記事更新日:2019年02月01日 | 初回公開日:2018年05月14日
ビザ(在留資格)10年間日本に住んでいることという永住権の居住要件が緩和される方とは、在留資格名で言うと「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」「高度専門職」になります。名前の通り、日本人または永住者と結婚している方、定住者、学歴や年収などが良い場合に取得できる高度専門職の方が対象となりますが、どのくらい要件が緩和されるのか確認していきましょう。
まずは一般の外国人の方の要件のおさらいです。
上記①の居住要件が「3年間日本に住んでいること」に短縮されます。そして②の仕事の要件もないので、日本での結婚生活を3年送れば永住権が取得できます。ただ、③~⑤の要件は同様になるので、ご注意ください。
こちらは「定住者という在留資格が許可されてから5年間日本に住んでいること」になります。配偶者よりは期間は長くなりますが、一般の外国人と比べると居住要件が半分にまで短縮されています。
2017年4月より永住許可のガイドラインが変わり、高度専門職ポイント制が開始されました。そして、高度専門職1号でポイントが70点の場合は3年間、ポイントが80点以上の場合は1年間で永住申請ができるようになりました。高度専門職2号という3年間高度専門職1号で活動した場合に変更できる在留資格もありますが、永住権と高度専門職2号の違いについては、「高度専門職2号と永住権の違いについて」をご参照ください。
永住権の申請をする際には、身元保証人が必要になります。この身元保証人の責任範囲についてよくご質問を頂きますが、これは「道義的責任」になります。道義的と言う言葉は聞きなれないと思いますが、簡単に言うと形式的なものになります。保証人と聞くと、連帯保証人などを連想されて何かあった際に金銭的負担が重くのしかかると思われる方もいますが、この身元保証人は違います。あくまでも永住希望の外国人が道を踏み間違いそうになった際は、道徳的に助けてあげるということの保証です。金銭的な保証はございませんのでご安心ください。ただ金銭的保証がないとはいえ、収入がない方は保証人になることができなく、だいたい年収300万円あることが望ましいです。それと合わせて身元保証人になれるのが日本人または永住者となっており、就労ビザ等で滞在している外国人になってもらうことはできません。
一般の外国人の方であれば上記の要件を満たせば誰でも身元保証人となれますが、日本人の配偶者の方が永住申請をする場合は、お相手の日本人が身元保証人になる必要がございます。なぜなら、お相手の日本人に保証人になってもらえないと言うのは、夫婦関係が破たんしている可能性が大きいからです。そもそも一般の外国人と比べて、日本人と結婚していることを理由に居住要件が大幅に緩和されているので、その結婚生活が破たんしているのであれば、そもそも緩和された永住権の要件には当てはまらないと判断されてしまうからです。身元保証書には捺印部分しかないので、旦那(妻)にだまって判子だけ押すと言う方もいますが、それは絶対に避けてください。電話で身元保証人になったかどうか入国管理局は確認をとっております。この事実が発覚してしまうと、信用が失われ今後の申請にまで影響を及ぼす可能性があります。
長いこと勤務している外国人がいる会社ですと、「永住申請をするので身元保証人になってくれませんか?」と外国人従業員から言われることがあります。その際に無下に扱うのでなく、しっかりと内容を把握したうえで適切に答えてあげることで会社の信頼にも繋がってきますので、私には関係ないと思わず一度永住申請について調べてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人
塩野 豪(しおの ごう)
行政書士塩野豪事務所の代表。
外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
人材紹介会社の外部顧問としても活動している。
HP:行政書士法人フォワード
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