ホワイト企業とは?【ホワイト企業に認定されるには?】

記事更新日:2020年09月04日 初回公開日:2020年08月27日

人事・労務お役立ち情報 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 用語集
近年では「良い企業」の代名詞として使われる「ホワイト企業」という言葉。これから働く企業を選ぶ方も、自社を改革したい方も、大変重要な観点ですよね。対義語の「ブラック企業」と併せて認識度は高いですが、これらが唱えられ始めたのはごく最近です。本記事ではホワイト企業の定義や特徴、企業としてホワイト企業を目指すべき理由などを詳しく解説します。ホワイト企業認定をされている企業の事例も紹介しますので、ぜひ身近な企業と照らし合わせてみてください。

ホワイト企業とは

働く環境の良さが世間から評価されている企業のこと

まずホワイト企業の定義を改めて確認しましょう。ホワイト企業とは、従業員目線での「働く環境」という観点において、世間から高い評価を受けている企業のこと。社内環境が悪く待遇の悪い「ブラック企業」と対称的に、従業員が働きやすい制度や環境を整えている企業といえます。1991年のバブル崩壊後の景気悪化以降、コスト削減のために劣悪な条件で従業員を働かせるブラック企業が出てくるようになり、2000年代以降は社会問題化されました。その反動として、働きやすい「ホワイト企業」を求める風潮が高まったといわれています。

労働者が働きやすいので人気度も高い

ホワイト企業といえば「離職率が低い」「残業時間が少ない」「有給を取得しやすい」「子育てや介護など家庭の事情があっても働ける」「人材育成や評価制度がしっかりしている」など、働く側にとって好条件が揃っています。そのため入社を希望する学生が多く、競争率も高くなる傾向にあります。人生の大半を過ごす職場と考えると少しでも環境の良い企業に入りたいという気持ちは当然のものですよね。ブラック企業を避けようとする動きが高まるにつれて、ホワイト企業への人気度も上がり続けています。

ホワイト企業に認定される目的

企業イメージが良くなり人材確保しやすくなる

企業側が「ホワイト企業」をアピールする目的は、企業イメージを上げることで人材を確保するためです。労働人口が減少し人材確保が困難になっている昨今、特に中小企業にとって人材不足は死活問題。そんな中、ワークライフバランスを重視する近年では、ホワイト企業という肩書きがあるだけで応募者の増加が期待できます。結果的に、優秀な人材を採用しやすくなるといえるでしょう。一度でもブラック企業のイメージがついてしまうと、採用募集をあけても人材が集まりにくく、取引や株価などにも悪影響が出る可能性が高いのです。

人材定着率が向上する

ホワイト企業認定があることで、企業は優秀な人材を採用しやすくなるだけでなく、その人材に長く働いてもらいやすくなります。転職が一般的な現代においても、離職率の低下および定着率の向上に効果があるとみられています。企業にとってせっかく採用・育成してきた人材を失うことは経済的にも大きな損失であるのは皆さんご存知の通りですよね。働く環境を整えることこそが、長い目で見ると人材の定着およびコスト削減に繋がるといえるでしょう。つまりホワイト企業は、企業・従業員の両方にとってメリットがあるのです。

ホワイト企業の特徴

残業が少ない

次に、ホワイト企業の特徴を3点紹介します。一つ目は残業が少ないという点です。残業をしないために仕事の効率化を図ったり、ノー残業デーを作ったりするなどの工夫がなされており、自然に「定時に帰る」という雰囲気があるのがホワイト企業ですね。上司や先輩が残業をしていると帰りづらい…という話は良く聞きますが、ホワイト企業では長時間労働の文化自体が薄く、そのような気遣いをする必要もありません。適正な労働時間は社員の身体的・精神的健康を守っているともいえます。

有給休暇が取得しやすい

次に、有給休暇取得率が高いというのも重要な特徴です。有給休暇は労働基準法によって付与される正当な権利ですが、なかなか自由に有給申請を上げられない企業もありますよね。有給取得率が高いということは企業が社員の健康やリフレッシュを大切に捉えていることや、誰かが休んでも仕事が滞りにくいシステムが構築されていることを示しています。厚生労働省の2019年「就労条件総合調査」によると、労働者の年間平均有給取得日数は9.4日ですが、ホワイト企業と呼ばれる企業では実際にこの2倍以上の有給を取得できている場合がほとんどです。

離職率が低い

さらに、ホワイト企業の典型的な特徴は離職率が低く、社員の勤続年数が長いという点です。長く働いている社員が多いということはそれだけ満足度が高く働きやすい企業といえますよね。一般的な企業では入社後3年以内に3割の社員が退職すると言われているので、退職者が3割を超える企業はブラック企業とみなされる可能性があります。この具体的な数字は就職四季報などで確認することができるほか、転職サイトなどで常に求人を募集している企業は離職率が高いことが多いです。

ホワイト企業認定とは

ホワイト財団が主催している認定制度

一般財団法人日本次世代企業普及機構、通称ホワイト財団が主催している認定制度に、「ホワイト企業認定」があります。企業のホワイト化を総合的に評価する認定制度で、国内では唯一のものです。人々がそれぞれの個性と特徴を活かしながら溌剌と創造的に働けるような企業であふれ、明日が楽しみに思える社会の実現を目指して、「次世代に残すべき素晴らしい企業」を掘り起こし評価・表彰しています。認定企業は年々増加しており、2020年現在76社が認定を受けています。

ホワイト企業になるための7つの指標を意識する

ホワイト企業認定の要件については、1,000社以上の調査実施により企業のホワイト化で取り組むべき70設問が作成されています。この70設問が①ビジネスモデル・生産性②ダイバーシティ&インクルージョン③ワークライフバランス④健康経営⑤人材育成・働きがい⑥リスクマネジメント⑦法令遵守の7指標に分けられ、総合的に判断、評価されます。例えば②ダイバーシティ&インクルージョンという指標では、全ての従業員がそれぞれの特色や個性・経験等を活かし、活躍できる会社を目指して多様な人材の活躍支援を行っているか、が問われます。

必要書類を提出しホワイト財団からの認定を貰う

ホワイト認定を受けるためのステップについて確認していきましょう。まずは戦術の70設問の審査をwebアンケート形式で受け、その結果のフィードバックを受けます。この時点で7指標の各項目が点数で表示されるため、自社の状況・弱み・強みを知ることができます。この段階で認定基準を満たしていれば仮認定となり、書類審査へ。Web審査の根拠となる書類、労働法遵守証明書、財務状況証明書、ホワイト企業認定に係る承諾書などの書面を提出し、認定となります。認定は1年更新のため翌年には再審査が必要な点は覚えておきましょう。

ホワイト企業大賞について

ホワイト企業大賞企画委員主催のアワード

他にも「ホワイト企業大賞」という制度もあり、これは一般社団法人フロー・インスティテュートが運営する「ホワイト企業大賞企画委員会」により主催されるものです。ホワイト企業の定義を「社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にしている企業」とし、2015年以降すでに第6回まで表彰を行ってきました。企業以外にも役所、NGO、NPO、任意団体も含めた広い団体を候補としており、自薦他薦を問わないというのも特徴的。2019年度より応募企業を「ホワイト企業フェロー」と称し、ホワイト企業を目指す仲間づくりも目指しています。

明確な審査基準はない

ホワイト企業大賞は応募時に提出する「エントリーシート」「組織プロフィール」、 全社員様を対象に行う「ホワイト企業指数アンケート」の結果から、企画委員会にて選考しています。明確な基準はありませんが、アンケート質問は個人、職場の関係性、社会貢献の3つの大項目と①人間的成長②自律③信頼④誇りの小項目に関連して作成されています。大賞だけではなく「使命感と仲間意識の両立賞」【働く一人ひとりのチャレンジ精神賞】などユニークな特別賞を認定しているのも面白い点です。

ホワイト企業ランキング

1位三菱地所株式会社

ホワイト企業総合研究所を擁するホワイトアカデミーが毎年公表しているホワイト企業ランキングTOP100より、2020年度の上位3企業を見ていきましょう。これは働きやすさ、残業時間、有給休暇取得率、給与・福利厚生、成長環境、財務指標などを100点満点で採点したもので、第1位の三菱地所株式会社はスコア93.4、堂々の3年連続1位取得となりました。不動産会社や大手デベロッパーは、給与が高いため就活生に人気で、しかも離職率が低い傾向にあります。特に三菱地所は残業の月平均20時間強と少なく、健康経営が実践されている点が評価されています。

2位グーグル合同会社

第2位はグーグル合同会社がランクインしました。このランキングは2020年より外資系企業を加えましたが他にもヴイエムウェアなど外資IT企業が上位にランクインしています。グーグルで特筆すべきは無料の社員食堂に代表されるような福利厚生の高さでしょう。朝・昼・晩の3食無料で、栄養バランスを考慮された食事をブッフェ形式で楽しむことができ、仕事中の軽食や飲み物も含めて全て無料とは羨ましいですよね。オフィスにジム・診療所・マッサージセンターなども付いており社員の健康面を気遣う姿勢が評価されたのではないでしょうか。

3位三井物産株式会社

第3位は三井物産株式会社です。4位に三菱商事、7位に伊藤忠商事、9位に住友商事と、トップ10のうち4社を大手総合商社が占める結果となりました。総合商社はいずれも平均年収が高く、ホワイト企業が多い傾向にあるようです。三井物産は総合商社の中でも「人の三井」と呼ばれるほど優秀な人材が揃っていると言われています。平均収入では総合商社の中では三菱、伊藤忠に次ぎ第3位のようですが、特に海外勤務時の手当が充実しているとか。海外で働く機会も多く、グローバルに活躍したい人材にはぴったりですね。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

ホワイト企業になるための具体的な取り組み

就業時間に関する勤務制度を導入する

ここからは、企業が「ホワイト企業」に近づくための取り組み事例について解説していきます。まずはワークライフバランスの実現に向けた、勤務制度の改革です。ホワイト企業の多くは柔軟な働き方を推奨し、フレックスタイム制度の導入や始業・終業時刻の繰上げ、繰下げ、ノー残業デーの設定など残業時間短縮の取り組みを実施しています。これらを制度化し、コーポレートサイトや社内イントラでの発信などを通して社内外に満遍なく周知、適用している点もポイントですね。

保健指導を適切に受診できるような体制

また、健康経営の観点での取り組みとして、従業員への保健指導体制を整えることも良いでしょう。定期健康診断の結果をもとに、対象者には個人宛通知を実施したり、治療が必要な場合には特別休暇認定をしたり等も必要かもしれません。メンタルヘルスについても注目が高まっていますので、定期的にストレスチェックを実施し適切な対策を講じることも必要です。従業員の心身の健康は企業にとって重要な経営資源ですが、個人の健康増進を企業の業績向上に繋げる仕組みづくりが必要だというわけですね。

ホワイト企業を目指して労働環境を整えてみては?

本記事では今や全企業が目指すべきである「ホワイト企業」について、その特徴や認定制度、代表的な企業の事例などを紹介しました。その企業を働きやすいと感じるかどうかは個人の感覚によるものであり、部署や担務によっても異なるため一概にこの企業はホワイトだ、と決めつけることは難しいです。とは言え、平均残業時間や有休消化率、社員定着率などが示す数字はある程度ホワイト企業の指標となるでしょう。労働環境の整備は企業・従業員双方にメリットがある取り組みだということを理解し、できることから始めてみるのはいかがでしょうか。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら