記事更新日:2019年03月01日 | 初回公開日:2018年06月18日
グローバル経済拡大傾向が見られる日本企業の越境EC(電子商取引)ビジネス。今回は、すでに参入している大手企業を3社ご紹介いたします。注目されている中国市場の受容や物流に関するメリットとデメリットを調べてみました。
越境ビジネスにすでに参入している企業の中から、「花王」「カルビー」「東急ハンズ」をピックアップしてご紹介します。
日用品、化粧品、トイレタリー商品を扱う企業の参入が目立ちますが、花王もその一つです。ネットイース運営の消費者向け越境ECサイト「Kaola.com(網易考拉海購)」にオープンしています。
中国8億人超えのネットユーザーが利用するサイトです。その後、「Tmall Global(天猫国際)」「京東全球購(JDワールドワイド)」と多店舗で進めています。人気商品として、おむつ用品のメリーズを主力商品として急成長を遂げています。
お菓子メーカーのカルビーは、越境ECで「フルグラ」を中国向けに販売しています。中国現地法人を設立し、EC事業の強化を図っています。
中国商取引大手のアリババと提携し、アリババが持つ中国内消費動向データを活用し、商品開発、マーケティングやプロモーションを行っています。アリババ運営の越境ECサイト「天猫国際(Tmall Global)」に出店しています。
東急ハンズは、もともと国内通販サイト「東急ハンズネットストア」を持っていました。中国語(簡体字・繁体字)、英語、韓国語と日本語の4か国語に対応する海外向けの購入代行支援サービス「BuySmartJapan」(ベリトランス株式会社)との提携により、越境EC利用ユーザーにリーチしています。東急ハンズの狙いは、訪日外国人が帰国した後も継続的に商品購入を可能にすることです。「ワンドウ」にも出店し販売層を拡大しています。
中国市場の需要状況ですが、2017年の全社会物流総額は、前年と比較して6.7%増加しています。総額は、252兆8000億人民元(約4275兆2200億円)に達しました。
三菱東京 UFJ 銀行(中国)経済週報によると、2011~2016 年、中国の輸出入総額の年平均成長率は 7.8%。同時期の越境EC取引における年平均成長率は30%を超えています。アリババの予測では、この先は年平均15%の伸びを維持すると見られています。輸出入総額に占める割合も25%あたりまで上昇する見通しとなっています。
2017年の中国小売市場の動向について
中国2017年物流統計データ
越境 ECでは物流が焦点となってくるのですが、そのメリットとデメリットについて確認しましょう。
越境ECには、現地法人が必要ないため低い費用で始めることができます。
そのための手続きも省けることになります。越境ECに参入することにより、日本市場を超えた販売が可能になります。ネットショッピングをする頻度や消費額は、外国人のほうが日本人よりも高いといわれているため、より大きな消費が期待できるでしょう。
国境を超える取引となるため、荷物の取次や税関での取り扱いの知識が必要となります。輸送方法により手続き方法や程度は異なりますが、書類の準備や手続きを省くことはできません。輸送手段や業者も数多く存在しているため、ベストなルートを探り当てていく必要があります。
関税は商品の購入者が支払うことになります。このことから、購入者の希望価格、販売価格、関税を含めた支払い額についての考慮が必要となってくるでしょう。この点が越境ECのもっとも大きなカギになると思われます。支払いの総額が高額になると、受け取り拒否や返品のリスクも発生する可能性があるため、購入前に明確に伝えることが大切です。
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