記事更新日:2024年08月20日 | 初回公開日:2024年08月20日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報中小企業における人手不足の現状は、約65%の企業が人手不足と感じています。日本商工会議所と東京商工会議所全国約6000社の中小企業を対象に行なった調査によると、人手が不足していると回答した企業が約65%に上っていることがわかっています。その中でも建設業や運輸業・飲食業などは約80%の企業が人手不足に陥っているなど、業界によってはより深刻な人手不足に陥っています。新卒採用を行っていても、中々人材確保できていない企業も少なくありません。
中小企業で人手不足になっている理由は、少子高齢化が進んでいるためです。以前から少子高齢化が日本の大きな問題となっており、年々人口の現象も起こっています。内閣府が発表しているデータによると、2055年には1億人を切るとされています。人口が減少していくことによって生産年齢人口も減っていくため、慢性的な労働者不足に陥っています。労働人口減少によって、中小企業では若年層や女性などの採用が難しいことが人手不足の原因の一つになっています。
中小企業の人手不足は、ミスマッチによるものです。人材確保において企業は求めている能力を発揮できる人材の採用を行っています。ただ働き手を確保するというのであれば、人材を採用することはできるかもしれません。しかし採用したあとに社内で活躍してもらうためには、企業の求める条件を満たしている必要があります。とりあえずで人を採用してしまうと、能力が不足している場合ややりたい業務ではなかった場合にミスマッチとなり退職に繋がります。
中小企業はDX化が遅れているため、人手不足に陥っています。DXはデジタルトランスフォーメーションの略で、IT技術やIoTなどのデジタル技術を用いて業務フローの改善やレガシーシステムからの脱却を行い企業風土の変革を実施することです。経済産業省の調査によると、レガシーシステムを使い続けている企業は約80%に上っており、維持管理費が負担になっているとされています。DX化が遅れることで生産性や業務効率が下がり、従業員の不満が蓄積し人材流出へと繋がります。
コロナ禍から社会が復帰しつつあることも、中小企業が人手不足になっている原因です。コロナ禍は休業や時短営業などの様々な制限がかけられており、一時的に人材を多く抱える状態になった店舗や事業所が多くありました。そのため、人材不足の状況から一時的に開放されていましたが、移動などの制限が緩和されたことによって元々配置していた人数が必要になっています。営業再開などのコロナ禍前に戻ったことによって、人材不足が顕在化しているといえます。
優秀な人材をあらゆる企業が獲得しようとしているため、中小企業は人手不足に陥っています。先述した通り、日本では少子高齢化による労働力不足が慢性的な問題となっています。そのため、人材不足に陥っているのは中小企業だけでなく大企業でも同様です。売り手市場が続く中で優秀な人材を確保するために、大手企業では給与や福利厚生など大企業ならではの魅力を活用して人材獲得を行っています。そういった中で大企業と比較すると、給与などが下がってしまうため中小企業で人材確保が難しくなっています。
中小企業は景気による影響を受けやすいことも、人手不足に陥る原因です。企業規模が大きな会社は不景気になったとしてもすぐに倒産する可能性はあまりありません。しかし従業員数も少なく資本などが大企業に比べて少ない中小企業は、不景気になってしまうと企業経営を維持することが難しくなります。景気の影響を受けやすく、企業運営を継続していくことがギリギリの場合は新しい人材を確保する余裕がないため人材不足に陥りやすくなります。
中小企業で人材不足になると、労働環境が悪化します。人手不足が慢性化してしまうと、従業員一人ひとりの業務量が増え長時間労働が状態化してしまいます。業務負荷が増えることで、業務以外に時間を割く余裕がなくなり新しい知識やスキルを身に付けられなくなります。精神的な余裕がなくなってくると労働意欲や積極性も低下します。十分に休息時間を取ることが出来なければ、ストレスが蓄積していき心身の不調に繋がりかねません。
中小企業で人材不足がもたらす影響は、離職率が上がることです。人手不足が慢性的な職場環境は、既存の従業員の業務負荷が常に高い状況にあります。そういった職場環境にいる従業員は、他に労働環境が良い職場が見つかると転職や退職を考える可能性が高まります。中小企業では業務が属人化している可能性も高く、1人従業員が離職してしまうことで企業運営に影響を及ぼしてしまうかもしれません。離職率が高い企業は企業の評判悪化になり、新しい人材確保も難しくなります。
企業の価値が下がるのも、中小企業で人手不足がもたらす影響です。人手不足が状態化してしまうと、企業が行っている事業の継続も難しくなる可能性があります。事業を拡大していくためには、人材のリソース確保が必要不可欠です。もし企業として新たな事業や新規案件を受注を受けられる可能性があったとしても、専任の担当者を確保することが出来なければ新しいことを推進することは出来ません。人材不足は機会損失だけでなく企業としての競争優位性なども低下させる可能性があります。
倒産のリスクが高まるのも、人手不足によって中小企業に及ぼされる影響です。先述したように、人手不足が原因で従業員の業務負荷が高まり離職率が高まり企業価値が下がってしまう可能性があります。離職率が高い企業は新卒や転職者が就職先に選ぶことがなくなってしまうため、益々人材不足に陥ります。少人数で運営を行っている中小企業は従業員が高齢化していることも多く、若年層の人たちの人材確保が出来ない場合は労働力がなくなり倒産に繋がってしまうことも考えられます。
人材不足において中小企業が見直すべきポイントは、採用率や離職率です。採用率が高くない場合は、ミスマッチが起きて自社にあった人材確保が出来ていない可能性があります。そのため、選考基準などの見直しを行いミスマッチが起きない選考を行わなければなりません。また離職率は、新たな人材確保が難しくなるため同業他社や業界の平均と比べて高くなっている場合は対策を行う必要があります。自社の採用率や離職率がどの程度なのかは、業界の平均と比べて対策を行うようにしましょう。
人材不足で中小企業が見直すポイントは、人手と業務量のバランスです。従業員一人ひとりの業務負荷が高くなっている場合は、より良い環境に転職を考える人が増える可能性が高くなるため早急な対応が必要です。新しい人材の確保ができずに、業務分散がどうしても難しい場合はシステムの導入などを行い属人化を少しでも減らせるような対策を行いましょう。業務量のバランスを取ることができれば従業員も余裕を持つことができ、従業員がやりがいを持って業務に取り組めるようになります。
人材不足に陥っている中小企業は、待遇について見直すべきです。中小企業では中々待遇面を改善することはコスト面においても難しいかもしれません。しかし他社に比べて待遇面で劣ってしまうと、より良い環境を求めて従業員に退職されてしまう可能性があります。優秀な人材やせっかく採用した人材が流出しないようにするためには、待遇面の改善が必要です。待遇面を改善するにはコストが掛かるため、すぐには全てを改善することは難しいかもしれません。その場合はノー残業デーの設置など働きやすい環境を整備するなど行いましょう。
人材不足に陥っている中小企業で見直すべきなのは、従業員の不満に関してです。従業員の不満をそのままにしておくと、転職や退職に繋がります。またその不満が周りの従業員に伝染してしまう可能性もあり、退職者が増えてしまうことも考えられます。そのため不満を抱えていることがわかった時点で改善に動く必要があります。従業員がどういったことに不満を持っているのかを把握するためには、定期的に面談やアンケートを行うことも大切です。少しでも不満を解消できるように対策を行いましょう。
給与や福利厚生も、人材不足に陥っている中小企業が見直すべきポイントです。同業他社や同じ業界の平均と比べて、給与が低い場合には従業員がより高い給与をもらえる企業に転職してしまう可能性もあります。給与に関しては中小企業の場合、すぐに改善するのは難しいかもしれません。その場合は福利厚生を充実させるようにしましょう。住宅手当補助やセミナー受講補助も福利厚生の一つです。給与改善が難しい場合でも福利厚生を充実させることによって、人材の流出を防ぐことも出来ます。
職場環境も人材不足に陥っている中小企業が見直さなければいけないポイントです。従業員が働きやすい職場環境を整備・提供することは企業にとっても重要です。他社に比べ自分のライフスタイルに合った働き方や、知識やスキルアップを行うためのサポートを受けられる環境は従業員にとっても魅力的です。職場環境が改善できれば、既存の従業員の意欲が高まるだけでなく口コミなどから新しい人材の採用に繋がる可能性もあります。職場環境の改善を行い、従業員の働きやすい環境を提供しましょう。
中小企業で人手不足になっている原因や、人手不足になっている中小企業で見直すべきポイントなどについて解説しました。中小企業は知名度が低いため、中々満足に採用活動を行えていない企業も少なくありません。しかし何も対策をせずに人手不足が慢性化してしまうと、商品やサービスの質の低下や倒産のリスクなど企業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。対策を行うためには、企業の現状をしっかり把握しておくことが大切です。様々な見直すべき点を理解して中小企業の人手不足を解消しましょう。
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