ポテンシャル採用とは【メリットやデメリット、成功させるポイントをお伝えします】

記事更新日:2023年02月28日 初回公開日:2023年02月28日

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若手人材の獲得はどの企業においても喫緊の課題となっており、その対策として注目を集めているのがポテンシャル採用です。新卒採用では卒業学校や学部および専攻学科や在学時の成績などが重視されますが、ポテンシャル採用では個人が持つ潜在能力を重視して採否を決定します。ここではポテンシャル採用が注目されるに到った経緯から、ポテンシャル採用のメリットおよびデメリット、実際にポテンシャル採用を行っている企業まで詳しく解説いたします。ポテンシャル採用の導入を検討されている人事担当者の方々の参考になれば幸いです。

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ポテンシャル採用とは

潜在的な能力を重視した採用

ポテンシャル採用とは現在持っている能力よりも秘めたる可能性とも言われる潜在能力を重視した採用方法です。新卒採用においても本人の持つポテンシャルを推し量り将来性も考えて採否を決めるのは同じですが、在学時の成績や専攻科目および今現在の知識力にとらわれることなく潜在能力を最も優先する違いがあります。ポテンシャル採用では、自社に特化したスキルをどこまで伸ばせるか、いかに速いスピードでスキルを身につけられる能力を持ちあわせているかが採用に到るポイントになります。

おもに新卒や第二新卒をターゲットとしている

ポテンシャル採用は、おもに新卒や第二新卒の20代前半をターゲットにしています。ポテンシャル採用では古い体質の企業体制を見直し新陳代謝を図る目的を持ちます。そして変化する市場に柔軟に対応していくためには、既成概念を持たない新しい人材の登用が効果的です。そういった意味で、ポテンシャル採用では20代までを採用候補とするのが一般的ですが、各社が狙う20代の人材獲得は激化しています。企業によっては30〜35歳ぐらいまでポテンシャル採用の枠を広げて有能な人材獲得を目指しています。

ポテンシャル採用が注目されている理由

求人倍率が上昇している

ポテンシャル採用が注目される理由の1つは、求人倍率が上昇しているという背景があります。大卒の内定率はコロナウイルス流行前の2020年では98%まで伸びており、完全な売り手市場となっています。今までのように企業が待ちの態勢でいては有望な人材が集まらない状況となっているため、ポテンシャル採用が注目されるようになりました。従来の学力だけで採否を決めていた新卒採用では有能な人材を見逃すことも多くあり、若い人材の見極め方にも新しい手法が必要とされ、ポテンシャル採用が注目を集めるようになりました。

ポテンシャル採用のメリット

将来の幹部候補を獲得できる

ポテンシャル採用では、応募者する若者は企業などから影響を受ける前なので、自社が希望する幹部候補として自由に育成できるメリットがあります。5年も同じ会社に勤めてしまうと、自然に会社のカラーが身につきます。それが普通だと感じてしまうようになれば、考え方を変えるのにかなりの時間と労力が必要となるでしょう。周囲からの影響を受けずスポンジのように高い吸収力を持ち、仕事に熱意を持った人材を獲得することで、自社の将来を任せられる幹部候補を獲得し育てることができます。

多様性のある人材採用ができる

ポテンシャル採用と言えば、大企業の採用で漏れた中から隠れた有能な人材を見つけ出すというイメージがありましたが、昨今では大企業でもポテンシャル採用を行っています。新卒採用と第二新卒採用を分けていた企業も、全ての応募者を対等に見てポテンシャル採用のみで若い人材を起用するようになっています。応募者は有名大学卒業者から海外から留学した人材、および博士号を持つ人まで多様な人材が集まります。自社で将来性を期待できる人材を多様な人材から選べることは大きなメリットと言えるでしょう。

ポテンシャル採用のデメリット

教育のためのコストがかかる

ポテンシャル採用のデメリットの1つは教育のためにコストがかかることです。採用した人材の全てが順調に育つとは限りません。またポテンシャル採用では社会経験が全くないか短い人が多いため、社会人としての教育も必要となります。そういう意味からも最低限の常識を持ち、教育や指導を素直に受け入れてくれる人材選びが重要です。要領が良い人よりも、実直で継続して探求心や熱意を持ち続けられることがポイントになります。教育のためにコストがかかるのは新卒も同じですので、いかに早く教育を身につけられる人物であるかも重要な選考基準です。

適性を見極めるのが難しい

潜在能力とは目に見えないものなので、求職者の適性を見極めるのは非常に難しいことです。面接では人によって感じ方も違うため、複数の目で見て判断するのが良いでしょう。3人で面接したとして、同じ印象を2人が持ったとすれば潜在能力が高い可能性は大きいといえます。できれば面接する3人とも異なるタイプである方が人材発掘には都合が良く、異質である3人ともが認める人材がいたならば非常に有望だと考えられます。ただし、採用側と現場には温度差があることも想定されるため、採用に到った経緯や採用を決めたポイントなどを指導する側にも説明しておくのが良いでしょう。

ポテンシャル採用で獲得すべき人材

学習意欲の高い人材

ポテンシャル採用でぜひ獲得したい人物像は、学習意欲が高く熱意が感じられる人材です。いくら能力があっても熱意が感じられず、いつでも勉強すれば覚えられるというような人材は会社に愛着も持たず長く継続できる可能性は低いと言えます。また、継続できたとしても周囲に与えるものはマイナスとなり悪影響を与えることにもなるでしょう。学習意欲があり何でも聞いて声をかけられる人はコミュニケーション力も高く、周囲の大きな刺激にもなり企業全体を活性化してくれるきっかけにもなり得ます。

マナーが身に付いている人材

20代の前半では社会人としてのマナーを備えている人は多くありません。第二新卒であれば多少の社会経験がありますが、社会人としてのマナーは簡単に身に付くものではありません。そのため選考の際にはマナーを身に付ける素養があるかを見極めることも大事です。持ち合わせている能力や潜在能力が高いとしても社会人としてのマナーを身に付けられないとすれば、これは考えものです。企業は相手と協力者があって成りたつものですので、学習能力だけを見て採否を決めるのは早計と言えます。

ポテンシャル採用を成功させるためのポイント

求める能力を明確にする

ポテンシャル採用を成功させるポイントは、企業が求める能力を明確にすることです。自社の強みは何であるか確認し、採用において最も重視するポイントをハッキリさせておきましょう。人はそれぞれにストロングポイントとウィークポイントを持っています。優れた能力に注目しながら、弱点も把握しておくことが重要です。また突出した強みが、自社で求めるものに一致していなければ意味はありません。何となく魅力的な人物であるだけでは人間としてのポテンシャルが高くとも、社員としてのポテンシャルが低いこともあるので、求める能力を明確にしておくことが重要になります。

適切な求人媒体を活用する

企業で人材を募集する際には求人媒体を利用すると思いますが、求人媒体は適切なものを選ぶようにしてください。とくに20代をターゲットにするのであれば、20代に人気の求人媒体を利用することが重要で、若者が気軽に使うSNSなども有効に活用しましょう。また、求人にはポテンシャル採用であることを明言してください。応募する側では求人の対象者を良く見ており、チャンスのない募集や魅力のない企業に応募することはありません。20代の若者たちが良く見る媒体に、自社の魅力もアピールしながら平等にチャンスがあるポテンシャル採用であることを伝えましょう。

キャリアプランについて把握する

ポテンシャル採用では、応募者が採用された場合にどのようなキャリアプランを考えているかを把握できれば成功への近道になるでしょう。本人が考えるキャリアプランと自社の考え方が、あまりにもかけ離れているようであれば、話し合って妥協点を見つけるべきです。お互いの意見を交わすことにより、ミスマッチなどを防ぐことが可能です。また、あまりにも現実からかけ離れたプランを考えている人の継続は難しく、キャリアプランを全く考えていない人は真剣に自社の採用を考えていないとも判断できます。

教育制度を整える

ポテンシャル採用を成功させる大きなポイントが教育制度を整えることです。いくらポテンシャルの高い人材を登用しても、その人材を教育できないときや、上手く仕事をさせることができないとなれば無用の長物となってしまいます。指導力の高い人物に寄り添って仕事をすることで、個人の持つ潜在能力を十分に引き出すことができます。そのような意味から、本人の教育制度を整えるとともに指導者の教育も重要だと言えるでしょう。教育の仕方次第で人間は大きく変わることを肝に銘じ、教育制度を整えてください。

企業理念に合った人材を採用する

ポテンシャル採用において、企業理念に合った人材を採用することは非常に重要です。企業理念に合わない人材は、いつか企業側とぶつかる可能性が高いと言えます。そのようなことが起これば、持ちあわせていた熱意は失われて高い潜在能力も無駄になってしまうでしょう。自分が働く企業に対し愛着を感じられることで、モチベーションは上がり周囲との協力も強固なものとなり、能力以上の仕事も可能となります。自社の企業理念を理解できるか、採用前に確認しておくことをおすすめします。

ポテンシャル採用の導入事例

ヤフー株式会社

ヤフー株式会社は2016年よりポテンシャル採用を導入しています。ヤフー株式会社はポテンシャル採用を導入すると同時に新卒採用は一切やめて、30才以下の人については全てポテンシャル採用の対象に統一しました。また、入社時期も多様な人材に対応するため、4月と10月の2回に分けているのも大きな特徴です。採用者全員には同じ新卒教育を行い年齢や職歴などによる差別は一切なく、自分の能力次第で全てが評価されるという、会社の意志が強く感じられる導入事例です。

サイボウズ株式会社

ポテンシャル採用を導入しているのは、IT業界大手のサイボウズ株式会社です。サイボウズ株式会社でのポテンシャル採用の特徴は、年齢という枠までも取り払い、IT企業が未経験であっても応募が可能だということです。IT企業に興味がある、経験のないIT分野でチャレンジしたいというだけでも採用枠に入れてもらえます。また、ITとは全く関係のないキャリア人材であってもキャリアチェンジをバックアップする態勢も整えており、海外からの人材にも目を向けている魅力的な企業です。

まとめ

ポテンシャル採用で将来を担う人材を獲得しましょう

ポテンシャル採用が注目されているのは人材不足の他に、IT企業のエンジニアなど特別な知識とスキルを必要とする人材が大きく不足していることが背景にあります。優秀な人材が海外に流出することも多くあり、人材不足に拍車をかけています。ポテンシャル採用にて潜在能力の高い人材を発掘し、自社独自の教育方法により幹部候補になるようにまで育てるという新しい人材開発が日本では不可欠となっています。ぜひ人事担当の方は、自社独自のポテンシャル採用を構築し、隠れた将来性のある優秀な人材を獲得してください。

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