ウェルビーイングとは【会社経営における重要性について詳しく解説します】

記事更新日:2023年03月17日 初回公開日:2023年03月08日

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会社が長く企業経営を行っていくためには、従業員が健康でやりがいを持って働いて貰うことが大切です。コロナウイルスの影響により、幸福や健康が特に意識されるようになっています。そこで今注目されているのが、ウェルビーイングです。単に健康といっても、身体的に病気やけがをしていない状態ではなく心身ともに良好である状態が健康的であるとされています。従業員の幸福や健康の重要性から、ウェルビーイングを取り入れる企業が増えています。今回はウェルビーイングについて解説していきます。是非参考にしてみてください。

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ウェルビーイングとは

心身ともに良好な状態にあること

ウェルビーイングとは、心身ともに良好な状態にあることです。ウェルビーイングは幸福や健康という意味を持っています。世界保健機関の憲章にも定義されているように、「健康」は単に疾病等がないだけでなく精神的や社会的に満たされている状態の事を指します。ウェルビーイングも同様の意味合いとして使用されています。元々ウェルビーイングは福祉の場で専門用語として使用されていましたが、近年ビジネスの場でも使用されるようになりました。自分が幸せと感じている従業員は、業務のパフォーマンスが高く、組織全体にいい影響を与えるとされています。

ウェルビーイングとウェルフェアの違い

ウェルフェアとは福利厚生のこと

ウェルビーイングと似ている言葉にウェルフェアがありますが、ウェルフェアは福祉と訳されることが多く福利厚生としての認識されていることが多いです。福利厚生は従業員やその家族に提供している制度などを指し、ウェルフェアサービスと呼ばれることもあります。ウェルフェアには社会的弱者を救済する保護的な考えが含まれているのに対し、ウェルビーイングは一人ひとりを尊重し自己実現を高めていくという点が異なります。どちらも従業員の健康や働きがいの為に実施されることですが、ウェルビーイングを実現させる手段として様々なウェルフェアが用いられています。

ウェルビーイングが注目される背景

価値観が多様化している

ウェルビーイングが注目されているのには、価値観が多様化していることが理由として挙げられます。ダイバーシティという言葉がよく使われているように、性別・国籍・宗教など様々なバックグラウンドを持った人達が同じ企業で働くことが当たり前になっています。企業側はそういった背景から従業員の多様性に合わせた働き方を提供する必要があります。多様性を受け入れ、様々なバックグラウンドを持った人材に能力を発揮してもらう環境を提供することで、従業員の幸福度が増して企業の成長へと繋がっていきます。

人材不足や人材の流動生が高まっている

ウェルビーイングは、人材不足や人材の流動性が高まっていることから注目されています。2022年には、子どもの出生数が80万人を切ったということが報道されました。子どもの出生数は年々減少しており、少子高齢化社会が進んでいます。少子化が進むということは、労働人口も減少していく一方です。終身雇用制は崩壊しており、スキルアップや価値観に合う企業で働くため、転職を行う人が少なくありません。企業側は売上だけでなく従業員の幸せを追求する姿勢を見せることで、企業への愛着や帰属意識が高まり人材の流出を防ぐことにも繋がります。

働き方改革が推進している

ウェルビーイングは働き方改革が推進している為、注目されるようになりました。2019年4月からスタートし、残業時間の是正や同一賃金・同一労働などが適用されました。これにより、ワークライフバランスを重視する従業員も増えた為、企業側は多様性や家庭状況に合わせて働きやすい環境を整える必要があります。状況に応じテレワークや副業解禁を行うなど、従業員にとって魅力的な職場環境を整備することも重要です。従業員が自らの状況に応じて働き方を選べることにより、幸福度を高めることに繋がります。

SDGsで言及されている

SDGsで言及されていることから、ウェルビーイングは注目されています。昨今ではSDGs(持続可能な開発)を様々な場面で耳にするようになりました。SDGsとは2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際的な目標の事です。SDGsには17個の目標が設定されており、「ジェンダー平等の実現」や「貧困をなくす」といったことが明示されています。その17個の目標の中に「すべての人に健康と福祉を」という項目があり、SDGsでもウェルビーイングが注目されていることが分かります。

新型コロナウイルス感染症の拡大

新型コロナウイルス感染症の拡大により、ウェルビーイングの注目度が高まります。2020年から感染が広がっているコロナウイルスにより、経済活動や仕事の働き方など様々な分野で変化が必要になりました。三密を避けるために多くの会社で導入されたテレワークは、業務の効率化に繋がったメリットもありましたが、他の従業員とのコミュニケーションが減ることによるメンタル不調など別の問題も散見されました。そういった状況下で、従業員が健康にやりがいを持って働くため、ウェルビーイングが注目されました。

ウェルビーイングを取り入れるメリット

健康経営の推進

ウェルビーイングを取り入れることによって、健康経営の推進を行えます。健康経営とは、「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」と経済産業省が定義しています。従業員の健康を維持するために施策を行っていくことを投資として考え、最終的に業績や企業全体の売上アップにつなげようとする考え方です。大企業だけでなく、スタートアップ企業でも働き方や福利厚生の整備によって健康経営を目指している企業が増えています。

EVP(従業員価値提案)の向上

ウェルビーイングを取り入れるメリットは、EVP(従業員価値提案)の向上です。EVPはEmployee Value Propositionを略した言葉であり、企業が所属している従業員や求職者に対して価値を提示することです。EVPを設定している企業と、設定していない企業を比較すると採用活動や人物活用の場において大きな差が生じてきています。ウェルビーイングの推進はEVPも併せて向上させる効果があり、EVPの向上は既に所属している従業員だけでなく新たに採用する人材に対してもいい影響を及ぼすことが見込めます。

離職率の低下

ウェルビーイングは離職率の低下に繋がるというメリットもあります。従業員のウェルビーイングを定期的に計測して可視化することで、離職率の低下やリテンション施策に役立てることが可能です。ウェルビーイングの推進には、エンゲージメントサーベイなどで現状を把握する必要があります。ウェルビーイングの計測は、サーベイやウェアラブル端末を活用して従業員のコンディションなどを分析する事によって状況に合わせた対策を行うことが出来ます。従業員の現状を把握することで適切な施策やフォローを行い、離職率の低下に繋がります。

ワークエンゲージメントの向上

ウェルビーイングの実施により、ワークエンゲージメントの向上が図れます。ウェルビーイングを行う際には従業員の健康だけに特化するのではなく、従業員が組織の中で「やりがい」をもって働けているかどうかも重要なポイントです。企業側が想定しているよりも、従業員にとっては「やりがい」を感じられていない場合も少なくありません。ウェルビーイングを効率的に行う為にも、eNPS(職場推奨度)などのサーベイを活用して「やりがい」を可視化しワークエンゲージメントを高めていきましょう。

ウェルビーイングを取り入れるデメリット

社員にとっての幸福と利益の追従が相反する可能性がある

ウェルビーイングを取り入れるデメリットは、「社員にとっての幸福」と「企業利益確保」の両方を実現することは簡単ではないという点です。従業員の健康や幸福に重きを置いて施策などを行うと、経営目標を過度に追及することが難しくなります。ウェルビーイングを取り入れたことで、企業の利益を考えるよりも従業員の働きがいや幸福を考えて仕事を行わなければなりません。企業運営を行っていくためには、利益追求も重要です。従業員が体を崩さないような環境整備を行い、従業員から理解を得た上でウェルビーイングを行っていきましょう。

ウェルビーイングを取り入れるのに必要な考え方

ウェルビーイングの5つの要素

ウェルビーイングを取り入れるには、5つの要素をしっかりと理解する必要があります。世界的なコンサルティング会社であるギャラップ社が150か国で調査を行った結果、ウェルビーイングを測る指標として5つの要素が有名です。5つは、Carrer(仕事)・Social(良好な人間関係)・Community(地域コミュニティ)・Physical(身体的)・Financial(経済的)の要素で分類されます。Carrerの中には仕事だけでなく私生活を含む人生の幸福を示しています。

ウェルビーイングの2つの判断軸

ウェルビーイングは、2つの判断軸を元に考える必要があります。2つの判断軸も要素と同様に、ギャラップ社が指針として「体験」と「評価」の軸を定義しています。判断軸が体験と評価とされているのは、それぞれが相互に関与しながらも異なる概念であるからです。人間は一番最近起こった出来事で物語の判断を行います。1日がどれだけ充実していたとしても、最後にネガティブ体験をしてしまうと最悪の1日と評価することがあります。印象に残った体験を振り返ることで、従業員の評価に対する意識が向上する可能性があります。

ウェルビーイングの3つの側面

科学技術振興機構社会技術研究開発センターは、ウェルビーイングを3つの側面に分けて解説しています。その3つとは、「医学的」「快楽主義的」「持続的」です。医学的な観点では、心身が健康であるかを図るためのもので、健康診断やストレスチェックなどを行います。快楽主義的観点は、気分などのメンタルに関する領域で脈拍やホルモン状態を測ることで精神状態の把握に役立てます。持続的観点は、やりがいなどを感じて前向きな気持ちで取り組めているかどうかを測る物で、自分の状態を客観的に捉える方法です。

PREMA理論

ウェルビーイングを取り入れるには、PERMA理論は欠かせません。PERMA理論は、心理学者のマーティン・セリグマンが提唱したウェルビーイングの多角的なモデルです。ウェルビーイングを向上させ、人が幸せであると感じるるために5つの要素を満たすべきであると提唱されています。5つの要素とは、Positive emotion(ポジティブ感情)・Engagement(物事への没頭)・Relationship(他社との関係)・Meaning(生きる意味などの自覚)・Accomplishment(達成感)です。

主観的ウェルビーイング

主観的ウェルビーイングも、ウェルビーイングを取り入れる際に必要な考え方です。アメリカの心理学者エド・ディーナーによって提唱されました。主観的ウェルビーイングは、サーベイなどの調査を用いて個人の幸福度」や「人生の満足度」についてを従業員自信がどう評価しているのかを測る方法です。主観的ウェルビーイングの反対に、客観的ウェルビーイングがあり「GDP」や「平均健康寿命」といった社会的指標で生活の豊かさを測ります。主観的ウェルビーイングは、5つの質問に点数を付けることで幸福度を測定できる「人生満足尺度」があります。

まとめ

ウェルビーイングを取り入れて生産性向上に繋げよう

ウェルビーイングを取り入れた場合のメリットなどについて解説しました。国連の「世界幸福度報告」ランキングによると、日本は先進国の中でも低い結果となっておりウェルビーイングの浸透があまりされていません。しかしウェルビーイングを企業内で浸透することが出来れば、健康経営の推進や離職率の低下など様々なメリットがあります。ウェルビーイングを重視した労働環境を整備できれば、人材の定着率が高まり人材不足の解消も見込むことも可能です。ウェルビーイングを取り入れて従業員満足度を高め、生産性の向上に繋げていきましょう。

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