事前に「会議(打ち合わせ)の目的・形式」をきちんと説明していますか?

記事更新日:2019年10月01日 初回公開日:2018年09月19日

人事・労務お役立ち情報

お客様が憤慨して帰ってしまった??教育方式の違いで、その会議(打ち合わせ)に臨む態勢が違います。取引先と有意義な会議をするためには特に注意して事前に会議のスタイルを伝えておきましょう。

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取引先に対してなぜ躊躇することなくそんなに意見をたくさん言うの?

取引先の方の顔色がどんどん変わっていくのが分からないの?

 私は都内の旅行会社で働く田村絢香です。私の働く会社では3年程前から外国人旅行者向けの日本国内旅行プランを企画・販売しています。日本に在住している外国人の人口が増えたことと、個人旅行者が増え旅行会社の売り上げが伸び悩んでいた背景がこの企画にはあります。我が社では企画チームに外国人を入れて積極的に各旅館やホテルの方とプランを企画しています。なぜならば「外国人にしかできない、外国人の目線でプランを考える」ことができるからです。

先日、困ったことが起きました。

S旅館の方と弊社のチームで新しいプランについて会議をしていた時のことです。会議が始まって30分もしないうちにS旅館の担当者が怒って帰ってしまったのです。それはたいそうお怒りのご様子でその場が収まらず、挙げ句の果てにはS旅館の担当者は帰ってしまったのです。まさかの事態に私はびっくりし困惑してしまいました。
 なにが起きたのかというと、まず今回の会議の目的は予めS旅館で考えられたいくつかの企画案を弊社のチームと一緒にブラッシュアップしていくことが目的でした。しかし、チーム内の外国人AさんがS旅館の企画を発表されると同時に意見を言い続けた為、S旅館の担当者はみるみるうちに顔色が変わり退席してしまったのです。

私は何が間違っていたの?誰か教えて!

良い商品を一緒に企画したいという気持ちが伝わっていなかったなんて…

 私はアメリカ出身のコニーです。来日2年目になります。アメリカの大学卒業後、就職のために日本に来ました。大学時代に日本へ旅行した時に日本が大好きになり旅行会社を就職先として選びました。大学在学中には「日本語能力試験1級」も取得し、今年の4月から外国人向けの旅行プランの企画チームにも抜擢され、私の能力やバックグラウンドを活かせる今の環境にとても充実しています。

 先日困ったことが起きました。

 冬商戦に向けた新しい外国人向けの旅行プランを決めるS旅館の方との企画会議でのことです。事前にS旅館の担当者が色々な企画を考えて来てくださったので、一つ一つそのプランについて実現可能なことと非現実的なこと、外国人からはどんな印象を持たれるかなどを説明していました。すると、担当者の方が突然「今日の会議はいったんここまでにして、日を改めましょう。」と言い帰ってしまったのでした。しかも、チームの田村先輩からは私の発言に対してひどく怒ってしまったのが原因だと言われたのです。私が原因だったなんて思いもよらなかったので、とても困惑しています。そして、なぜ怒るのかも分かりません。私は良い商品を作るために一つ一つ的確に意見を述べていただけのことです。なぜS旅館の担当者は怒ったのでしょうか?

2つの会議スタイル「ソクラテス型」と「孔子型」

受けてきた教育様式が反映する会議スタイル!

 さて、ここで今回の事象の原因を探る前に異文化間のコミュニケーションで大切な「会議のスタイル」について学んでいきましょう。まず「会議のスタイル」には大きく分けて2つのタイプがあります。

ソクラテス式:ソクラテス型とはご存知のとおり、弟子との問答で知られている古代ギリシャの哲学者から名づけられています。双方の意見をよしとするスタイルです。詳しく説明すると、あえて相手と反対の立場をとって議論し、積極的に発言することが評価されます。聞き手と話し手の双方が情報を提供しあい、聞き手が話し手に異議を唱えてもよいというのが特徴です。議論が美しい、相手と違う意見、話し合いが目的で、結論が明確なのです。しかし、これらがうまく機能しない時の理由として、聞き手か話し手の準備不足であるときや、聞き手が何も反応しないときです。いわゆる会議がしらけている状態です。(欧米など)

孔子式:孔子型とは、論語で知られる儒家の始祖、孔子にちなんで名づけられました。子曰く(先生がこうおっしゃった)とあるように、序列を重んじ目上の人の話を重んじ、目下の人が聞くというスタイルです。会議などでは長幼の序を重んじ、目下が目上の話を聞き、話し手が主導権を握ります。聞き手が話し手に異議を唱えることはあまり評価されません。実は、1対1の場で密にコミュニケーション(根回し)をしているのも特徴です。これらがうまく機能しない場合の理由としては、話し手が準備不足である場合と、聞き手が反論する場合です。(中国や韓国、日本が典型、一部東南アジア)

 各国の学校の授業スタイルもこの2つに大きく分かれていることが多いです。教壇に立って先生の授業を受ける(受け身型)のは孔子式、先生も生徒も同じ目線で積極的に様々な意見を出し合って授業を作っていくのがソクラテス式です。受けた教育の違いで会議での参加スタイルのスタンダードはここまで違います。

 では事象を振り返ってみましょう。

 今回、コニーさんは相手の発表の最中に積極的に反対意見を発言しました。発言者がまだ、なぜそのような結論に至ったのか理由を述べる前に、はたまた全ての案を発表する前にたくさんの異議をその度に唱えられたのでS旅館の担当者は怒ってしまったのでした。当然、コニーさんは相手の意見を尊重しているのが前提ですし、より良いものを作りたいという高い意識のもと、厳しい意見を発言しただけのことでした。

 比較的日本では、まずは双方の発表を最後まで聞き、最後に修正や問題点等を話し合うスタイルが好まれます。どちらの意見も尊重しまずは受け入れる・認めるという行為を「最後まで聞くこと」で表現しています。ソクラテス式でも互いを尊重しているのですが、どうやら反対意見を伝える時がキーポイントになるようです。相手が無理難題を突きつけた時その場ですぐに「できません。」ということは日本ではとても珍しいです。「社に戻り、上司と相談して参ります。」などいったん相手の意見を持ち帰り、数時間後または数日後に「検討した結果このような理由でできません。」とお断りするのが慣例です。気が利く人はさらに「ここがもしこうであればこのくらい実現可能です。」という歩み寄りの提案があります。

 とはいえ会議の種類にはソクラテス式と孔子式の大分類から更に細かく分かれて5つの種類があります。今回の事象の原因は「今回の会議は○○ですのでこのように進めて下さい。」という説明がされなかった為に、お互いがお互いのスタンダードスタイルで始めてしまったことにあります。

参考に会議の種類5つをご紹介します。

報告や連絡の会議

・目的は組織全体での情報共有

・全ての報告が終了後、新しい情報に基づいた行動計画の見直しや具体的なスケジュールや業務の修正を行い全員が1つの目的に向かって仕事がしやすいようにする


アイデアを出す会議

・ブレーンストーミングとも呼ばれ、ある議題に対して自由な考えを述べることが求められる

・今までとは違う斬新なアイデアを出すのが目的の会議なので、出来るだけ好きなように発言出来る環境を整える必要がある

・斬新なアイデアをたくさん出すために「ルールを設けること」もしばしばみられる

 例)どのような奇抜なアイデアでも歓迎すること

   現実的な根拠は求めていない

   出されたアイデアに対して判断や結論を出さない


問題を発見するための会議

・目的は「日常的に行われる業務の中の当事者が感じていない問題点」をみつけること

・実際に作業をする人達による意見が重要であるため、普段現場で作業しない役員や管理職などは不要


意思を決定する会議

・参加者が自由に意見を出し、それを踏まえた上で最終的に決裁者が判断を下すスタイル

・なるべく多くの意見を引き出すために決裁者は最後まで自分の意見は言わないこと

・決裁者は最終決定とは異なる意見に対して、なぜその決定を下したのかを合理的に説明する責任がある


コーチング会議

・上司が部下を教育するために行われるもの

・まだ仕事を覚えていない未熟な人がいる場合は、報告会議や問題解決会議などとは別に、コーチング型会議を開催する必要がある

 このように様々な会議のスタイルがありますので、事前に今回はどんな目的の会議であるのか、また会議の進め方を「最後までそれぞれの意見を聞いてから、最後に質疑応答の時間があります。」や「発表の途中でも構いませんので、大いに意見を述べて下さい。」などと説明をすると良いでしょう。

 いかがでしたか?もしかしたら外国人労働者だけに限られた話でもないですよね。

 異文化問題とは習慣・文化・価値観の違いだけではなさそうです。最近の日本のビジネス社会では年代の差による同じような問題が起きているようです。新人教育にも併せて、事前にどんな点に注意して何をどのように説明したら良いのか?少しでも役に立てたらと思います。

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    この記事を書いた人

    佐多 由梨(さた ゆり)

    1981年生まれ。神奈川県出身。日本企業にて総務・人事部門で10年ほど勤務後、現在のグローバル企業の同部門マネージャーとして働いている。人事・教育担当としての経験と学生時代から活動していた国際交流や言語学習で培った経験を活かして、これからのグローバル社会において企業側が心得ておくことや、どのように人材開発したら良いかのポイントを発信している。

    HP:Spectrum


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