パーソナルスペースとは【広い人狭い人の特徴や男女による違いについて解説します】

記事更新日:2023年08月08日 初回公開日:2023年08月08日

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パーソナルスペースは別名対人距離とも呼ばれ、個人を取り囲む一定の領域と定義されています。パーソナルスペースは安易に踏み込むと他人に不快感を与えるという特徴があり、他人と接する際には意識しなければいけない要素の1つです。しかし、その一方でパーソナルスペースの知識はビジネスの場やプライベートで活用すると、より良い人間関係を築くヒントになることがあります。今回はそんなパーソナルスペースの意味や活用方法についてご紹介していきます。職場環境の整備や良好な人間関係を築きたい方は是非ご参考にしてみてください。

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パーソナルスペースとは

他人が入り込んだら不快に感じる空間のこと

パーソナルスペースとは個人の周囲を取り囲む心理的な距離感または領域のことです。この範囲を他者に侵されると人によっては不快な気持ちになり、警戒心を抱くなどマイナス感情の引き金になることがあります。さらにパーソナルスペースは全ての人が同じ広さというわけではなく、その人の性格や性別だけでなく国籍でも大きく異なります。また、パーソナルスペースは持ち主と相手との関係性でも変化するので、一概にこの距離感を数値で表すことは難しいと言えます。

パーソナルスペースが広いとは

他人との心の距離が遠いこと

「パーソナルスペースが広い」という言葉は主に人との距離感が遠いという意味があります。例えば、急なボディタッチをされると驚いてしまう、それほど仲良くない人に積極的に話しかけられると委縮するという場合も、パーソナルスペースが広い人ならではの反応です。パーソナルスペースの広い人は人見知りかつ繊細で内向的な性格の人が多く、自分のペースを崩されることが苦手な傾向にあります。そのため、一定の距離を保った関係の構築が好まれる場合が多いです。

パーソナルスペースが狭いとは

他人との心の距離が近いこと

「パーソナルスペースが狭い」という言葉は広いこととは逆に、人との距離感が近いという意味があります。具体的には誰とでも短時間で仲良くなれる、集団行動にストレスを感じないという特徴がパーソナルスペースの狭い人の特徴と言えます。パーソナルが狭い人は広い人とは対照的に社交的でポジティブな人が多く、多種多様な特徴を持つ人々と仲良くなれる性格と言えるでしょう。ただし、他人の細かな感情の機微に疎い側面もあるため、距離の取り方には注意が必要です。

パーソナルスペースの4つの距離感覚

公衆距離

公衆距離は自分から350cm以上離れた距離のことで、視野にいる複数の人を見渡せるという目安があります。この距離感覚は講習会や演説など公の場で人と接する場面が該当します。公衆距離はプライベートの話など個人的なやりとりをするには遠すぎるため、あくまで個人の関係ではなく社会的な関係の相手と接する際に適切な距離と言えます。赤の他人がこの距離より内側に入ると不快な感情を抱きやすいのも特徴の1つです。また、相手の顔を目視できる距離でもあるため、挨拶が発生しないと不自然な印象を与える距離です。

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社会距離

社会距離は自分から120~350cmまでの距離のことで、具体的には相手と会話は可能ですが、双方の手は届かない程度の距離感を指します。この距離感覚は職場の上司や同僚、後輩など社会生活を送るうえで、最低限接触しなければならない他人または知り合い程度の関係の人間に対して適切な距離です。そのため、ビジネスの場面で用いられることが多いという特徴があります。また、社会距離はあまり親しくない人と接する際には最適な距離ですが、しばらくの間会話が無いと気まずい気持ちになる可能性もあります。

固体距離

個体距離は自分から45~120㎝までの距離のことで、手を伸ばすとお互いに相手に触れられるのが目安と言われています。この距離感覚は相手の仕草や表情がよく見えるので、主に友人など親しい関係にある人間が相手であれば安心や親しみを持てる距離感です。一方で、あまり深い関係に無い人がこの距離まで入るには理由が必要で、意味も無く入った場合不審に思われる可能性が高いという特徴があります。また、自分と相手との距離がかなり近いため、「会話をせざるを得ない」と思わせる距離でもあります。

密接距離

密接距離は自分から0~45cmまでの距離のことです。この距離ではハグや手を繋ぐ行為などのスキンシップが可能で、親密な関係にある人のみに許容される距離感と言えます。密接距離はかなりプライベートな場面で用いられやすく、配偶者や子供といった家族または恋人などがこの距離に居ると心地良さを感じますが、それ以外の関係性の人が入ると不快に感じます。また、人によっては絶対に他人を入れたくないと思う人も少なくありません。そのため、安易に立ち入ることのできない距離として覚えておきましょう。

男女で異なるパーソナルスペースの距離

男性の方がパーソナルスペースが狭い

パーソナルスペースは性別の違いでも若干の差異があります。例えば女性のパーソナルスペースは前後左右ほぼ同じ距離感で正円に近い形をしているのに対して、男性は楕円形で前方向に広く全体的な範囲は女性より狭い傾向にあります。性別ごとにパーソナルスペースの広さに差異があるということは相手が男性なら平気な距離での接触でも相手が女性だと不快感を抱かれるということでもあります。そのため、性別はパーソナルスペースを意識して接する上では重要な判断材料と言えるでしょう。

国民性で異なるパーソナルスペースの距離

国によっては2倍の差がある

パーソナルスペースは国籍や文化によっても異なります。42か国の人々を対象にしたとある調査では最大で139cmから最小76.5cmまで2倍近くの開きがあると結果が出ています。さらに、人口密度の高い国では比較的パーソナルスペースが狭いなど、パーソナルスペースには文化や国民性が関係しています。例えば海外で見られるハグなどの習慣は日本だと親しい人に限り行われる行為という認識があり、積極的な接触は好まれません。これも文化の違いに起因するパーソナルスペースの広さが関係していると言えます。

職場でのパーソナルスペースの活用場面

オフィスレイアウトを考える場面

パーソナルスペースはオフィスレイアウトを考える場面でも、慎重に検討しなければならない要素の1つです。会社は友人関係とは違い、節度を持った関係の構築が求められる場所です。そのため、例えば机の配置は隣り合う人と人の距離が社会的距離の最低値である120cm以上になるようにするなど、大多数の人が過ごしやすいよう配慮しなければなりません。これを行うとオフィスで働く従業員も過ごしにくさや気まずさを感じず仕事に集中できます。

リーダーシップを発揮する場面

リーダーシップを発揮する場面や、複数の人が同席している場でイニシアチブを握りたい場合にもパーソナルスペースの活用が可能です。パーソナルスペースは広く保つことで人の注目を集めるやすくなるという特徴があります。そのため、会議でリーダーシップを発揮したい時は自分を主導として話し合いをする時は角テーブルの上座に座るようにしましょう。上座に座ると他の席に座る人の視線を集めやすくなると同時に、周囲の意識も自分に集中するため発信した言葉を受け止めてもらいやすくなります。

商談を進める場面

商談や協議のように、相手と深く話し合いたい場合にもパーソナルスペースの確保の仕方が重要になります。商談などのフォーマルな場面では相手と一定の距離を取らなければならないため、テーブルなどを挟んで対面で接するのが有効です。ある程度距離を取ることで、自分が落ち着けるだけでなく相手の心理的距離感の尊重にも繋がり不快感を抱かれにくくなります。社会的な活動の場面で接する人は全ての人が親しい間柄の人ではないため、失敗できない場面ではあらかじめ距離を保つことをおすすめします。

パーソナルスペースの必要性

ストレスが溜まらないようにするため

パーソナルスペースの確保は、同じ空間に居る集団がストレスを溜めないようにするためにも大切な要素です。先述した通り多くの人はパーソナルスペースを他人に侵入されると不快感を催します。プライバシーが侵害されている気分にもなりやすく、心理的なストレスの原因になる人も少なくありません。また、十分なパーソナルスペースを確保できない場所では閉塞感を感じるという人も居ます。そのため、オフィスや会議室など人が集まる場では、各人がそれぞれのパーソナルスペースを確保できるよう配慮する必要があります。

生産性を低下させないため

パーソナルスペースの確保されない職場ではストレスが溜まりやすくなるだけでなく、従業員の生産性が低下してしまう恐れもあります。これは快適な環境で仕事ができず、従業員の集中力が低下するという理由だけが原因ではありません。生産性の低下にはオフィスそのものが狭いことで整理整頓が行き届かなくなり仕事の能率が下がる物理的な問題も考えられます。また、パーソナルスペースへの侵入によるストレスは人間関係の悪化にも繋がるのでチームワークの破綻も想定できます。

パーソナルスペースを縮める際の注意点

ハラスメントにならないように注意する

パーソナルスペースは相手との関係が親密になるほど、段階的に踏み入って良い範囲が小さくなっていきます。しかし、自分が親密な関係になれたと感じていても相手が同じ認識とは限りません。また、パーソナルスペースの広さには個人差があり、自分が許容できる距離でも相手にとっては許容できない距離の場合もあります。そのため、遠慮なく相手のパーソナルスペースに入り込んでしまうとハラスメントと捉えられてしまう可能性もあります。パーソナルスペースを縮めたい時は相手の反応を窺いながら慎重な行動を心がけましょう。

職場でパーソナルスペースを設ける方法

集中ブースを設ける

職場でパーソナルスペースを意識してレイアウトを考える際には、従業員が仕事に専念できるよう集中ブースを設けましょう。集中ブースを設ける際にはパーテーションなどを用いて空間を区切ることで他人からも視線や騒音を遮断しましょう。これを行うことにより従業員も他のことに気を取られることもなく、集中して業務に専念できます。また、チームで団結力を高めたい場合はデスクとデスクを2つから4つほど付けてブースを作ると、チーム内での親密度の上昇が期待できます。ただし、この場合も社会距離程度のパーソナルスペースは確保できるよう配慮しましょう。

コミュニケーションスペースを設ける

従業員同士の関係を深めるためにもコミュニケーションスペースを設ける際には、席と席同士を個体距離の範囲に設置すると自然と会話を促すレイアウトになります。ただし、あまりにも席が近すぎると座った人が閉塞感を感じてしまうので、適度な距離にすることが大切です。また、コミュニケーションスペースでは円卓上のテーブルを使用すると全員の顔を見渡すことができ、上座や下座のような上下関係の圧力を感じにくくなります。そのため、従業員同士の親睦を深めさせたい場合には円卓上テーブルの利用もおすすめです。

まとめ

パーソナルスペースを保ち働きやすい職場を作ろう

パーソナルスペースの考え方や知識は職場の環境づくりを考える上での重要な要素になります。パーソナルスペースの広さは周囲の人との関係性や性格でも大きく変化します。個人差があるため、一括りにはできないという難しさはありますが、心理的な距離が尊重されない環境では人はストレスが溜まってしまいます。これを放置すると従業員は本来の能力を発揮できず、職場全体の能率を下げる問題に発展しかねません。そのため、従業員が快適に仕事に専念するためにも知識を身に付け、1人1人が自分のパーソナルスペースを確保できる環境づくりに務めましょう。

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