記事更新日:2024年10月09日 | 初回公開日:2024年10月09日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報エッセンシャルワーカーとは、必要不可欠な職種に従事している労働者のことです。エッセンシャルを日本語にすると必要不可欠という意味になり、それに労働者をあわせた言葉です。エッセンシャルワーカーは私達が日常生活を維持していくために、大切な役割を担ってくれています。またエッセンシャルワーカーはクリティカルワーカーやキーワーカーと呼ばれることもあります。エッセンシャルワーカーには医療従事者や運輸・物流に携わっている人などが挙げられます。
職種によってブルーカラーと呼ばれる人たちがいますが、ブルーカラーとは作業着を身にまとう技能系の職種の人たちのことです。ブルーカラーは現場で働く肉体労働者という意味で使われることが多くあり、室内で働いているホワイトカラーの人たちと区別するための呼び名として使われています。元々はエッセンシャルワーカーという言葉はありませんでしたが、コロナ禍でも働き続けてくれた人たちに感謝や敬意を示すため必要不可欠なエッセンシャルワーカーと呼ばれるようになりました。
ブルーカラーと対比で使われているホワイトカラーは、オフィス内で事務作業を行う職種です。エッセンシャルワーカーはブルーカラーと呼ばれている技能系の職種に多い傾向にありますが、ホワイトカラーの中にもエッセンシャルワーカーは存在しています。ホワイトカラーに該当するのは事務作業を行う人だけでなく販売などを行っているという理由から人と接することもあるため、人と接する職種についている人はエッセンシャルワーカーに該当します。
エッセンシャルワーカーに該当するのは、医療従事者です。医療現場において緊張感や使命感を持ち最前線で働いてくれている医師や看護師・薬剤師や作業療法士などは代表的なエッセンシャルワーカーです。感染症などが流行った場合に常に感染リスクを背負わなければなりません。また直接患者に接することはありませんが、医療機器メーカーや患者の治療に必要な物資の製造やサービスを行っている職種もエッセンシャルワーカーに当てはまります。
エッセンシャルワーカーは、福祉従事者も含まれます。介護施設で働く介護福祉士や子供に関わる保育士もエッセンシャルワーカーです。介護福祉士や保育士などは、業務を行う上で施設利用者などと距離を保つことが難しく密接な関係にあります。医療従事者と同じように高齢者や子どもの命を預かっている業務として、高いリスクにさらされつつも責任感を持って業務にあたっている人が多いといえます。福祉従事者も緊急事態時には在宅で働くことが出来ません。
エッセンシャルワーカーには教育関係職員も入っています。子どもの成長に関わる小中学校の教諭や大学職員なども、エッセンシャルワーカーに該当します。コロナウイルスが流行した際には授業がオンラインで実施されることもありました。しかし従来の学校生活から全てオンラインに切り替えて授業を行うことは出来ません。完全リモートで実施するには限界があり、生徒と教師がコミュニケーションを取る必要がある教育関係職員も、必要不可欠な職務です。
公務員もエッセンシャルワーカーの一つです。公務員と一言に言っても、全ての公務員がエッセンシャルワーカーに該当するわけではありません。市や町の職員や消防士・警察官などがエッセンシャルワーカーに該当します。地域住民が安心して生活するために、社会活動を維持していくために欠かせない業務に従事している公務員の人たちが当てはまります。公務員でエッセンシャルワーカーに゙該当する人は、リスクがあっても常に現場で働かなければなりません。
運輸業界・物流業界に属している人も、エッセンシャルワーカーの一人です。商品を届ける物流を担っているトラック運転手や郵便配達員も大切なエッセンシャルワーカーです。運輸や物流は私達が生活していくために必要な物資を届けてくれる欠かせない職種です。物資を運ぶ流れが止まってしまうと、商品を供給するバランスが崩れてしまい経済全体が混乱してしまいます。日常生活を送るうえで、運輸・物流業界で働く人は必要不可欠です。
エッセンシャルワーカーに当てはまるのは、小売業者や販売業者です。スーパーやドラックストア・コンビニなど生活必需を販売しているお店の従業員や、衣食住に関わる必需品の製造や加工に関わっている人たちもエッセンシャルワーカーです。小売業や販売業に従事している人たちは、私達が一番身近なエッセンシャルワーカーと言えます。スーパーやコンビニは当たり前に24時間営業しているところが増えていますが、生活していく上で欠かせない物となっています。
生活インフラ・金融機関に勤めている人たちも、エッセンシャルワーカーです。電気・ガス・水道や通信など生活インフラの維持に関わる職種もエッセンシャルワーカーの一つです。これには公共交通機関等の運転手も含まれます。またゴミ収集車やガソリンスタンドの従業員も、欠かせないエッセンシャルワーカーです。他にも銀行など日常生活を送る上で必要になるお金を管理している職員も欠かせません。私達が生活を維持していくために欠かせない職業です。
第一次産業に携わっている人たちも、欠かせないエッセンシャルワーカーです。第一次産業とは、農業や漁業・林業のことを指します。農業や漁業は収穫などの時期が決まっているため業務を止めてしまうと大きな損害が発生します。農業や漁業なども私達の食生活を支えてくれている大切な産業です。また林業も住宅を建てる際に欠かせません。海外からの輸入や労働が収入に見合わないケースもあるため、人員不足に陥っていますがエッセンシャルワーカーとして必要な仕事といえます。
エッセンシャルワーカーの需要が高まっているのは、少子高齢化による人口減少と介護人口が増加しているためです。長年日本で社会問題になっている少子高齢化で労働人口が減少しエッセンシャルワーカーとして働く人も減ってきています。現状エッセンシャルワーカーとして働いている人たちの業務負担が増える一方です。また高齢化が進むことによって介護福祉に携わる人を増やしていくことが日本としても課題になっています。高齢化社会などの福祉課題や生活課題と長く共存していくためにも、エッセンシャルワーカーの存在は必要不可欠です。
エッセンシャルワーカーは、待遇や賃金の改善が必要です。エッセンシャルワーカーは日常生活を維持していくために、欠かせない職種ばかりですが医療や福祉・運輸業など他の業種と比べて賃金が安くなっている現状があります。エッセンシャルワーカーが提供しているサービスなどは、誰でも利用できるように価格が抑えられていることもあり従業員の給与も低く設定されています。人々のために毎日働いているエッセンシャルワーカーの人たちの待遇改善や賃金アップは早急に対処すべき課題です。
エッセンシャルワーカーが抱えているのは、人手不足による従業員への負担増加です。エッセンシャルワーカーは責任の重い仕事が多いにも関わらず、他業種と比べて待遇が悪いことや長時間労働が状態化していることから人材の流出が増えています。慢性的な人材不足により、エッセンシャルワーカー一人ひとりの業務負荷が増えるばかりではなく、休みが取りづらいといった職場環境の悪化にも繋がっています。離職を防止するためにも、エッセンシャルワーカーの労働環境改善などが必要です。
メンタルヘルスの不調も、エッセンシャルワーカーが抱えている問題です。医療従事者や保育・介護に従事しているエッセンシャルワーカーは、感染症のリスクがあったとしても簡単に休むことは出来ません。在宅ワークなどが出来ない職種のため、感染症のリスクや不安・ストレスなどにさらされ続けてしまいます。責任の重い職種が多いのもエッセンシャルワーカーの特徴であり、強い使命感から高い業務負荷が掛かりながらも仕事を続けているためメンタルに不調を及ぼす場合も多く、メンタルケアが必要です。
エッセンシャルワーカーへの支援として、厚生労働省からの給付金があります。厚生労働省は令和2年6月に「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」の事業を発足しました。厳しい状況で働き続ける医療従事者に対して最大20万円の慰労金を給付しました。厚生労働省が行った給付金は、医療従事者の労いとともにモチベーション維持や離職防止などの目的も含まれています。他にも新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金などを新設し、病院に対して費用負担などを行っています。
エッセンシャルワーカーには小売業で特別手当を支給している支援もあります。コロナ禍では自治体の取組では製造業や建設業だけでなく小売業で働くエッセンシャルワーカーも支援対象にするところも増えました。スーパーやドラッグストアなどの小売業でも独自に特別手当を支給した企業も少なくありません。またその中でもスギ薬局ではコロナ禍での従業員の頑張りを認め、全従業員に対して特別手当の支給を行いました。エッセンシャルワーカーの貢献を支えるために、様々な支援が行われました。
エッセンシャルワーカーの具体的な職種や、エッセンシャルワーカーが抱えている問題などについて解説しました。エッセンシャルワーカーとして働く人達は、多くの人々が生活していく中で重要な役割を果たしています。感染症などが蔓延している緊急事態であっても決して欠かすことの出来ない存在です。しかし人手不足による長時間労働や、低賃金などエッセンシャルワーカーの労働環境は必ずしもいいとは限りません。エッセンシャルワーカーについて理解し、働きやすい職場環境や人事制度を構築していきましょう。
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