ポジティブアクションとは【メリットや問題点、具体例についてわかりやすく解説します】

記事更新日:2024年08月19日 初回公開日:2024年08月19日

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働き方改革により多様な働き方を選べる中で、女性の社会進出も以前に比べ増えてきています。男女雇用機会均等法が制定されて以降、企業内の従業員の男女比が同じくらいになっている企業も少なくありません。未だに女性の比率が圧倒的に少ない業界や職種もあります。現在ではシニア層や女性の雇用を進めている企業も増えています。企業経営を長く続けていくためには、時代の流れに合わせた採用を行うことが重要です。今回はポジティブ・アクションについて解説していきますので、女性の雇用を促進したい企業の人は参考にしてみてください。

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ポジティブ・アクションとは

社会的・構造的な差別から不利益を被っている者に対して講じる暫定的な措置のこと

ポジティブ・アクションとは、社会的・構造的な差別から不利益を被っているものに対して講じる暫定的な措置のことです。ポジティブ・アクションは、企業の中で長年根付いている男女の役割分担の違いといった格差を解消して企業として男女が平等に能力を発揮し、活躍の機会を得ることを目指す取り組みです。似た言葉にアファーマティブ・アクションがありますが、アファーマティブ・アクションはポジティブ・アクションより包括的な意味を持っています。

差別を解消し多様性を確保することが目的

ポジティブ・アクションは、差別を解消して多様性を確保することが目的です。特別な機会を提供することによって、差別を解消し実質的な機会均等を実施します。男女雇用機会均等方では性別を理由とした差別を禁止しているため、助成に対する優遇措置を実施することで違反になるのではと思う方もいるかも知れません。しかし男女間の格差を解消するための取り組みは方に違反しないことが明記されています。ポジティブ・アクションは差別を解消するために、企業が行うべき取り組みです。

ポジティブ・アクションが必要性

女性の参画の水準を高くするため

ポジティブ・アクションが必要なのは、女性の参画水準を高めるためです。働き方改革やグローバル化が進んだことによって、女性の社会進出は以前より増えています。働く女性は増えましたが、活躍できる機会が男性と平等であるとはまだ言い切れません。厚生労働省の調査によると、平成元年から約20年の間で男女の賃金格差は広がってきています。企業内の女性役職者の割合も未だ少なく、女性がより参画できる水準を高めるためにもポジティブ・アクションが必要とされています。

実質的な機会の平等を確保するため

ポジティブ・アクションは実質的な機会の平等を確保するため必要とされています。今でこそ大型トラックの運転手や自衛隊などで働く女性が増えてきていますが、今までは女性だからという理由で採用されない職種も多くありました。しかし男性だけに限定して採用を行うと、少子高齢化や労働人口減少などによって、継承することが難しくなってきた技術や伝統文化などもあります。そういった文化を絶やさないためにも、男女が平等に働ける機会を確保するポジティブ・アクションが注目されています。

多様性を確保するため

多様性を確保するためにも、ポジティブ・アクションは必要です。ポジティブ・アクションは単純に女性を優遇するための取り組みではありません。あくまでも男女平等に個々の能力を発揮し、活躍できるための環境を整えていくことが目的です。性別に関係なく適材適所で人材を配置し持っている能力を存分に発揮することができれば、企業の組織力が高まりさらなる事業発展へと繋げていくことが出来ます。企業発展させるためにも、従業員の多様性を確保することが大切です。

ポジティブ・アクションのメリット

女性のキャリア意識の向上

ポジティブ・アクションのメリットは、女性のキャリア意識の向上です。活躍できずに毎日ルーティン業務ばかりの職場では、女性が自分のキャリアについて自発的に考えることは少なくなります。しかしポジティブ・アクションを実施し、活躍できる場が増えることで女性社員がキャリアについて考えられるようになります。仕事と家庭を両立できるような取り組みで支援を行うことで、ライフステージにとらわれることなく継続してキャリア形成を行うことが可能です。

女性社員の採用力の向上

ポジティブ・アクションを行うことで、女性社員の採用を増やすことが出来ます。男性社員が多い職場よりも、女性が多く働いている職場のほうが女性が働きやすい印象を受けるため、女性からの応募が増える可能性があります。また女性が働きやすい職場であることが口コミなどで広がることによって、企業イメージもアップします。女性にとって働きやすい環境は、男性にとっても働きやすい場合が多いため女性だけでなく男性の雇用向上にも繋がります。

女性社員のモチベーション向上

女性社員のモチベーションが上がるのも、ポジティブ・アクションのメリットです。今までキャリアアップを考えていても、男性優位の場合が多く中々実現できていなかった女性もポジティブ・アクションを導入することによりキャリアを積めるようになります。活躍の場が広がることで、女性社員のやる気がアップしモチベーション向上にも繋がっていきます。男女問わず活躍できる職場環境は、女性のライフステージに合わせた離職も防ぐことが可能です。

企業イメージの向上

ポジティブ・アクションは企業のイメージアップにも繋がります。現代において、女性が活躍できる環境や制度設計を実施している企業と従来のような慣習のまま女性の採用を進めていない企業を比べると、どちらが良いイメージを受けるかは明確です。ポジティブ・アクションは男女の差別を解消し、社員が活躍できる場を広めていこうとする積極的な取り組みです。ポジティブ・アクションを実施している企業は従業員を大事にしている企業というイメージを持ってもらいやすくなります。

ポジティブ・アクションのデメリット

男性社員に不満が募る可能性がある

ポジティブ・アクションを行うことで、男性社員に不満が募る可能性がある点は、デメリットと言えます。女性のキャリア形成や女性の雇用を優先しすぎてしまうと、男性の雇用や対応が疎かになってしまう可能性もあります。女性を優遇することによる男性社員からの妬みによって職場の雰囲気が悪くなる・優遇されていない側が不公平感を感じるといった問題が発生してきます。女性の参画機会を増やすことは大切ですが、男性に不満が募りすぎないような工夫が必要です。

ポジティブ・アクションの取り組み方

取り組み体制を作る

ポジティブ・アクションを行うには、取り組み体制を作りましょう。ポジティブ・アクションを成功させるためには、経営者が積極的に参加する必要があります。女性が活躍することの必要性をしっかりと理解し、本気で取り組むことが大切です。求心力を持った経営陣が主体になって取り組みを始めることで、現場でも女性活躍に向けて推進しやすくなりプロジェクトをスムーズに進めていくことが出来ます。現場だけで進めてしまうと、途中で頓挫してしまう可能性もありますが経営陣が率先して取り組むことで会社全体で進めることが可能です。

自社の現状分析と問題点の発見

ポジティブ・アクションは自社の現状分析と問題点の発見を行います。ポジティブ・アクションを実施していくためにはまず自社内の女性社員がどのように活躍しているのかを把握する必要があります。女性社員がいない部署がある場合や、女性管理職が他社と比較して少ない場合など問題点がある場合は洗い出しを行います。女性社員が置かれている状況に問題がある場合は、原因を分析し改善していくための見極めが大切です。現状分析は従業員にアンケートを取るなどして、どう感じているかなども把握するようにしましょう。

具体的な目標と取り組み計画の策定

現状の分析と問題点を発見したら、改善するために具体的な目標と取り組み計画の策定を行います。ポジティブ・アクションの目標を設定する際には、誰がいつまでにどういったことに取り組むのかについてわかりやすい計画を立てます。目標は客観的な評価が実施できるように、「女性管理職を3人増やす」「社内での女性の採用率を5%上げる」など具体的な数値で設定しておくことが大切です。掲げた目標を達成するために、何が必要なのかを考え具体的な取り組み計画を立てていきましょう。

策定の実施と振り返り

策定の実施と振り返りを行うことも、ポジティブ・アクションでは重要です。施策を実施する場合は、スムーズに実行できない場合もあります。その場合はなぜ問題が起きているのかを考え、改善策を考えましょう。無理に進めようとせずに現状を把握することも大切です。そしてポジティブ・アクションは実施したら終わりではなく一定期間で振り返りを行い、目標達成に関しての評価を行います。成果を社内に共有することで、ポジティブ・アクションに対する社内の理解が深まり協力を促せる効果があります。

ポジティブ・アクションの具体例

女性の積極的採用

ポジティブ・アクションを行うには、女性を積極的に採用しましょう。ポジティブ・アクションの代表的な取り組みの一つとして、女性比率の向上が挙げられます。社内の男女比が均等になっていない場合は、比率をできるだけ同じにするために女性の積極採用を行いましょう。応募を促す方法としては、企業説明会で女性のキャリアに付いて説明を行う・女性限定の説明会を実施するなどです。選考の場で女性が働きやすい職場であることをアピールすることで、女性の採用率を高める効果を上げることも出来ます。

女性の職域拡大

ポジティブ・アクションは、女性の職域拡大を行っていくことも必要です。今まで女性があまり働いていなかった部署や職種に女性を配置することも、ポジティブ・アクションの実施例となります。重い荷物を持つ職場など力の差によって女性を採用していない部署がある場合は、設備や機器の導入を行い男女間の差を補う対策を行います。マニュアルなどを整備し性別を問わずに作業しやすい環境を整備することで、男性にとっても働きやすい職場にすることが出来ます。女性に対して訓練や研修を行うことも方法の一つです。

継続就業の体制整備

継続就業の体制整備を行うのも、ポジティブ・アクションの具体例です。女性は出産や育児などライフスタイルの変化が大きく、継続して就業できなくなる人も少なくありません。多様な働き方を提供することで、継続して就業できる女性が増えるのであればワークライフバランスの実現を行うための支援を行うことも、企業としては大切です。育児休暇の期間延長や時短勤務制度の拡充を行うだけでなく、そういった制度を利用しやすい環境づくりも重要です。取得への理解を社内で深めていくことで、ポジティブ・アクションを進めていくことが出来ます。

まとめ

ポジティブ・アクションを推進して会社の長期的発展に繋げよう

ポジティブ・アクションの必要性やメリット・デメリット、取り組み方などについて解説しました。ポジティブ・アクションは、男女間の格差なく個々の能力を発揮できる環境を整備していくという企業の取り組みです。ポジティブ・アクションと聞くと女性優遇という風に考えてしまう人もいますが、女性だけを優遇する訳ではありません。ポジティブ・アクションを行うことで、離職率の低下やモチベーションアップ・企業としてのイメージ向上なども期待できます。ポジティブ・アクションを推進して企業の長期的発展に繋げていきましょう。

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