スクラム採用を取り入れるべき理由【リファラル採用との違い・企業事例】

記事更新日:2019年10月26日 初回公開日:2019年10月01日

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就職売り手市場が続いている昨今、優秀な人材を採用することは企業にとって重要な課題となっています。採用方法にも頭を悩ませていることでしょう。そんな中、2019年に入ってから注目を集め始めた「スクラム採用」をご存知でしょうか。「スクラム採用」は、今、ベンチャー企業を中心に取り入れられている最新の採用方法です。一体どんな方法なのでしょうか。また、なぜ注目を集めているのでしょうか。その内容やメリットなどを解説していきます。

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スクラム採用とは

社員主導型の採用法

スクラム採用は、社員主導型で行う採用活動のことを意味します。採用支援事業を展開する「株式会社HERP」が提唱し、今最も新しい採用方法として話題になっています。基になっているのは、IT系企業で取り入れられているチーム開発の手法の一つ「スクラム開発」。共通のゴールを達成するためにチーム一丸となって働くことを指す言葉です。これを採用に置き換え、全社員で採用活動に取り組もうという考え方です。つまり、スクラム採用は社員の意識が大切な採用方法と言えるでしょう。

スクラム採用の定義

スクラム採用には、3つの条件が定義づけられています。1つ目は「権限委譲」、2つ目は「成果の可視化」、3つ目は「担当のプロジェクトマネージャー化」です。権限委譲とは、採用における権限を細分化し現場社員に委譲すること。成果の可視化とは、採用活動に関する成果を全社員にフィードバックすること。担当のプロジェクトマネージャー化とは、採用担当者は全体を統括するマネージャーの役割に徹底することを意味しています。これらの定義は、採用活動を一つのプロジェクトと考え、社員一丸となり現場主導で進めていくために不可欠な要素とされています。

スクラム採用が注目される理由

採用チャネルの多角化

スクラム採用が注目される背景には、採用方法や採用媒体の多角化が挙げられます。ここ数年の採用方法を見ると、SNS採用や社員からの紹介によるリファラル採用が高まってきています。採用サイトや転職エージェントなどの従来の採用活動では、企業が求める優秀な人材発掘が難しくなってきたのでしょう。企業は様々な採用チャネルを組み合わせ、職種や職場環境に応じてベストな施策を打つことが求められています。それには、応募者と社員との接点を少しでも増やさなければならず、一人でも多くの社員の協力が必要なのです。

採用のミスマッチを防ぐため

スクラム採用のニーズが高まる背景には、採用において多くの企業が抱えている採用後のミスマッチや早期離職の多さも挙げられます。これを防ぐため、企業では会社説明会や職場体験などを開催し、優秀な人材発掘に目を光らせていることでしょう。しかし、従来の人事部主導のやり方では限界があります。なぜなら、求める人材や業務内容を深く理解しているのは現場の社員であり、彼らの協力が不可欠だからです。全社員で取り組むスクラム採用ならば、応募者と多くの接点を持つことで相互理解が深まり、課題解決にもつながるでしょう。

スクラム採用がもたらすメリット

採用力向上

スクラム採用は、全社員を巻き込むことで人事部だけではできない様々なチャネルを利用した採用活動が可能です。SNS採用やインターン採用など、時代のトレンドや状況に合った方法を取捨選択し、採用活動の効率化が図れます。また、採用担当者の負担を軽減することで仕事の質も向上し、積極的に採用活動に取り組む意識も生まれるでしょう。社員一人ひとりの協力が大きなパワーとなり、おのずと企業全体の採用力向上へとつながります。

優秀な人材の発掘

これまでの採用方法は、人事部が採用サイトや転職エージェントなどを通して応募を待つタイプがほとんどでした。しかし、最近は採用方法の多角化により、優秀な人材へ直接アプローチする企業も増えているのではないでしょうか。また一方で、求職者による仕事探しの方法も多様化し、優秀な人ほど紹介などのリファラル採用を狙っています。この層に積極的にアプローチするには、社員一人ひとりがアンテナを張っておくことが大切です。全社員で取り組めば、優秀な人材をいち早く発掘するチャンスも増えるでしょう。

エンゲージメントの向上

スクラム採用には、社員のエンゲージメントを向上させる効果があります。エンゲージメントとは、会社への愛着心や貢献心のことです。スクラム採用は、社員主導で採用活動を行うため求職者に自社の魅力をPRしたり、自分が手掛ける仕事内容について深く考えたりする機会が増えます。それにより自然と社員の採用への意識が向上し、積極性も高まるでしょう。社員が自発的に会社の魅力を発信すれば、企業ブランディング力アップの効果も期待できます。

スクラム採用の主な種類・タイプ

現場主導型

現場主導型は、人事部と現場社員の役割を明確にして採用活動を進めていく方法です。人事部の役割は、採用活動の進行管理や情報共有などを統括すること。現場社員の役割は、チームを組んで実際の採用活動を進行していくことです。多くの権限を現場社員に委譲しているのが特徴でしょう。そのため、募集要項や具体的な採用活動、内定者の決定も現場社員が行います。現場主導型は、入社後のミスマッチ防止に大きな効果をもたらすので、早期離職が多くて悩んでいる企業におすすめです。

情報共有型

情報共有型は、採用に関する情報をネットワーク上でオープンにする方法です。応募者の選考プロセスや採用担当のフィードバックなどがアップされており、誰でも気軽にアクセスできます。情報共有型の良い点は、職種に関係なく取り入れることができ、全社員間でのコミュニケーションが活発になることでしょう。現場社員と採用担当の情報のギャップがなくなれば、スムーズに採用活動を進めることができます。また、一人の応募者に対して全員が関心を持つことでより優秀な人材マッチングにつなげることもできます。

プロジェクト型

プロジェクト型では、採用を全社的なプロジェクトとして進める方法です。人事部がプロジェクトマネージャーとなりプロジェクトチームを発足。全員で共通の目標達成に向けて活動していきます。また、プロジェクト型を導入している企業の多くは、採用プロジェクトへの参加を組織貢献として評価制度に取り入れています。そのため、社員のモチベーションやエンゲージメント力アップの効果も期待できるでしょう。採用を通して企業力をアップさせたい会社におすすめです。

スクラム採用を成功させる方法

経営陣のコミットメント力

スクラム採用を成功させる最大のポイントは、経営陣の採用へのコミットメント力です。例えば、スクラム採用で成功している「メルカリ」では、代表取締役会長兼CEOの山田氏が全社会議の度に全社員に向けて採用の重要性を語っています。会社にとって、全社員を巻き込む採用活動がいかに重要なことかを理解しているのでしょう。社長自らが重要性を発信し続け、社員の採用活動への意識改革につながっています。経営陣が採用にコミットメントする意識が高ければ高いほど、スクラム採用の効果は人材採用以上の成果を生み出します。

現場への権限委譲

スクラム採用で重要な定義の一つが「権限委譲」です。現場主導で採用を進めるには、まず人事部と現場社員がそれぞれの役割を明確にすべきでしょう。これまで人事部が行っていた作業を細分化し、誰がどの役割を担うかを決定します。例えば「hey株式会社」では、募集や進行管理は人事、採用内容や採用方法を決めるのは現場と決めています。しかし、経験のない社員を突然巻き込むのはリスクがあります。スクラム採用を始めて導入する場合は、幹部クラスを中心に小さな成功体験を積み重ねていくのがよいでしょう。

採用情報のオープン化

全社員で採用を行っていく場合には、どの社員も等しく採用情報を知る必要があります。それには、採用に関するあらゆる情報が一元管理されていると便利です。一つにまとまっていると、共有化がスムーズに行えるでしょう。また、全社員に同じ情報がオープンになっているので、細かな気づきやコミュニケーションの活発化にも役立ちます。社員は、いつでも必要な時に情報にアクセスでき、活用できることが理想です。成果が見えると、社員のモチベーションアップにもつながります。

オフラインでの接点作り

いざスクラム採用を始めようと思っても、何をすればよいのか悩むかもしれません。そんな時は、小規模な会社説明会や社員との交流会などのイベント開催から始めるのがおすすめです。求職者も現場の社員も参加しやすい、カジュアルなイベントが良いでしょう。こまめに行い、より多くの求職者に自社をPRする機会を作ることが理想的です。インターネットが発達した現代でも、リアルな接点を作ることは重要です。リファラル採用が盛んになればなるほど、直に触れ合える機会は双方の企業理解をより深めることができます。

社員が参加しやすい環境づくり

スクラム採用を行うには、社員が採用活動に積極的に参加したくなる環境を作ることも大切です。それには、人事部や採用担当者、プロジェクトマネージャーが、現場社員がアクションを起こしやすい仕組みを作りましょう。例えば、採用活動費の支援や採用フローの改善などが考えられます。採用活動に力を入れるあまり、現場社員への負担が増えて主業務となる仕事がおろそかになっては本末転倒です。動きやすい仕組みを構築することで、社員たちのフットワークも軽くなり採用への意識が高まります。

成功事例1:株式会社PR Table

株式会社PR Tableは、企業PR支援事業を行っている会社です。いち早くスクラム採用を取り入れた会社の一つでしょう。こちらでは、「HERP」という応募情報を一元管理するソフトウエアを導入した採用活動を展開しています。あらゆる採用情報が、全社員に向けてサイト上で公開されているだけでなく、情報が更新されると社内チャットアプリに通知されるのも特徴です。社員同士のコミュニケーションが活発になり、導入前に比べて社員のエンゲージメントスコアが20%もアップ。社員の積極性が向上したことで応募数も伸びている企業です。

成功事例2:Fringe81株式会社

Fringe81株式会社は、プロジェクト型のスクラム採用法を取り入れている企業です。こちらでは、常時20を超えるプロジェクトが同時進行しており、採用プロジェクトはそのひとつ。人事がプロジェクトマネージャーの仕事に徹底し、現場主導の採用を推し進めています。この会社が成功している理由は、プロジェクトへの参加が「組織貢献」として評価される仕組みになっているからです。そのため、プロジェクトへの参加はすべて任意であるにも関わらず、社員の8割以上が何かしらのプロジェクトに関わっています。

採用活動は社員主導の時代へ

いかがでしたか。スクラム採用について、理解できたでしょうか。採用チャネルの多角化によって、企業の取り組み方も部署単位から企業全体へとシフトチェンジしています。スクラム採用の最大のメリットは、企業内の採用力を高められること。社員一丸となって採用活動に取り組む考え方は、採用活動を模索する企業を中心に今後ますます普及していくでしょう。これからスクラム採用を導入する企業は、まずは現場社員が会社説明会に参加したり求職者との交流会などを企画したりと、小さなことから始めてみてください。

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