記事更新日:2023年12月15日 | 初回公開日:2023年12月15日
用語集 人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド グローバル用語解説愛社精神とは、自分の勤めている企業を愛し誇りを持って働くことです。愛社精神を持っている人は、所属している企業や業務に誇りを持っており会社が成長するために自分も成長したいと考えています。また愛社精神が高い人が集まることで、離職率の低下や社員のモチベーションアップにも繋がるとされています。終身雇用が当たり前だった時代には、愛社精神を持った社員が殆どでしたが今では愛社精神を持って働いている人は少なくなっています。
似た言葉としてエンゲージメントがありますが、エンゲージメントは企業と社員の意思を合わせる事を指しています。企業においてのエンゲージメントは、社員の意思と企業の方針に相違がある場合相互に意思を確認し合致するよう働きかけます。また社員が組織や業務に対しての熱意や貢献したいと考える自発的な意識もエンゲージメントです。働く環境が整備されており、企業理念に納得できていれば長く働きたいという意識が高まり愛社精神にも繋がっていきます。
最近ではそもそも長く働こうと考えている人が少なく、愛社精神を持たない若者が増えています。終身雇用制が当たり前だった時代は、企業の業績が直接自分の生活に影響することもあり企業を支えるために働き、自然と愛社精神が身についていきました。しかし昨今では終身雇用制度が崩壊し、自分のキャリアプラン実現のために転職することが当たり前になっています。従来ほど転職に否定的な意見を持っている人が少ないため、1つの企業で長く働こうと考えておらず若者に愛社精神が生まれにくくなっています。
愛社精神を持つメリットは、仕事に対するモチベーションを高められることです。仕事に対してのモチベーションを高めることが出来れば、生活するために会社に嫌々出社している人も仕事に楽しみややりがいを見出すことが出来ます。今まであまりモチベーションが高くなかった人たちの愛社精神を高めることで、ポジティブに業務に取り組んでもらえます。モチベーションが高まることで社員の自主性向上にも繋がっていきます。仕事=楽しいと認識してもらいやすくなります。
愛社精神を持つことで、離職率が下がります。愛社精神を持っているという事は、会社に対しての不満が少ない事を意味します。会社に対しての不満が少ない事で、勤続年数を重ねていく事が出来ます。社員が長く働いてくれると、それだけ追加で人材を補充する必要がなくなり会社としてもコストを抑える事が可能です。また長く働き続けると、任される業務が増えて昇給や昇進の機会も多くなりメリットを感じやすくなります。離職率が低い会社は人も集まりやすくなるメリットがあります。
愛社精神を持っている社員が増えると、組織が活性化します。愛社精神を持っている社員は、会社の業績を良くするために意欲的に業務に取り組みます。そういった社員が増える事で活気あふれる職場になり、職場の雰囲気がポジティブになります。愛社精神を持っている社員に触発され、他の社員にもポジティブな雰囲気が伝染していき組織内が活性化していきます。また愛社精神があることで、多少業績が悪くなり給料などが下がってしまっても前向きに頑張る社員が増えます。
生産性が上がるのも、愛社精神を持つメリットです。愛社精神を持っている人は、モチベーションが向上していくため結果として仕事へのパフォーマンス力も上がって行きます。会社に貢献するために、自ら目標を立てて達成するために上司や同僚と協力し、効率よく業務を行っていくようになります。愛社精神を持つことで、企業の成長を自分の事のように喜べる習慣が身についてきます。仕事に身が入るようになり、自然とチーム内や組織内での結束力が高まり生産性向上へと繋がります。
愛社精神を持たせるためには、企業が社員へ明確なビジョンを提示するようにしましょう。愛社精神を持つためには、企業の事を詳しく理解しておく必要があります。企業理念や経営方針などを知らない状態で、愛社精神を持つことは出来ません。そのため、企業理念や経営のビジョンを社員に理解してもらう体制を作ることが大切です。方針や目標を理解し身近に感じてもらう事が出来れば、社員に愛社精神を持ってもらえる可能性が高まります。
愛社精神は、行動指針を定める事で持てるようになります。企業に行動指針があるかどうかで、社員の働き方が大きく変わります。行動指針は社員の模範となるものであり、企業理念よりも具体性があり社員の理解を深める事が可能です。海外の大手企業でも行動指針を定めている所が多く、有名なリッツカールトンホテルカンパニーでは、行動指針を携帯可能なカードにまとめておりいつでも行動指針を確認できるようにしています。行動指針に合わせた行動を取れるようになると、愛社精神も高まっています。
愛社精神を社員に持ってもらうには、働きやすい環境整備が大切です。企業に愛着を持ってもらうためには、社員が働きやすいと感じていることが重要です。そのためにも、福利厚生を充実させることが不可欠です。福利厚生の中には、社会保険の加入だけでなく保育園補助や部活動支援など様々なものが該当します。福利厚生を充実させて、社員が働きやすい環境を整備することで業務に集中できるようになります。働きやすい環境を提供している企業の為に働きたい、と考える人も増え愛社精神へと繋がっていきます。
社員の適切な評価を行う事も、愛社精神を持たせるために大切です。数字上での評価だけでなく、職場での態度やがんばりを適正に評価されていると社員に思ってもらう事が重要です。上司や人事などから適正な評価を受けられていると感じた場合は、会社に必要とされていると感じより業務で貢献しようという意識が生まれていきます。評価だけでなく、社員の心身の状態を確認するために定期的な面談なども効果的です。企業への貢献度が高まっていくと、自然と愛社精神も育まれていきます。
愛社精神を持たせる際には、無理に押し付けないように注意しましょう。愛社精神は人から押し付けられて育てられるものではありません。会社に貢献して当たり前・愛社精神を持っていないのはおかしいというような意見を押し付けられてしまうと、益々愛社精神が育ち辛くなります。また愛社精神が強すぎてしまう社員は、貢献しようという考えから長時間労働などが続き体調を崩してしまうなどデメリットもあります。あくまでも自然に愛社精神を持ってもらえるよう工夫することが大切です。
愛社精神を持たせる際の注意点として、愛社精神を持ってもらうためにも企業の改善に努めるようにしましょう。昨今では長時間労働の是正や働き方改革の導入などにより、社会全体で生産性を高める事に重点を置くようになっています。そのため、社員の愛社精神を盾にして不当な環境での労働を強いるようなことがあってはなりません。企業側が社員に一方的に愛社精神を持ってもらう事を求めるのではなく、企業としても社員が愛社精神を持ちやすいような環境を整備していく事が重要です。
現在の働き方や企業の在り方に沿わせながら、愛社精神を持ってもらうように心がけましょう。愛社精神が自然と育まれていた時代は、終身雇用制度がきちんと機能し年齢が上がるごとに昇給や昇格が行われていました。働き続ける事で給与アップなどの保証がある環境では、自発的に企業に貢献しようという意識が生まれていました。しかし現在では、多くの企業で成果主義が導入され社員が愛社精神を持つことが難しくなっています。企業はこういった状況を理解し、強要ではなく愛社精神が芽生える風土づくりなどが重要です。
愛社精神を持たせるための取り組みを行っているのは、トヨタ自動車株式会社です。トヨタ自動車では、トヨタウェイ2020という行動指針を明記しています。トヨタウェイ2020には、100年に一度の変革期と言われている中で一人ひとりの行動が価値を見出していくために、社員としてどうあるべきかを指針に示しています。技術を磨く・仲間を信じるなどの行動指針が掛かれており、明確な行動指針を作ることで社員に企業を理解してもらい愛社精神を持つきっかけとなります。
愛社精神を持ってもらうために、日本たばこ産業株式会社では取り組みを行っています。日本たばこ産業では、新しい商品のプロモーションを行うために社内SNSを始めました。社内SNSの専門部署を作成したことにより、社員が利用しやすい媒体となりプロモーションだけでなく社員紹介やコラム記事など継続的にコンテンツを配信しています。また社内のSNSに社長も積極的に参加し、風通しの良い職場づくりの一端を担っています。SNSを活用することで若年層なども積極的に参加してもらい、企業に愛着が持ちやすい環境づくりを行っています。
株式会社ニチレイフーズでは、愛社精神を持ってもらうための取り組みを実施しています。ニチレイフーズでは、社内風土の改革を行うためモットーである「ハミダス(とらわれず、明るく)」の浸透を行いました。具体的には、経営層と従業員がお互いにコミュニケーションを図る「あぐら」と社内の情報を発信する「動画メッセージ」の活用です。あぐらでは少人数でコミュニケーションを取ることで、経営陣と従業員の距離を縮める事に成功しています。業績低迷を打開するためにハミダス活動を行い、売り上げ回復に成功しています。
愛社精神を持つメリットや、愛社精神を持たせる際の注意点などについて解説しました。愛社精神を持つと、仕事のモチベーションが高まる・離職率が下がるなど様々なメリットがあります。但し、愛社精神は他人から強要されて持つものではありません。企業としても社員に愛社精神を求めるだけではなく、働く環境の整備や行動指針の明記・人事評価の適切な実施など改善を行っていく事が大切です。時代や働き方に合わせた愛社精神を理解し、企業内で改善に努め社員に愛社精神を持ってもらえるようにしましょう。
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