定のペースで進捗することが理想とされる手法です。

OKR注目の背景

変化の激しい時代において社員が一丸となる必要性が出てきた

OKRが注目されるようになった背景には、変化の激しい時代において社員が一丸となる必要性が出てきたことが挙げられます。OKRを最初に導入した企業は、アメリカのカリフォルニアに本拠を構えるCPなどの中央処理製造および半導体大手メーカーであるインテルです。そして後を追いかけるようにアメリカ・シリコンバレーの有名企業が次々にOKRを導入しました。多様な人材を抱えるグローバル企業において、社員の意思統一を図ることが大きな課題となったからです。

OKRとKPIの違い

KPIはKGI達成にいたるまでのプロセスをチェックする中間指標

OKRとKPI(Key Performance Indicator・重要業績評価指標)には大きな違いがあります。OKRが企業と個人の最終目標であるのに対し、KPIは最終目標であるKGI(Key Goal Indicator・重要目標達成指標)達成にいたるまでのプロセスをチェックする中間指標です。KPIやKGIでは定量指標の100%達成を目指すのに対し、OKRは高い目標を掲げることで社員のモチベーションアップを図り、60〜70%程度の達成でも成功と捉えます。OKRは、新しい概念によるマネジメントです。

OKRとMBOの違い

MBOは報酬の決定にも使われる

MBOは従業員の報酬決定にも使われることが目的であるのに対し、OKRにおいて人事評価を報酬に繋げることをタブーとしているのが、両者の大きな違いです。MBOは一般的に1年ごとの業績を評価して従業員の報酬を決定するため、目標達成の理想は100%です。しかし、OKRでは6〜7割の目標達成でも良しとしながら、もっと高い結果も目指せるという柔軟な目標設定になっています。OKRでの真の目的は、企業が高い目標を達成できるように、可能性を大きく広げていくことです。

OKRの導入手順

事業に合わせてルールを設定する

OKRを導入するには、まず自社の行う事業に合わせたルール作りが必要です。OKRでは、目標設定・進捗確認・評価というサイクルを高頻度で繰り返していきますが、1サイクルの期間も決定しなければいけません。事業に合わせた期間で区切ることがおすすめです。またOKRを導入した場合の個人やチームの評価基準についてもルールを決めておくのが良いでしょう。そして決定されたルールは、全ての社員に伝えることが重要になります。

はっきりとした決断を下せる目標を作る

OKRの導入では、はっきりとした決断を下せる目標を作ることが重要であり、個人が即時にアクションを起こせるようにします。成果指標をはっきりさせるためには、成果を数値で認識できる定量目標が効果的です。ただし定量目標は、ルーティン作業などをする企業に向いた目標設定になります。OKRは変化する情勢にも対応するために、定量目標の他にプロセスなどに注目した定性目標も必要です。ニーズや情勢の変化にも対応し、早い決断ができる目標を策定しましょう。

会社全体としての主要な結果を作成する

ルールと目標ができたら、会社全体としての主要な結果を作成しましょう。主要な結果となるKey Resultsは、1つの目標(Object)に対して複数の成果指標を紐づけます。成果とは行動によって得られるものですが、成果指標には行動内容ではなく得られる成果のみを記述してください。OKRでは繰り返しになりますが、高い指標を打ち立てることが基本です。そのため主要な結果も必然的に高い水準のものとなります。あまりハードルが高すぎるのは良くありませんが、ベストを尽くせば手が届くことを目標にしましょう。

チームや個人としての主要な結果を作成する

会社全体の目標および主要な結果(Key Results)を作成したら、これらの成果指標に結びつくチームや個人の主要な結果を作成します。両者の結びつきがはっきりしているほど、個々のモチベーションはアップするでしょう。また、主要な結果が計測可能なものであれば個人の目標がはっきりと見えるため、目標数値に向かって邁進することができます。また、個人やチームの主要な結果についても、懸命に頑張れば達成できそうな高いストレッチ目標を設定することが大事です。

目標達成に向けて優先順位をつける

主要な結果となるKey Resultsは全部合わせると相応の数になるでしょう。目標を共有することでKey Resultsの優先度もはっきりしますが、従業員の全てが理解できるようにタスクの優先度に順位付けするのも効果的です。優先順位が簡単に分かることで、次のアクションへの以降もスムーズで迅速になります。1つの目標について複数のタスクが紐づけられますが、全体のタスクについて順位をつけることで、効果的に全体の目標達成へ近づくことができるでしょう。

サイクル終了後は評価を行う

OKRでは目標および主要な結果を策定後に達成に向けて実行に移しますが、実行期間を終えて1サイクルを終了した後には適正な評価を行う必要があります。成果を振り返るとともに自己評価を行いますが、評価は明確に分かるようなパーセントや段階評価などを使って数値で表すのが良いでしょう。達成度の高低について理由を考えるとともに、あまりにも結果が高い場合や低すぎるときには、以降の目標を切り替えることも検討しましょう。

OKR導入のメリット

会社と個人の方向性が一致する

OKRを導入する最大のメリットは、会社と個人の方向性が一致することで、会社も個人も同じ方向を向いて邁進することです。企業の目的からチームの目的や個人の目的を関連付けて設定するため、企業と社員の繋がりは当然強くなります。同じ方向性を持って努力することは、企業へ貢献する証しとなり、大きくモチベーションがアップします。また、企業全体の収益が悪化したとしても、自分ごとのように考えるようになり、皆で早めに対策を講じることができるでしょう。

目標が明確になり創造性が向上する

OKRでは前述のように企業と個人が同一方向の意識を持つことにより、個々が目指すべき目標が明確になり、目標を達成するために創造性が向上します。いままでは他人任せにしていたことも自分事として考えるようになり、新しいアイデア発想に積極的になるでしょう。アイデアはいくつあっても良く、採用されないアイデアの中にも次のヒントが隠されている場合が多くあります。皆が目標を明確に持ち、問題解決に対して積極的になることは、企業にとって最良の状態です。

コミュニケーションの活性化に繋がる

OKR導入は企業の目標を各部署に振り分けて分担させ、各部門が目標達成に近づくことにより企業全体の収益アップを図るマネジメントです。OKRでは目標設定に透明性を持たせるため、自分の部署だけでなく他部署の目標も知ることができます。そのため、他部署の頑張りも理解するようになり、お互いの理解も自然に深まるのがメリットです。理解が深まることはお互いのコミュニケーションの活性化に繋がり、客観的な視線で相互にアイデアを出し合うことも可能になります。

会社の変化に個人が上手く対応できる

企業は変化する市場や顧客ニーズに対応するために、常に変革が求められています。OKRは会社の変化に個人が上手く対応できるメリットがあり、現代にマッチしたマネジメント手法と言えるでしょう。OKRを導入することにより、個々やチームは短いスパンでサイクルを修了して評価を行います。このときに目標変更が必要と判断すれば、即座に決定できるのがOKRです。外部からの影響により変化するのではなく内部から変化を発信するため、行動への移行が早く企業全体で変化に対応できます。

モチベーションがアップする

OKRでは、企業の目標からチーム目標、そして個人の目標への落とし込んでいくため、社員個人が成すべき業務が明確になります。そのため個々やチームの企業への貢献度も実感しやすくなるので、必然的に個々のモチベーションはアップするでしょう。自分が会社に寄与していることを数値やフィードバック評価により実感できれば、更に個人のモチベーションは向上します。この好循環の連鎖により、企業の目標達成に結びつけるのがOKRです。

OKRを運用する際のポイント

人事考課と連動させない

OKRを運用する際の最大のポイントは、人事考課と連動させないことです。人事考課と連動させると報酬にも直結することになり、個々は100%の目標達成を目指すでしょう。そうなればOKRの前提である高い目標設定が難しくなります。個人やチームが100%の目標達成を望むがために、より達成しやすい低めの目標設定になってしまうからです。OKRを導入する際には、個々の評価や報酬についても十分な議論を行ってから実行しましょう。

全員でOKRを定める

OKRの運用では、社員全員でOKRを定めることが重要です。もちろん社員全員で議論することは物質的に不可能といえるため、ボトムアップ方式での決定が有効になります。また、急を要する決定事項などは各部署の代表参加により決定し、すぐに社員全員に報告することにより全員参加という意義が保たれるでしょう。進捗状況を即時に報告することで透明性を持たせ、社員全員でOKRに参加し、OKRの全てを決定していると実感することができます。

共有しながら長期的な運用を行うOKRでは、企業と社員が同じ目標を共有しながら運用を行うことが大きな目的です。また、OKRでは短期周期で評価や見直しを行うものの、全体の運用は長期的に行うことが理想と言えます。ブレない長期目標を持ちながら、短期の成果を見て修正を行うことにより、効果的に企業の目標を達成するのがOKRです。新しいことに挑戦しながらも、失敗しても即座に変更できる体制を整えられるのがOKRの本質であり、皆で事態や目標を共有しながら長期的に運用を行うことが肝要になります。

まとめ

OKRを導入して社員を上手くまとめよう

OKRはKPIとKGIの複合型マネジメント手法や、MBOの改良型などと揶揄されることもありますが、前述のように目標設定の方法や導入の目的が異なります。最新の管理手法であることは間違いありませんが、万能型とは言い切れません。ルーチンを繰り返す生産企業では、KPIやKGIという手法が効果的な場合も多くあり、MBOも然りです。自社がOKRの導入に見合うか検討したうえで、OKRを導入して社員を上手くまとめていきましょう。

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