記事更新日:2023年11月14日 | 初回公開日:2023年11月14日
用語集 人事・労務お役立ち情報 グローバル用語解説 採用・求人のトレンドサーベイフィードバックとは、従業員の調査やアンケートの結果を本人や当該部署に返却することです。サーベイとは物事の全体像を調査することなどを指す言葉ですが、企業におけるサーベイとは従業員の満足度やモチベーションなどの調査を言います。その調査結果を従業員にフィードバックすることにより、職場環境の改善や抱える問題対策を講じて、生産力アップや従業員の満足度を高め、活気のある職場作りで企業力アップを図るものです。
サーベイフィードバックでは多数の従業員データを細かく分析するなど、膨大な作業が必要となるため、以前は専門知識とツールを持つ外部業者に委託するのが一般的でした。しかし、HRテクノロジーの普及により、各企業が個々にデータ収集およびデータ解析を行えるようになり、各企業でサーベイフィードバックが重要視されるようになったのです。人材不足問題が深刻化する日本において採用強化にも繋がるHRテクノロジーは非常に重要であり、サーベイフィードバックのバックボーンになっています。
また、顧客ニーズの多様化とともに組織や人材そのものも多様化しており、顧客ニーズの変遷によって組織の変革も迫られています。組織開発や組織改革は企業の喫緊の課題であり、サーベイフィードバックが重要視されるようになった要因の一つです。まず、組織の変革には従業員の協力と理解が必須であることを理解してもらいましょう。そして従業員の意見や根拠のあるデータを集約しフィードバックすることで、従業員の協力が得られ組織開発が実現します。
サーベイフィードバックを行うことで、組織の課題を可視化し解決策を生み出すことは大きなメリットです。個々が感じる問題がデータ収集により多数が問題視するものと分かれば、これは企業として解決すべき課題であると認定できます。また、一個人の意見であっても貴重な意見として取り上げ、他者に提示して解決すべき課題であると認められれば、新技術や新商品の開発に繋がることもあるでしょう。課題を文言に置き換え可視化して解決策を実行することがサーベイフィードバックでは最も重要です。
サーベイフィードバックにより、職場内で抱えていた問題を解決できれば組織の生産性や創造性を向上させることができます。生産性の向上は企業の業績に直結するものであり、組織は潤うでしょう。また、サーベイフィードバックによってアイデアを集結することで、最も効果の高い方法を実践することができます。これらを繰り返すことにより個々の創造性が向上し、今まで思いつかなかった新しい発想を生み出すことにも繋がるでしょう。
サーベイフィードバックでは業務上では殆ど関わりを持たない従業員とコミュニケーションをとる機会が得られます。身近な従業員同士では気付きにくいことを、客観的な視点で指摘してもらうことが可能です。客観的な意見は顧客のニーズに近いものであり、貴重な意見として聞くことができます。従業員同士がコミュニケーションを活性化させることは、互いの関係を円滑にするとともに、企業全体が1つになって目標に向かうという大きなメリットを得られるでしょう。
企業で人事部門が行うサーベイは、社員を調査対象にした従業員サーベイです。その中でも企業全体を網羅して行う包括的なサーベイを「組織サーベイ」と言います。具体的には従業員の満足度や個々のストレスチェックをまとめたり組織の風土を診断したりするなど、組織全体の現状を知るためのサーベイです。組織の維持や開発に関わる調査は全て組織サーベイと言えるため、その領域は広範囲にわたり、繰り返し継続することで大きな効果が得られます。
「モラール」とはフランス語で物事に対する意欲や意気込みなどを意味する言葉で、仕事への意気込みや目標達成に対する意欲などを調査するのが「モラールサーベイ」です。仕事への意欲は作業の効率化や生産性に直結します。組織に対する忠誠心の度合いを調査する意味もあることから、組織サーベイに含まれるとも言われる企業発展に繋がる重要なサーベイです。企業の魅力が調査結果に大きく影響することから、調査結果は真摯に受け止めるようにしましょう。
社員が企業にどの程度貢献したいと考えるか、もしくは企業に対する愛着精神の度合いを調査するのが、「エンゲージメントサーベイ」です。従業員が企業に対する執着度の調査でもあり、組織維持にも関わることから、組織サーベイの1つと捉えることができます。エンゲージメントサーベイによって、古くから続く組織慣習を見直すことができ、従業員の満足度を向上させることも期待できるでしょう。離職率を減らすことにも繋がる調査および改革への一歩です。
サーベイフィードバックを実施するにあたって最優先して行いたいのが、サーベイを実施するために調査の目的を明確にすることです。貴重な調査結果が得られたとしても、調査目的が明確でなければ次の対策に繋げることができません。また調査結果や改善についての目的が明確でなければ、フィードバックされる側も理解が難しくなり、期待される効果も半減します。組織全体が前向きに取り組めるように、調査目的は誰にでも分かりやすい言葉で具体的に示しましょう。
サーベイの調査対象は全従業員であることが前提ですが、調査内容によっては調査対象者を限定した方が効率的な場合もあります。そこで不公平感を持たさないために調査は全社員に行うものの、調査集計では重要な関係者だけに絞って統計をとるのも良い方法です。重要な対象者である従業員には、事前に具体的な内容や調査の意義を説明し、調査と結果を踏まえて解決策を考え実行することが、お互いの利益に反映することを十分に理解してもらいましょう。またプライバシー保護についても説明することで、現場の本音を聞くことが可能になります。
サーベイの結果集計は簡単なように思えますが、それは質問事項の設定によって異なります。質問事項への回答イエスかノーの2択や段階評価であるならば集計も簡単です。ただし質問の核心について回答を得ることが必要であり、曖昧な中間的な回答ばかりでは調査の意味をなしません。サーベイの結果集計によって社員の意向がはっきりと示されるような設問が前提であり重要になります。そしてサーベイの結果を集計することにより、企業が抱える問題が浮き彫りとなって可視化され、問題解決へと向かうことができるのです。
サーベイ実施の前に対象従業員に理解を促すように、サーベイフィードバックの際にも事前に実施の目的を説明することは重要になります。真の目的を説明せずにサーベイフィードバックをしたならば、従業員の粗探しや締め付けなどと勘違いされることにもなるでしょう。とくに調査事項は効率や生産性を下げている問題などに集中されるため、フィードバックを受ける本人が責められていると思い込んでしまうことにもなりえます。サーベイフィードバックの真の目的は企業全体が向上することであり、フィードバックすることは解決策を皆で一緒に考えることが目的であると伝えましょう。
サーベイフィードバックでの結果報告は、職場ごとのミーティングなどで、結果集計に直接携わった人事担当者から行うのが良いでしょう。個々にフィードバックする方法では、前述のように個人を責め立てているように勘違いされることにもなり兼ねません。サーベイは企業が行った調査であり、問題視している従業員がどれぐらいか、問題解決の必要性を考える従業員数などを具体的な調査結果の数字で伝えます。そして問題解決によってどの程度の効果が期待できるかを、従業員全員が自然に考えるようにフィードバックしましょう。
サーベイフィードバックで結果を伝えたら、問題を改善するための方法を考えます。サーベイフィードバックによって、個々やグループ単位で内省が始まることでしょう。次の対話の機会を明示することで、個々の自己分析や内省の進捗も早まります。事前に適切と思われるスケジュールを立てて、サーベイフィードバックを行うことが大事です。予定通りに進行しなくとも、事前に打ち立てたスケジュールになるべく近いように進めていきましょう。また対象者と対話では、できるだけ聞く側に回って、対象者が積極的に改善策を話すように努めてください。
サーベイフィードバックの注意点として、対象者を責めない、全ての意見を否定しないことが肝要です。たとえ課題からずれた回答があったとしても、一つの意見として聞くようにします。問題解決ということが目的であるばかりにネガティブな意見ばかりが多くなり、犯人探しのようなことにもなり兼ねません。それは問題解決には繋がらないばかりか、お互いのコミュニケーションを破壊してしまうことにもなってしまいます。対象者全体が問題意識を共有し、問題解決に全員で向かうことが重要であることを再認識してもらいましょう。
サーベイフィードバックにおいて最も重要なのは、解決策を「実行」することです。考えるだけでは組織は全く変化しません。解決策を実行することによりサーベイフィードバックの1サイクルが終了します。確実に解決策を実行するために、再評価を行う場所を用意しましょう。実行によって、どの程度の効果が得られたかを振り返る場所が「再評価」です。できればそこで、次の課題についても議論することをおすすめします。サーベイフィードバックは、サイクルを繰り返すことで大きな効果が期待できるシステムです。
サーベイフィードバックは企業の最適な在り方を、従業員とともに考えて改善していく有効な手段です。変遷する世界情勢の中で、時代に合わせた企業変革は業種を問わず喫緊の課題となっています。企業変革には従業員の協力が不可欠であり、従業員みずからが組織の課題を探し生産性の向上を考えなければいけない時代に突入しているのです。各企業では、内部から変革しようとするサーベイフィードバックを効果的に行い、組織改善とともに組織力をアップして生産性向上にも繋げていきましょう。
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