レッテル貼りとは【レッテル貼りはハラスメントに該当する?レッテル貼りする人の心理を交えて解説します】

記事更新日:2024年10月15日 初回公開日:2024年10月15日

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テレワークなどが進み、社内において対面でのやり取りが減ってきている昨今では、従業員同士のコミュニケーションが希薄になっている企業も少なくありません。従来であれば、対面で顔を見ながら業務をしていたため人となりを知る機会は多くありましたが、今ではそういった機会も減ってきています。それによって、相手を判断する情報が少ないために無意識の内に自分の中の憶測だけで相手を決めつけてしまっていることもあります。今回はレッテル貼りに付いて解説していきますので、人事担当者の方は参考にしてみてください。

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レッテル貼りとは

人や物事を偏見による一言でまとめること

レッテル貼りとは、人や物事を偏見による一言でまとめることです。ポジティブなイメージをつけるのは問題ありませんが、レッテル貼りは否定的なラベルをつけることを意味しています。対象となる人や物事に対して、詳しく知らないにも関わらず先入観や一方的な決めつけによって自分の中で判断を下し評価や批判をすることです。勝手な憶測や偏見で人や物事を判断してしまうことによって、ハラスメントにも繋がっていくため注意が必要です。

認知の歪みの一種

レッテル貼りは、認知の歪みの一種でもあります。レッテル貼りは、マイナスのラベルを付けてイメージを固定化することでもあります。「おとなしい人だからリーダーに向いていない」「ゆとり世代だから忍耐力を持っていないだろう」という思い込みをする人は少なくありません。しかしこれはあくまでもその人の想像や憶測であり、事実ではありません。私達はほんの一部の情報から相手の性格や特徴などを決めつけてしまう癖を持っています。

レッテル貼りの起源

オランダ語のletter

レッテル貼りの起源は、オランダ語で手紙や手紙に書かれた文字を意味するletterから来ています。letterが書かれた張り紙(今のラベル)のことをレッテルと呼ぶようになり、張り紙を貼ることで特徴づけられることからレッテルを貼るという言葉が生まれました。レッテルとラベルで呼び方が分かれていますが、ラベルもある人やものを分類するキーワードとして使われることも多く、似たような意味を持っています。レッテルがオランダ語なのに対して、ラベルは英語です。

レッテル貼りの具体例

性別や年齢で決めつける

レッテル貼りは、性別や年齢で決めつけを行うことです。日本では多くの人から小さい頃からレッテルを他人に貼られている経験をしているはずです。「女の子なんだから赤色を選びなさい」や「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」と言われたことがある人も少なくないはずです。性別や年齢での決めつけは、日本でも多くそういって貼られたレッテルに無意識のうちにしたがって行動している人もいるのではないでしょか。真面目や几帳面といったことも、レッテル貼りの一つです。

レッテル貼りに関連する理論

ラベリング理論

レッテル貼りに関しては、ラベリング理論というものがあります。ラベリング理論は、社会学者であるハワード・S・ベッカー氏によって1960年代に提唱された人間の行動形成に関しての概念です。上司や先生から「あなたは成績が良くない」というレッテルを貼られると、言われた人は成績が良くないと思い込みその通りの行動をしてしまう可能性があります。ラベリング理論は犯罪心理学などで用いられることの多い理論ですが、使い方を間違えるとハラスメントになります。

レッテル貼りに関する問題

レッテル貼りハラスメント

レッテル貼りに関して、レッテル貼りハラスメントというものがあります。レッテル貼りハラスメントは、SNSなどで多く見かけられています。オンライン空間では匿名性が保たれているため、一方的なステレオタイプやレッテルを押し付けやすくなっており、レッテル貼りハラスメントが増えています。またSNSだけでなく、職場においても上司が部下に対して一方的な決めつけからレッテル貼りを行い、部下のモチベーションを下げるといったことも起きています。

レッテル貼りをする原因

情報処理が単純化している

レッテル貼りを行う原因は、情報処理が単純化しているからです。私達は普段から人と接する際に相手のタイプを先読みしたうえで相手に合わせた行動を行い、コミュニケーションを円滑に進めています。日常生活で接する人全てを、詳細に理解しようとすると時間がいくら合っても足りません。そのため、ある程度カテゴリー分けを行い情報処理に掛かる負担を軽減しています。これによって、憶測や思い込みからレッテル貼りを無意識のうちに行っています。

自分を守るため

レッテル貼りの原因は、自分を守るためです。レッテル貼りは他人に対して勝手な憶測を元に相手のイメージを決めつけるだけでなく、自分にレッテルを貼っている人もいます。自分が馬鹿だからと思うことで、難しいことがわからなくても諦められる理由を事前に作っている人もいます。レッテル貼りと聞くと、他人に対して勝手な憶測などで決めつけを行うというイメージを持っている人も多いはずです。しかし中には自分を守るために、自分にレッテルを貼っている人もいます。

自分の威厳を保つため

自分の威厳を保つために、レッテル貼りをする人もいます。相手が自分より優秀であると感じた際に、自分の中の不安や恐怖を解消するために相手に否定的なレッテル貼りを行います。そうすることによって、相手は自分より劣っていると感じることができ、メンタルの安定を保てることからレッテル貼りを行うこともあります。自分の威厳を保ちたいと考えている人は、上の立場にいることが多くレッテル貼りからハラスメントに繋がる可能性もあります。

レッテル貼りする人の心理

判断ヒューリスティック

レッテル貼りを行う人は、判断ヒューリスティックという認知バイアスが働いています。判断ヒューリスティックとは、ある出来事や人物に対して勝手に「そうなんだ」と思いこんでしまい、それ以降深く考えることなく分かった気でいるつもりになってしまう状態です。この認知バイアスは、勝手に思い込みをした時点から改めて考えることがなくなるため厄介です。思い込みではなくきちんと理解しようとしない人は、さらなる思い込みをしてしまいます。

レッテル貼りをするデメリット

相手を不快な気持ちにさせる

レッテル貼りをしてしまうことで、相手を不快な気持ちにさせます。ラベリング効果は勿論マイナスの効果だけではありません。仕事の早い・作業が丁寧なといったレッテルはポジティブであり、人間関係を有効にできる可能性もあります。しかし大半のレッテル貼りはネガティブや否定的な物が多いため、勝手な憶測によって貼られたレッテルに対して不快に感じる人が殆どです。更に他人にレッテルを貼る人は、自分がレッテルを貼られることを嫌いますが相手を不快にしているとは思っていません。

思考停止に陥る

レッテル貼りを行うデメリットは、思考停止に陥ることです。相手に対してよくレッテルを貼る人は、この人はこういう人だと手っ取り早く抽象化しているためその都度相手に対して考える必要がなくなります。もし貼ったレッテル以外の行動を多くしたとしても、貼ってしまったレッテル以外の行動は認識されなくなります。更に思い込みのレッテルを貼ったことによって、それ以上その人に対しての興味や関心がわかなくなってしまうため、他人への理解が深まりません。レッテルを頻繁に張ってしまうと、思考力が停止してしまう恐れがあります。

自分がレッテル貼りした通りの人間になってしまう

自分がレッテル貼りした通りの人間になってしまうのも、レッテル貼りを行うデメリットです。レッテルを貼られた人は、心理学上で貼られたレッテル通りの行動を起こす傾向にあるというレッテル効果が働くとされています。先述したように、他人に対してレッテルを貼ってしまうと、その人に対しての興味関心が失われます。レッテル貼りした事によって、無意識のうちにレッテル通りの行動や思考になってしまい成長を阻害される可能性もあります。そのため、否定的なレッテル貼りは自分や他人に向けて行うことは悪影響となります。

レッテル貼りの対処法

簡単にレッテル貼りをしないように心掛ける

レッテル貼りの対処を行うには、簡単にレッテル貼りをしないように心掛けて置くことが大切です。他人が見ている自分が断片的であり、他の人は自分のことを分かってくれていないと感じている人もいるのではないでしょうか。それと同じく、他人のことも何でも詳しく知っているという人はいないはずです。そのことを前提として、一方的にレッテル貼りを行うことをやめ相手に興味を持ち続けることが大切です。人をカテゴリー分けする必要がある場合は、危機感を持って行うようにしましょう。

研修でレッテル貼りについて扱う

レッテル貼りの対処法は、研修でレッテル貼りに付いて扱うことです。レッテル貼りは自分が意識しない内に行ってしまっている人もいるかもしれません。自分の中だけでレッテル貼りを行っているだけであれば、問題は大きくありませんがレッテル貼りとしてハラスメントに繋がる可能性も少なくありません。ハラスメントに繋げないようにするためにも、レッテル貼りを行うことによるデメリットなどをしっかりと従業員に理解してもらうことが大切です。認識をしてもらうためには、社内研修などを行うようにしましょう。

コミュニケーションを取る

コミュニケーションをとることも、レッテル貼りの対処法です。レッテル貼りは相手をよく知らないことによって、限定的な情報だけで決めつけを行ってしまうという行為です。決めつけによって行われているため、誤解が生まれやすくもなります。レッテル貼りを行わないようにするためには、日頃からコミュニケーションを取りお互いに信頼関係を構築しておくことが重要です。少ない情報で相手のことを判断してしまわないようにするためにも、相手のことを知る努力を行うことが大切です。

多方面から他人を見る

多方面から他人を見るようにすることで、レッテル貼りを行わないようになります。オフィス内のやり取りだけでは、業務上の話題ばかりになりがちです。しかし仕事だけを見てもその人の性格や価値観など、全てを判断できる訳ではありません。休憩時間などで、仕事以外の話題を話すことによって相手を知る機会にもなり様々な面からその人のことを知ることが出来ます。いつもは聞くことのないプライベートの話を聞くことによって、相互理解が深まり誤解が生まれにくい環境に繋がります。

まとめ

レッテル貼りを理解して相手と良好な関係を築こう

レッテル貼りを行ってしまう原因や、レッテル貼りのデメリット・対処方法などについて解説しました。レッテル貼りを行うことによって、人や物事に対しての判断を行う時間を少なくできるため無意識の内に相手や物にレッテルを貼っている人がいます。しかしレッテルを一度貼ってしまうと、それ以上レッテルを貼った対象物に対しての興味や関心が薄れてしまいます。また否定的なレッテル貼りによってハラスメントに発展してしまう可能性もあります。レッテル貼りについてしっかりと理解し、相手と良好な関係性を築いていきましょう。

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