AQ(逆境指数)とは?【IQやEQとの違いや構成要素等について解説します】

記事更新日:2022年03月11日 初回公開日:2022年03月09日

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AQとは「Adversity Quotient」の略で、逆境指数とも呼ばれています。個人や組織が逆境にある時に、その対応力を数値化したもののことを言います。変化の激しい現代社会は、否が応でも様々な逆境と対峙しなければなりません。AQが高い人を組織のリーダーや管理職に配置することで、どのような困難やハプニングが起きても、会社が大きく傾く可能性は低くなるといわれています。今回の記事ではAQについて詳しく説明していきますので、自社の経営やこれからのビジネスライフに活かしてみてはいかがでしょうか。

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AQ(逆境指数)とは

逆境への対応力を表す指標

Adversity Quotientの略であるAQは、現代のビジネスマンが必ず覚えておいた方がいいワードのひとつと言われています。日本語ではAQのことを逆境指数と呼んでいて、逆境への対応力を表す指標として使われています。ハーバードビジネススクールのポール・G・ストルツ博士が提唱し、話題を集めたのがきっかけで、多くのビジネスマンが注目し始めています。予測のできないことが多々起こりうる現代社会で、AQへの理解を深めることはとても大切だといえます。

経験によって後天的に高めることができる

「AQは生まれつき決められたものである」と勘違いしてしまっている人も少なくないようです。しかし実のところAQは決して最初から生まれ持ったものではなく、周囲の環境や接する人によって変化するものだといわれています。その理由としては、社会人になってから向き合わなければならない逆境というものは、中学生や高校生の頃に経験できることではないからです。社会に出てからAQを理解して経験を積むことによって、高めることは可能なのです。

AQとIQ(知能指数)の違い

IQは人の知能レベルを表す指標

色々なシーンで耳にするIQとはIntelligence Quotientの略で、人の知能レベルを数値で表したものです。長い間IQが高いほど知能レベルが高いと考えられていました。しかしIQは人の知能レベルが全てわかる万能な基準でないということを、多くの専門家が提言しています。逆境の対応力を数値化したAQとよく間違えられますが、全くの別物です。またAQと違ってIQは、ある程度は先天的に決まってしまうものであると考えられています。

AQとEQ(感情指数)の違い

EQは感情をコントロールする能力を表す指標

EQはなかなか聞き慣れないという人も多いと思いますが、Emotional intelligence Quotientの略です。「こころの知能指数」ともいわれており、対人関係能力の数値を指しています。例えばどのような能力かというと、自分と相手の感情を把握し、状況に応じて自分の感情をコントロールできる能力のことです。EQはIQともAQとも異なります。ですがEQはAQと同じく、後天的に伸ばすことができるといわれている能力のひとつです。

AQとRQ(心の弾力性指数)の違い

RQは逆境を跳ね返す能力を表す指標

RQはResilience Quotientの略語です。日本語では「心の弾力性(回復力)」ともいわれています。ビジネスシーンにおいては特に、仕事や対人関系での失敗や困難が常に立ちはだかります。その際に落ち込んでしまってなかなか立ち直れない人もいれば、すぐに立ち直って次に向かえる人もいます。どれだけ逆境を跳ね返せるかを示した数値がRQです。このRQはよく、逆境に強いかどうかを示すAQの数値とセットで考えられます。

AQを構成する4つの要素

Control(コントロール)

AQは、4つの要素から構成されています。まず1つ目はコントロール(Control)です。コントロールは逆境に立たされた時、どれくらい自分の反応をコントロールできるかを示します。特にビジネスシーンではどれだけ自分の感情を抑えて、感情をコントロールできるかが重要になってきます。困難にぶつかった時に、俯瞰的に自身の感情や表情などをコントロールできるかを表すのがAQでも大事な要素であるコントロールです。

Ownership(責任)

AQを構成している2つ目の要素は、責任(Ownership)です。社会に出て働くということは、どのような仕事内容であっても責任を持たなければいけません。ですが、何かトラブルが起こってしまった際に、他人のせいにしてしまう人もいます。理想的なビジネスマンは、逆境に遭遇した際に誰でもなく自分の責任だと思って逆境に立ち向かえる人です。特に組織の中で問題が生じた際には、上司や部下のせいにしてしまう人も少なくありません。このような状況においても自分の問題として捉えられる人が、企業としても望ましい人材といえるでしょう。

Reach(影響の範囲)

AQを構成している3つ目の要素は、影響の範囲(Reach)です。自身に降りかかる問題や、立ちはだかる逆境がこの先の人生にどれほどの影響があるのかを示す要素です。一口に逆境と言っても、様々なシチュエーションでの逆境があります。多くの他人を巻き込んでしまうほどの問題もあれば、自分だけで済むような問題もあります。ビジネスマンにとって、逆境を冷静に客観視し、それがこの先どれくらいの影響を及ぼすのか先読みできる能力はとても重要です。

Endurance(持続時間)

AQを構成している4つ目の要素は、持続時間(Endurance)です。会社でのトラブルは明日解決できるものもあれば、長期的な視点で解決していかなければならないこともあります。今ある逆境がどれくらい持続するのかを把握できる力が、この要素です。ただしこの要素はさまざまなパターンのトラブルを経験して、様々なタイプの人と関わることで培われる要素だともいわれています。問題が起こった際に、冷静に先を見据えられるかということがこの要素では大切になってきます。

逆境への対処方法3タイプ

脱落組

逆境への対処法として、大きく分けて3つのタイプに分類できるといわれています。1つ目は「脱落組」と呼ばれるタイプで、逆境に遭遇した時に逃げ出してしまうのが、特徴です。このタイプは、逆境の対処法としてはネガティブな意味合いで捉えられます。逃げ出し方としては、人のせいにして自分は知らないフリをしてしまう。また最近ではその組織自体や、プロジェクト自体から足を引いてしまうというパターンも多く見受けられるようです。

キャンパー

2つ目は「キャンパー」と呼ばれるタイプです。このタイプは、逆境に遭遇すると何とか今の状況を維持しようとするのが特徴です。組織の中で動いている80%は、一度はこのキャンパータイプを通るとも言われています。しかし一方で、現状維持は後退だという言葉があるのをご存知でしょうか。AQを意識している会社の多くは、キャンパータイプで滞っている人材をいかに次の段階に成長させるかに力を注いでいます。まずは、逆境=ネガティブな状況と言う固定観念を取り払うところから始めるのが最適です。

登山家

そして3つ目は「登山家」と呼ばれるタイプです。このタイプは、逆境に遭遇しても自力で解決しようと努力し、逃げずに頂上を目指すタイプです。登山をするうえで困難はつきものです。その時にいかに冷静に判断して逆境を乗り越え、次のルートを見つけ出すかが重要になってきます。このことはビジネスにおいても同じだと言えます。組織ではトラブルはつきものだと理解し、強い意志を持って逆境さえも次へのステップだと思えるような人はこの登山家タイプだと言えるでしょう。

AQの5段階の評価レベル

レベル1: Escape(逃避)

AQレベルは5つのレベルに分類できるので、自身もしくは組織の人材がどのレベルなのか、チェックしてみましょう。たとえ今はレベルが低いと感じても、AQスキルは今からでも上げられるので、まずは現状を把握することが大切です。レベル1は逃避(Escape)です。逆境に立ち向かわず逃避してしまう人は、残念ながらAQ的には一番低いレベルということになります。現段階ではこのレベル1でもAQは後天的に身に付けられるスキルなので、諦めないことが重要です。まずは現状を把握して、レベルアップのために対処法を模索しましょう。

レベル2: Survive(生存)

レベル2は、サバイブ(Survive)です。このレベルの人は、逆境に遭遇した際に、なんとか現状を維持しながら生き残ろうとする人のことを指します。このレベル2で多いのは、現状をなんとか維持しようとして、結局前進できずそこに留まってしまうタイプです。性格としては、環境を変えることや上司に意見を呈するのを極端に怖がる人が多いといわれています。社会的にはレベル2では低いと捉えられてしまうことが多いので、逆境に遭遇した際にどうすれば逆境を糧にできるか、発想の転換をするようにしましょう。

レベル3: Cope(対処)

レベル3は、対処(Cope)です。このレベルの人は、逆境に対してとりあえず対処しようとすることができます。ただしレベル3という位置付けの通り、対処のレベルとしては可もなく不可もなく一般的なレベルです。しかしこのレベル3にいる人材は、対処ができるできないに限らずどうにかしようとする行動力があるということです。この位置づけの人は、レベル4、5を目指して、逆境に遭遇した時に自分の能力でどこまで好転させられるのかトライしてみましょう。

レベル4: Manage(管理)

レベル4は、管理(Manage)です。このレベルの人は逆境から逃げるでもなく留まろうとするわけでもなく、自身で問題を管理できる能力を持っています。組織のリーダーや管理職となると、最低でもこのレベル4が求められます。社内で何か起きた際や部下がトラブルを起こしてしまった際に、対処するだけでなく問題を管理して解決できるのがレベル4の人材です。このレベルになると、社内だけでなく社外のお客様などからも厚い信頼を向けられている人が多いと言えるでしょう。

レベル5: Harness(滋養)

レベル5は、慈養(Harness)です。このレベルはAQ指数の中でも一番レベルが高い人のことを指します。特に大きな企業や組織のリーダーや、企業を牽引しなければならない立場の人はレベル5が必要とされるでしょう。レベル5の人材は、例えばコロナのような想定外の逆境に遭遇しても、売り上げを上げたり、市場を広げられる人もいます。逆境を逆境と捉えずにむしろ滋養とすることで、現状を超えて更なる高みを目指すタイプです。AQを上げたいと強く思うのであれば、レベル5を目指すようにしましょう。

AQを高める方法

逆境を成長の機会と捉えるプラス思考を持つ

AQは先天的に決まってしまっているIQとは違い、後天的に高めることのできる数値です。現段階でAQが低いからといって諦める必要はありません。ビジネスの世界においてトラブルはつきもので、逆境に遭遇することがむしろ普通のことなのです。その際にこれは成長の機会だと、まずはポジティブに捉えることが大切です。AQ指数は急に上昇するものではありません。ありとあらゆる経験をして挫折を繰り返し、成長したいと考えて行動すれば必ず少しずつでもAQ指数は伸ばせるのです。

まとめ

AQの高い人材を育成して組織力を高めましょう

ビジネスにおいて必要不可欠になってきている「AQ」。現代社会では時代の変化に伴い、どんな状況になっても柔軟に対応できる力が求められています。特に、逆境への対処法は、その人のビジネススキルや今までの社会的経験値が浮き彫りになります。AQを上げるためには、まず自分自身が現在どのレベルなのか把握できていることが大前提です。まずはAQに対する自身の知識を深めると同時に、レベルチェックなどを上手に活用して、AQ指数の高い人材を育成して組織力を向上させましょう。

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