データ活用人材に必要なスキルとは【育成や採用におけるポイントなども解説します】

記事更新日：2022年09月02日｜初回公開日：2022年08月31日

AIやDXといったIT技術に関連するキーワードを近年ではよく耳にするようになりましたが、新型感染症による影響もありIT技術の活用がさらに推進されています。データ活用もそのうちのひとつで、蓄積されたデータをビジネスに活用できる人材の重要性が高まっています。この記事ではデータ活用人材に必要とされるスキルに加えて、育成や採用におけるポイントなどについて解説します。社内に蓄積されたデータを活用できる人材を獲得したいとお考えの担当者の方は、ぜひ最後までご一読ください。

（無料）グローバル採用ナビのオリジナルの就労ビザ申請で失敗しないための「就労ビザ取得のためのチェックリスト」がこちらからダウンロードできます。

データ活用人材とは

データをビジネスに活用できる人材

データ活用人材とは一般的に、データをビジネスに活用することのできる人材のことを指しています。データ活用人材によってこれまで蓄積されてきたさまざまなデータを活かすことができれば、生産性や業績の向上といった効果が期待できるでしょう。この後にも詳しく解説しますが、データ活用人材にはIT技術だけではなくビジネスに関するさまざまなスキルも必要とされます。そのため優秀なデータ活用人材を獲得することは非常に難しく、市場価値の高い人材となっています。

データサイエンティストだけを指すわけではない

データ活用人材と聞くと、データサイエンティストという職種をイメージする方も多いのではないでしょうか。しかしデータ活用人材というのは、データサイエンティストのことのみを指しているわけではありません。データサイエンティストとはデータに基づいてビジネスにおける判断を下す人材のことを指しますが、データ活用人材はさらに広い意味で使われる場合が多いです。ともに必要とされる能力は幅広いですが、より専門性の高い業務に取り組むのがデータサイエンティストの特徴です。

データ活用人材の現状

人手不足が懸念されている

人手不足が懸念されているというのが、データ活用人材の現状です。幅広く専門的な知識が必要とされる職種であるのに加えて、それらを学ぶことのできる機会が多くないという点がデータ活用人材が不足している原因として考えられています。近年ではAIなどをはじめとするIT技術が著しく発展しているため、今後もさらにデータ活用人材の不足が進んでいくことが予想されています。したがってデータ活用人材を獲得したい場合には、早めのアプローチをかけることやスキルを身につけてもらうための教育体制を整えることが重要となってきます。

データ活用人材が不足してしまう理由

データ分析について学べる機会が少ない

データ活用人材が不足してしまう理由として、データ分析について学べる機会が少ないということが考えられます。データを解析してそれらをビジネスに活用する手法などについて学習する必要がありますが、専門的なコースのある大学などはまだ少ないのが現状です。アメリカや中国を中心とした先進国に比べても、日本におけるデータ分析の教育は少し遅れをとっています。したがって大学などの教育機関だけではなく、入社後にもデータ活用に関する教育を行う必要があるでしょう。

需要が爆発的に増加している

データ活用人材の需要が爆発的に増加しているということも、人手不足を招いている原因のひとつと言えるでしょう。現時点で既に需要と供給のバランスが取れていないというのが現状ですが、経済産業省の調査によるとデータ活用人材を含む先端IT人材は今後もさらに需要が高まるとされています。それに加えて世界中で生成、収集されるデータの量も今後さらに増加していくと考えられます。これらのデータをビジネスに活かすためにも、データ活用人材の獲得は企業にとって重要な課題となっていくでしょう。

経験のある人材が少ない

データ活用人材としての経験のある人材が少ないということも、人手不足が生じている理由として挙げられます。データ活用という技術は、AIなどをはじめとする近年のIT技術の発展によって重要視されるようになりました。したがってデータ活用に関する専門的な学習に取り組んできた人材や、業務経験のある人材の数は決して多くはありません。データ活用人材はその絶対数の少なさからも市場価値の高い人材ですので、育成や採用に成功すれば他社との差別化に役立ちます。

データ活用人材に必要なスキル

データサイエンススキル

データ活用人材に必要なスキルとして、データサイエンススキルが挙げられます。データサイエンススキルとはおもに、あらゆるデータから新たな知識を得る能力のことを指しています。人工知能や統計学といった幅広い知識を駆使する必要があるため、データ活用人材に求められるスキルの中でも特に専門性の高い能力です。近年ではこれらの分野について学べる学部も少しずつ増えてきていることから、今後さらに需要が増えるスキルであることがわかります。

ビジネススキル

データ活用人材には、一般的なビジネススキルも同時に必要とされます。データ活用においては、集めたデータを分析した結果どのような結論が出せるのかということが最も重要になります。企業の抱えている課題に対してデータをどのように繋げられるかということは、ビジネス全般における知識によって結論づけられるものです。したがってデータを集めたり加工する技術だけではなく、それらをビジネスへと適切に活かすためにデータ活用人材には幅広いビジネススキルが必要とされます。

データエンジニアリングスキル

データエンジニアリングスキルも、データ活用人材に必要とされるスキルのひとつとして考えられています。データエンジニアリングスキルとはおもに、さまざまなデータを集めて必要に応じて加工や整理を行う能力のことを指しています。データであればとにかく何でも集めればいいというわけではないため、意味のあるデータに加工することのできる能力はデータ活用人材において非常に重要となります。活用すべきデータを適切に運用するために、Pythonをはじめとするプログラミングなどの技術が必要とされます。

【採用ご担当者様へ】外国人・グローバル人材の採用に関するお問い合わせ、お悩み相談はこちらから。外国人採用に特化したコンサルタントがお答えいたします。

データ活用人材を育成するポイント

データ活用で解決すべき課題を明確にする

データ活用人材を育成するにあたって、データ活用によって解決すべき課題をまず明確にする必要があります。データを活用することによって、具体的にはどのように課題解決へつながるのかということを分析しましょう。その結果として、データ活用人材に必要とされる能力の優先度なども明らかにできます。初めから何でもこなすことのできるデータ活用人材を育成するよりも、まずは優先して必要とされる能力に特化した人材を育成することを意識しましょう。

育成に必要な費用を惜しまない

育成に必要とされる費用を惜しまないということも、データ活用人材の育成においては重要なポイントとなるでしょう。データ活用人材を育成するためには、必要に応じて研修や講習を行う場合もあります。その際に発生するコストは、決して少なくはないでしょう。しかし社内にデータ活用人材が増えれば、その後は社内研修などの形式を取ることも可能となりますのでコストを抑えることもできます。人材育成にかかるコストは、企業の将来において必要とされる投資だと捉えるようにしましょう。

人事部との連携を行う

人事部との連携をうまく行うことによって、データ活用人材の獲得や育成に大きな効果をもたらすでしょう。データ人材が必要とされる部門の現場社員と人事部との間にギャップがあると、採用活動がうまくいかない場合が多いです。具体的にどのようなスキルを持っているデータ活用人材が必要なのかなど、選考の時点で確認しておくべきことについて詳しく共有しておく必要があるでしょう。さらに必要に応じて、応募者と現場社員との面接を挟むという方法も考えられます。

データ活用人材育成サービスを活用する

データ活用に関するノウハウが十分に蓄積されておらず、社内での教育が難しいという企業は外部の育成サービスの利用を検討してみるといいでしょう。近年ではWebサイトや書籍を中心に、自身で学習を進めることのできるコンテンツも充実しています。しかし独学で進めることは簡単ではなく、学んだことをすぐに現場で活かすことができない場合もあるでしょう。一方で育成サービスを活用すれば、習熟度に合わせたカリキュラムを組めるのに加えて、より実践的な場面を想定しながら学習を進めることが可能です。

データ活用人材を採用するためのポイント

リファラル採用を活用する

データ活用人材を外部から獲得することは非常に難しいため、社員からの紹介によるリファラル採用を活用するのもひとつの手段と言えるでしょう。リファラル採用では信頼のある人材を採用しやすいというメリットもあるため、データ活用に関する業務経験のある人材とのつながりがあれば効果的な採用をすることができます。データ活用人材の需要は非常に高いため、紹介をしてくれた社員に対する適切なインセンティブを設定することも重要となります。

データ活用に関連するインターンシップを実施する

データ活用に関連するインターンシップを実施することによって、データ活用に対して意欲のある学生を採用できるという場合もあります。入社後に研修などを実施して育成する必要がありますが、他社から経験のある人材を採用する場合に比べると低コストで人材を獲得することができるでしょう。近年では統計学やデータサイエンスについて学ぶことのできる学部もありますので、そのような知識を活かしたいと考えている学生からの応募が期待できます。

スカウトによる採用を行う

外部の人材に対してスカウトを行うということも、データ活用人材を獲得する有効な手段として考えられます。スカウト型の採用は本来、優れたスキルや経歴を持つ優秀な人材に対するアプローチとして用いられる場合が多いです。データ活用人材などのように需要の高い人材に対しては、企業から積極的にアプローチをかけていく姿勢が重要となります。他社と比較した際にどのような点で魅力があるのか、自社のアピールポイントを改めて明確にしておく必要があるでしょう。

まとめ

データ活用人材を育成して課題解決に取り組みましょう

データ活用人材の育成や採用におけるポイントについて、お分かりいただけたでしょうか。データを活用してビジネスにおける課題解決につなげるという手法は、ここ数年で特に注目されるようになった技術です。したがって、データ活用に関する専門的な知識や経験を有している人材の獲得競争率が高いというのが現状となっています。社内の人材育成や外部からの採用手法など、データ活用人材を獲得するためには工夫が必要となります。先端技術を駆使してビジネス課題を解決できるデータ活用人材を獲得することで、他社との差別化を図っていきましょう。