自己評価【自己評価が高い人と低い人の特徴や自己評価を行うメリットを解説します】

記事更新日:2023年08月18日 初回公開日:2023年06月15日

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企業において、社員を評価するための人事評価というプロセスがあります。人事評価では一方的に評価されるわけではなく、自身が行う自己評価も考慮され、昇進や昇給の判断が行われるのが一般的です。その評価範囲は、従業員の成績や業績といった実績に加え、問題解決能力や積極性といった部分にまで及んでいます。こうした自己評価は人事評価だけに使用されるのではなく、自分自身を評価し現段階における自身を客観的に見直すきっかけともなります。また今後の仕事へのモチベーションや方向性の構築へとつなげることができるでしょう。

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自己評価とは

自己評価とは自分の価値を見出すこと

自己評価とは、その名の通り自分を評価し、価値を見出すことです。これまでの自身の仕事を振り返り、これまでどんなことをし、どんな結果をだったのか、それに付随して良かった点や悪かった点を洗い出し客観的に評価します。人事評価でも行われるため、一見評価する人のためのものではないかと思われがちです。しかし、自己評価を行うことで新たに自分の価値を見出すことができるという自分自身へのメリットもあるのです。これまでの自分の仕事の振り返りから今後の自身の仕事に対する姿勢の見直しへ繋げていくことが大切です。

人事評価の中に自己評価を行う目的

自分を客観視させる

人事評価の中に自己評価を行う目的のひとつに、主観的ではなく、客観的に自分を見ることが挙げられます。これまで行ってきたことへの評価を周囲からの意見や数字などをもとに判断することで、自身の良し悪しが正確にわかります。客観視した自己評価をもとに自分にはどういった良さがあり、またどういったことが苦手で今後どのように改善していかなければならないのかが明らかになります。同時に企業に求められているものへの気づきともなるでしょう。

モチベーションを向上させる

仕事のモチベーションを向上させる目的もあります。自己評価によって見えてきた自身の反省点を今後どのように改善していくかという具体的な指針を立てることで、仕事への向上心が上がります。何をどうしていいかわからないまま進めていても時間浪費となりますが、こうした明確な目標を立てる機会にもなるということです。一方、自身の得意な部分に関しては自信を持ち、積極的な行動ができるようになります。いずれも自分の良し悪しを今後どう生かすかを具体的にすることでやる気をグンと上げてくれます。

周囲には気づかれていない点の発見

自己評価をすることで、周囲には気づかれていない点を自ら発見することもできます。人事評価では客観的に見えている部分で判断されますが、自己評価を行うことで自身の評価ポイントをアピールすることができます。こうしたポイントも自己評価を通じて新たに発見することもあります。すべての工程作業が人の目に映るわけではないので、自身の強みを積極的に評価することは効果的であると言えるでしょう。反対に周囲に気づかれてはいないが、自身に反省点がある場合は気を引き締め改善していく必要がありあそうです。

自己評価が高い人とは

プライドが高く、自分に自信がある

自分に自信がある人やプライドの高い人は、自己評価が高い傾向にあります。自分には何でもできる、どんな問題でも解決してきたという強い自信やプライドから、必然と良い評価をされたいと思います。しかし、こうした自信やプライドの高さが客観的に見た実力と伴っていない場合、過大評価となり、かえってマイナスのイメージを与えてしまうので注意が必要でしょう。自分の裁量を今一度確認し、仕事に取り組めるよう見直すことも大切かもしれません。

周囲に厳しく、他人を見下す

自分の実力に自信がないがゆえに、周囲に厳しくなり、他人を見下す人も自己評価が高い傾向にあります。この人より自分は長けているという意識から必然と自分の能力やスキルを高く評価してしまいがちです。しかし、こうした他人を介しての自己評価は正しい評価とは言えません。また、自分の実力に自信がないが故に他人に厳しくなり、自分を肯定化する人もいます。まずは自分の実力をしっかりと客観的に把握したうえで過大評価をしないようにする試みが必要となってくるでしょう。

自身の振り返りが浅い

仕事上のミスや円滑な解決とはならなかったものなどへの振り返りがしっかりと行えていない人は、自己評価が高いです。自分が失敗したことやミスを真剣に受け止められなかったり、深く内省していなかったりすると、今後も同じ過ちを犯す恐れがあります。それだけでなく、チームや企業全体に迷惑をかけてしまう要因になり兼ねないので、どの部分がミスに繋がったのかを都度把握していくことが重要となってきます。こうした内省を繰り返すことによって自身の弱点の傾向を理解でき、正しい自己評価へと繋がるでしょう。

立ち直りが早い

自分のミスや失敗から立ち直るのが早い人も自己評価が高いといえるでしょう。誰しも失敗をすれば落ち込みますが、その立ち直りは人それぞれです。失敗の度合いにもよりますが、比較的立ち直りが早い人は、内省する時間が足りていない傾向にあり、再度同じ失敗をする可能性が高いです。内省を深くできていないと自分のミスのへの評価は低くならず、自己評価は必然と高くなります。失敗を恐れずに挑戦することは素晴らしいですが、失敗を繰り返さないためにしっかり反省する時間を持つことが重要です。

自分をアピールすることが上手

自分の能力やスキルに自信のある人でそれを誇りと思っている人は、他人にアピールすることが上手であるため自己評価も高くなります。アピールをするということは良くも悪くもその人の目に留まりやすく印象にも残りやすいです。しかし、そのアピール内容と実際の実力に乖離がある場合は、正しい評価とはなりません。アピールをする積極性は非常に重要で、その人の強みであると言えますが、正しい自己評価をすることが大切です。正しい評価で他人にアピールをすることが両者にとってプラスの理解へとつながるでしょう。

自己評価が低い人とは

自分に自信がなく、マイナス思考

一方、自己評価が低い人の特徴のひとつに、自分に自信がなく、マイナス思考であることが挙げられます。自分のミスがチームや会社全体に響いたらどうしようというように、何か新しいことに取り組む際には、最悪なケースやリスクを考えます。自身が調子に乗っていると思われたくなかったり、何より自己評価と人事評価の乖離を極力なくしたいという周囲の目を気にする傾向が理由の一つであると考えられます。マイナス思考が習慣化してしまうと、可能性のあるチャンスにも挑戦できなくなり、ますます人事評価も下がりやすくなります。ポジティブ思考へを持つ練習も必要となるでしょう。

周囲から褒められても受け入れられない

自己評価の低い人は、上司から自分の仕事の実績を褒められても、素直に受け入れられない傾向があります。しかし、真面目で謙虚さが良しとされることもあれば、かえって自ら人事評価を下げてしまうこともあります。要因の多くは、他人との比較による劣等感や自分に自信がないことです。時には過去の自分との成長を客観視し、自身の実績を素直に受け入れる努力をしなければなりません。素直に称賛を受け入れることも自信に繋がり、モチベーションも高めてくれることでしょう。

反省ばかりしてしまう

反省ばかりする人も自己評価が低い傾向があります。反省すること自体は悪いことではありませんし、悪い習慣でもありませんが、過度な反省は自信を低めるとともに、自身の成功基準が高くなりすぎてしまう要因となります。反省を踏まえ、完璧を求める高い水準での成功を追求することも大切ですが、客観的に必要とされている成功基準に基づき物事に取り組む必要があります。そのためには、過度な反省から自身のマイナスな面ばかりを見つめない努力を行っていくことも重要と言えるでしょう。

すぐに謝ってしまう

すみませんが口癖になっていることが多く、すぐに謝ることも自己評価が低い人の特徴です。自分のミスであるという自責や自分が悪いという思い込みから出てしまう言葉ですが、過度な使用は自己評価を下げてしまいます。本来の意味は、相手への謝罪ですが、過度に使用しすぎると本当に反省しているのかどうかがわからないようにも見えてしまいます。謝る前に、物事の事態をきちんと把握したうえで、どうしてうまくいかなかったのか、それを踏まえて今後はどうすべきなのかを言語化する努力をする必要がありそうです。

自己評価を行うメリット

社員の成長を感じられる

自己評価を行うメリットは、まず社員の成長を感じられることです。正しい自己評価を行うことは、社員自身が自分を客観視する機会となり、自身の成長をより感じやすくなります。半期や1年ごとなど定期的に行われるものなので、まず該当期間内でどのようなことに取り組んだのかを見つめ直します。その結果、自身の成果や改善点を考察することで自分を知るきっかけとなるでしょう。また、企業側にとっても社員がどのように自身の成長を感じているのかを把握できるいい機会となります。今後の仕事に対する態度を見つめ直すことができるため、企業にとっても社員にとっても都合のいいものと言えるでしょう。

会社の今後の方向性がわかる

自己評価を行うことで、会社の今後の方向性を知ることができます。社員が自身をどのように捉えているのかを把握でき、成長していると強く感じている人が多ければ、この調子で方針を進めていくことができます。一方で反省点を活かしてこのように改善していきたいと感じている人が多いのであれば、社員に対する期待値を上げすぎてしまっている可能性もあります。その場合、企業の方針を少し見つめ直す必要があるかもしれません。何より社員の成長ぶりを直接知ることは企業の利益に繋がります。社員が働きやすい、成長できると感じられる方針や雰囲気を作ることが企業側には求められています。

社員に求めることが具体化する

企業側が社員に求めることが自己評価によって具体化します。自己評価は社員各々が行うため、企業側は一人一人の評価を把握することができます。例えば、他人には気づかれていない自身の能力不足が明らかとなり、改善策として誰かに助けてもらいたいと考えている社員がいたとします。この場合、企業側はその上司へと自然に助けるよう要求することができますし、何より企業全体の環境を整えるきっかけともなります。個人の評価を知ることは、企業が社員一人一人に望むことが明確となり、企業全体の質を上げることに繋がっていくでしょう。

一方的ではない公平な評価である

人事評価の中に自己評価を取り入れることで、企業側の一方的な評価ではなく、公平な評価を行えます。企業側では把握しきれない部分により、社員に不快さや納得できない思いを抱かせてしまう事態から、双方の評価をもとに客観的に評価することが重要となってきます。社員にとっては、自己評価を企業側から認められることが仕事へのモチベーションとなり、自信を高める機会となるでしょう。また、客観的な評価による納得感を得られれば、企業や組織に対する不信感を抱かせることもなくなります。

まとめ

自己評価をもとに社員の正確な評価に繋げよう

自己評価を人事評価に取り入れる目的とそのメリット、また正しい自己評価について解説してきました。しかし、自己評価は単なる評価材料としてだけでなく、自身の成長を顧みる機会となります。社員が正しい自己評価を行うことができるように日頃から自身の振り返りや目標達成に向けた記録を行える習慣を整えることも企業側に求められています。社員一人一人に自身の成長や改善点を正しく把握してもらうことが、社員の正確な評価へと繋がるとともに、企業や組織全体の質を上げる効果としても期待できます。

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