記事更新日:2020年10月30日 | 初回公開日:2020年10月13日
外国人採用・雇用 人事・労務お役立ち情報 採用成功事例 採用・求人のトレンドまず人事制度とはどういったものなのでしょうか。人事に関わる様々なルールをまとめて人事制度と言います。人事制度とはいわゆる「企業が従業員を管理する仕組み」のことです。従業員のモチベーションアップやスキルアップに繋がる決まりや指針、働き方や働く上でのルール、目標の提示や賃金や報酬の管理。経営する上で企業側は利益を上げることができる人材を求めます。その人材がより早く成果を出せる環境を整えること。その企業で従業員が安心して働けることが重要になってきます。
人事制度は従業員のやる気を引き出すためにも存在します。報酬や役職が例として挙げられることが多いでしょう。正しい評価を受けることで役職が貰え、結果を出すことで数字に繋がる。この制度が主に人事制度の目的として考えられていますが、やる気を引き出す人事制度は他にもあります。例えば人事が開催するセミナーも人事制度の一つです。自社でセミナーを行うことで企業と従業員間での指針の確認をしたり、やる気を引き出す機会を作ることができます。
人事とは企業を運営する上でどのような役割を果たしているのでしょうか。まず1点目は能力や立場によって職務内容を決定する基準になるものです。例としては、役職が1番分かりやすいでしょう。一般、係長、課長、部長…と企業には役職が存在します。役職ごとに行う仕事内容を企業側が人事制度としてあらかじめ決めておく。そうすることで企業側も人員の管理がしやすくなります。更に、従業員側も自分が求められていることが明確化し、目標設定もしやすくなります。1人が勤務時間内に出来る仕事内容は限られています。その為、立場によって、才能やスキルによって求められる仕事内容や管理する範囲を変えておくと良いでしょう。
人事制度を正しく管理することで、企業が求める人物像を従業員に提示することができます。つまり、求める人材像に近づいてもらうために人材育成をすることができるのです。明確な指針を作成することは企業側にとっても従業員側にとってもプラスになります。なぜならば、企業側は自社が求める思想や就業を行う人材育成ができる。従業員側は成果が認められ報酬や役職に繋がる。人事制度に大きく関わる等級、評価、報酬の3つを正しく運営できれば企業としてスピード感をもって成長することが出来るでしょう。
人事制度を管理する上で基盤とされている制度を3つご紹介しましょう。まず1つ目は「等級制度」です。1等級、2等級、3等級、と存在し、大きな企業では13等級まで存在する企業もあります。これは企業によってそれぞれ違いがあります。企業が大きくなればなるほど等級=役職ではない場合が多いですが、ご存知でしょうか?例えば、「課長」であっても、5等級の課長と6等級の課長が存在する場合もあります。これはあえて細かくレベル分けをすることで、意欲向上や個人のレベル管理を見込めるとされているのでしょう。
2つ目は「評価制度」です。評価制度は、人事制度の中でも非常に重要な役割を持っています。なぜなら、上司や同僚が行った人事評価が、社員の給与改定や賞与支給額、昇進・昇格などの「査定」として使われるからです。今のレベルを示すだけでなく、社員への期待を表わすとともに、今後の教育・育成の指標ともなります。そのため、人事評価表は職種別、更には役職保持者と一般別など分けて作成することが好ましいでしょう。なぜなら、評価シートを通して、次の目標やなるべき姿を決めるのにイメージがつきやすいからです。
3つ目は「報酬制度」です。報酬制度とは金銭報酬と非金銭報酬の2パターンが存在します。まずは金銭報酬をご説明しましょう。これは給与や賞与、退職金などに加え、通勤手当、残業手当など直接的な金銭による報酬の事です。そして、この制度は前に述べた等級制度と評価制度にも深く関わってきます。なぜなら昇給の有無や賞与額は等級や評価結果によって決定されるからです。次に非金銭報酬をご説明しましょう。これは企業から与えられる環境、承認、やりがいなどの事を指します。社内での報酬、留学制度、リモートワークなどです。心の健康や意欲に寄り添った制度と言えますね。
人事制度を作成する上でのメリットは主に2点あります。モチベーションアップとやるべき事の明確化ができる点です。まずは従業員のモチベーションアップです。例えば定期的に評価される評価シート、そして自社で行うセミナーや研修が活用されるでしょう。評価シートには等級ごと、役職ごとに求められる職務内容、数字、そして人物像などが記載されています。それらを確認し、次のレベルに進みたいと思う事で成長意欲につながる事でしょう。研修も同様です。定期的に社内で開催する事で、従業員と企業の方向性の確認や他者との意見交換をし、意識を高める事が出来るでしょう。
2点目はやるべき事の明確化です。企業側は会社の利益を上げるべく従業員側に求める人材像を持っています。人事制度を通して企業側は求めるものを明確に提示する事ができます。そして提示された従業員側も効率よく仕事に取り組む事ができます。例えば、基本的に人は目標がないと生産性が落ちてしまう傾向にあります。目標や数字に追われる事が好きな人と嫌いな人。このようにタイプはあるでしょう。しかし、目標がないと1日の仕事も惰性で進めてしまい、作業効率が落ちる事もあるはずです。役職を上げるため、等級を上げるため、さらには昇給のため。人によって目的は変わるでしょうが、企業側から明確なステージや数字を挙げられていればいるほど、個人の日々のパフォーマンスに影響してくるでしょう。
人事制度の作成にはデメリットも存在します。今回は正解がないため運営が困難な事、社会環境の変化によるズレが生じる事の2点です。ここまで説明してきた通り、人事制度というものは企業と従業員の間でとても重要な仕組みです。しかし、企業や採用する人材によって多種多様なものなので正解がありません。そのため、好調な企業の真似をしたり、安易に新しい考え方を取り入れる事はよくありません。なぜなら、採用した仕組みが企業に合わずうまくいかなくなる事もあるからです。そのため、企業や従業員に合わせた仕組みの作成、運営が必要です。
近年、働き方改革の影響で就業状況や企業のあり方が多様化してきています。例えば、テレワーク、フレックス、副業などですね。このような社会環境は日々変化し続けており、それに伴いやはりズレが生じる事もあります。そのため、人事制度の見直しや改革も必要になってくる事でしょう。例えばテレワークに関しては急速に定番化してきています。このテレワークは人事制度、特に評価制度に主に関係してきます。なぜならば、勤務態度、意見交換などの機会が減少してしまうからです。こうなると評価制度に使えるものといえば日々の達成度や進捗状況、数字に偏ってしまいます。達成までのプロセスの評価をする事は難しくなってしまうでしょう。
ここからは人事制度を運営する上で特に注意すべき点を3つご紹介します。今回は明確化、公平性、フィードバックの3点を挙げていきます。まず1点目は明確化の重要性です。日々の勤務で明確な評価基準を事前に伝えていく必要があります。なぜなら明確に評価基準が提示されておらず、不満を抱く従業員も存在するからです。例えば「どの点を評価されているのかがわからない」「評価結果がわからない」などです。このように基準や結果が明確でない場合、企業や上司への不信感に繋がり仕事への意欲が落ちる事でしょう。風通しの良い企業にする為、従業員の意欲を上げる為、企業側は明確に評価基準を定め、従業員に提示する事が必要です。
2点目は公平性です。この点は人事制度へのアンケートを取った際に1番の不満点として上がりやすい傾向にあります。少しでも曖昧な基準や評価があると、主観が入っているのでは、と受け取られてしまう可能性があるからです。評価者の主観は取り除き、公平に評価をする事が必要となります。「なぜ自分は昇給されないのか」「同僚の方が評価が高い」等。納得のいく評価であると認識されない場合、企業や上司への不満に繋がるでしょう。その為、企業は明確化かつ全ての従業員にとって公平な人事制度を整える必要があります。
人事評価を行うには評価対象者へのフィードバックの時間を十分に確保しましょう。なぜならフィードバックを正しく行う事で、今後の勤務態度、意欲、成果へ繋がるからです。評価結果や現在の自分のレベルを認識することで次の目標を立てる事ができ、意欲ある人材へと育成する事ができますよね。しかしフィードバックを行う際には注意点も存在します。それは上司の伝え方です。上司がコミュニケーションのズレが生じてしまった場合、部下の不満や上司、企業への不信に繋がる事もあるでしょう。評価者の適切な選択、評価者の育成も必要になってきます。
今までは年功序列で昇進していく場合がほとんどでした。やる気がない先輩、スキルアップに努めていない上司。年功序列を取り入れている企業でそのような人たちがいるとやる気のある人材のモチベーションが下がってしまいます。最悪の場合、自分の昇進や昇給はいつになるのだろうと悩み、退職に繋がる場合もあるかもしれませんね。そうならない為に成果主義を取り入れる企業が増えています。スキルのある人材や努力で成果を出す人材をサポートする為に年功序列の見直しも考えてみましょう。
年功序列の見直しで成果主義を取り入れる企業が増加しています。しかしこの制度にはメリットもデメリットもある為よく考えて取り入れる必要があります。まずメリットで言えば、公平に評価が出来ること、モチベーションアップに繋がること。結果を出せば評価を上げることが出来るので役職や給料を上げたい人は努力次第で満足のいく評価を得ることができます。対して、成果主義の取り入れで個人主義の風潮が増し、出来る人と出来ない人の差が開く可能性がある点はデメリットでしょう。同じ企業、部署で働く上で他者と助け合いながらチームワークを大切にすることが働く上では大切ですが、個人の成果が個人の評価に繋がることから個々での仕事となってしまいます。加えて、なかなか結果が出ない人は出来る人との差に悩み、やる気を損ねてしまう可能性もあります。
近年ではノーレイティング(No Rating)や360度評価と呼ばれるものが出現し、注目され始めています。まずはノーレイティングですが、これは「ランク付けしない」評価制度のことです。事務職やサポート職など具体的な数字として結果を出す職種ではないとなかなか評価しづらいですよね。その際に1週間、1ヶ月ごとに目標を立て、プロセスも踏まえて評価をしフィードバックを行います。他者と比較して「A」や「B」で決めるのではなく、その人自体を評価するものです。
次は360度評価です。これは簡単に言うと、評価対象者の周りにいる、上司、同僚、部下など様々な立場の人から評価を受けるというものです。今までであれば、直属の上司のみが評価する場合がほとんどでした。部下や同僚であっても評価者になることで、従業員の当事者意識も高くなります。どういった点を見られているのか、自分はこの項目をクリアできているのか。評価する側に立つことで早い段階から客観的な視点を見につけることができます。自身に落とし込んで考えることで従業員の成長も早くなるでしょう。
人事制度とは企業と従業員にとってかなり重要な仕組みです。企業側は経営発展のために最適な人事制度を検討する必要があります。等級制度、評価制度、報酬制度。この3つを最適な形で取り決め、従業員に提示することが会社の発展に繋がります。分かりやすくイメージしやすい指針を提示できているか、安心した制度を考案できているのか。現在の人事制度が企業に最適な状態であるかを確認してみてください。変化する社会環境の中で改善できそうな点があれば1日でも早く見直しを進めてみましょう。
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