帰化と永住権の違いについて【日本国籍と参政権の有無も】

記事更新日:2020年06月22日 初回公開日:2018年10月29日

ビザ(在留資格)について 人事・労務お役立ち情報 グローバル経済

永住権を取得しただけでは日本国籍は取得できません。今回はそれぞれの特徴と違いについて見ていきます。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

帰化と永住権の違い

帰化と永住権というのは、行使できる権利で言うと似ている部分がございますが、根本的に全くの別物になります。この違いについて見ていきましょう。
 ではまず帰化についてご説明いたします。帰化は、“日本国籍を取得すること”を言いい、簡単に言うと“日本人になる”ということです。日本は二重国籍を認めていないので、出身国およびその他お持ちの国籍全てを喪失する必要があります。帰化申請をして認められるとその時点で日本人になるので、日本のパスポートが発行できたり、公務員になることができたり、参政権(選挙に投票できる)が与えられることになります。一度帰化をして日本人になると、状況が変わったからと元の国籍に戻したいと思ったとしても、簡単に戻すことはできず、今後はその国で帰化申請をすることになります。日本人になると言うとても重要なことを決めるので、審査期間も慎重に審査をするため1年前後かかり、書類も多く提出することになります。
 次に永住権についてです。永住権とは、国籍は出身国のままですが、“日本人とほぼ同じような権利が与えられ、日本国内で活動できる権利”になります。(永住権を取得しただけでは日本国籍は取得できません)永住権を持っていると、日本人で言う運転免許のような書き換え以外は、特にビザの更新手続きが必要なくなり自由に活動することができます。永住権はすごく使い勝手がいいので、外国人の方は皆さん欲しがりますが、日本での永住権取得は審査が厳しいです。個々の状況によって変わってはきますが、要件の1つでもある居住要件は、基本的には10年間日本に住んでいることが必要になってきます。(例外あり)

帰化(日本人になる)にできて、永住権ではできないこと

①公務員になれる
②参政権が与えられる(選挙に投票できる)
③日本で戸籍ができる
④日本のパスポートが発行できる
⑤強制退去ということがない

帰化される際の注意点

帰化をされる方は、基本的には一生日本に住んでいこうと考えている方、もしくは日本のパスポートを取得したい方(特にアジア系)など様々な理由がありますが、帰化をするということは生まれ育った国の国籍を捨てるということなので、人生の中でも大きな転機となります。外国人によっては、「こだわりがない」とあっけなく決められる方も多いですが、先述したとおり、一度帰化が認められると簡単には元の国籍に戻すことができませんので周りにも相談してみると良いと思います。帰化申請は形式的なものなので、申請する際には細かな決まりごとがたくさんございます。「そんな細かなところまでチェックするの?」と驚かれることもあるかもしれませんが、国籍を変更するということはそれほど大変だということを事前に身構えておいてもらえればと思います。

さいごに

たまに外国人の方から「帰化申請と永住申請、するならどちらが良いですか?」または「どちらが通りやすいですか?」と聞かれることがありますが、帰化申請と永住申請は全くの別物ですので、個々の状況により判断するべきだと思います。審査についても2018年時点ではどちらも以前よりも審査は厳しくなってきています。今後外国人が増えて行く中で申請件数が多くなっていくことが予想されますので、審査はより厳しくなっていくと思われます。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  • 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  • 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  • どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  • ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  • 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  • 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  • 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!

  • 他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

    就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

    この記事を書いた人

    塩野 豪(しおの ごう)

    行政書士塩野豪事務所の代表。
    外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
    人材紹介会社の外部顧問としても活動している。

    HP:行政書士法人フォワード

    ビザプロ

    ページトップへ戻る
    ダウンロードはこちら
    ダウンロードはこちら