グローバル人材を育成する方法は?【ポイントや教育の課題を解説します】

記事更新日:2021年05月18日 初回公開日:2021年05月18日

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近年は事業のグローバル展開が進み、世界で活躍できる人材を求めている企業が増えています。しかし、実際はグローバル人材が大きく不足し、海外展開に苦戦している企業もあるのが現状です。グローバル人材の育成は、変化の激しい現代で必須の課題ですが、どのようにすれば効果的に育成できるのかわからないですよね。今回の記事では、グローバル人材に必要な能力や、それに加え育成のポイントについて徹底的に解説していきます。グローバル人材を育て、世界を舞台に戦える企業づくりのために、是非この記事をご参考ください。

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グローバル人材とは

会話力・価値観・マインドの3要素を兼ね備えた人材

グローバル人材とは、「会話力・価値観・マインドの3要素を兼ね備えた人材」を指します。グローバル人材という単語を聞くと、英語が堪能な人を思い浮かべる人が多いですが、語学力は数ある必須能力の一部でしかありません。また、外国には英語を話せる人がいくらでもいるので、語学力は必要最低限の能力だといえます。グローバル人材に求められる能力は、いわば「総合的な人間力」であり、ビジネスの知識だけでなく、幅広い教養も必要です。つまり、グローバル人材に必要な能力とは、単にビジネス上での語学力があるという訳ではなく、異なる価値観を人ともコミュニケーションが取れる能力を指します。

グローバル人材に求められる能力

語学力

語学力は、グローバル人材にとって不可欠な能力の1つです。特に英語は多くの国で使われている言語であるため、必ず習得しておく必要があるといえるでしょう。また、日本語は回りくどい表現が多い一方、英語やヨーロッパの言語は簡潔でストレートな表現が好まれる傾向があります。その他の言語においても、好まれる表現方法は文化によって独自の特色があり、コミュニケーションでは言語の運用能力以外にも、文化に精通していることが重要です。グローバル人材には、文化的な違いにも配慮した、総合的な語学力が求められているといえるでしょう。

コミュニケーション能力

グローバル人材は、コンテクストや価値観が全く違う人たちとスムーズに意思疎通を図る必要があります。そのため、世界で活躍する人材には強固なコミュニケーション能力が欠かせません。スムーズかつ正確な意思疎通ができないと、現地の人との取引に支障が出てしまいます。また、価値観が異なる相手に配慮した会話をするためには、相手の文化や宗教に対する深い理解が必要です。取引相手の価値観や宗教、暮らしている国の文化に配慮した、教養あるコミュニケーション能力が求められているといえるでしょう。

異文化への理解

スムーズなコミュニケーションを支えるのが、異文化への深い理解です。日本で仕事をする際は、相手の価値観を深く配慮しなければならない機会がないことはありませんが、海外は国内とはまるで違う文化を抱えた人ばかりです。たとえば、ムスリムの人との会食の中で豚肉料理を注文することは、相手からの信頼を損ねる可能性の高い行為です。宗教の特徴を理解しておくだけでも、このようなトラブルは避けられるでしょう。そのため、取引相手や外国人の同僚が大切にしているものを傷つけないために、グローバル人材は海外の文化に関する知識を正しくインプットしておくことが必要です。

日本人としてのアイデンティティ

異文化理解が大切な一方で、自国のことを熟知し、日本人としてのアイデンティティを保つこともたいへん重要です。たとえば、「神道」に関心を寄せる外国人は非常に多いですが、明快に解説できる日本人は決して多くありません。「あらゆるものに神が宿る」という考え方は、ほとんどの外国人にとって珍しいものです。このような、日本に特有の特徴をしっかりと把握しておくことで、「日本人としての自分」を強固にできます。また、外国人から日本について聞かれた時にスムーズに返答ができると、会話が盛り上がります。

積極性

海外市場は、日本以上に変化のスピードが早いです。このような状況下で、グローバルに働く人には幾度となく予測不能な壁にぶつかるでしょう。そのため、グローバル人材には、困難な状況においてもタフな心を貫き、新しいことに積極的に挑戦していく能力が欠かせません。リスクを取り大胆に行動できる力は、海外において大変重宝されるスキルです。そのためには、海外で働く前から、ある程度失敗に対する耐性をつけておくことが必要でしょう。日本において失敗はネガティブに捉えられがちですが、グローバル化が進展する現代において、そのようなイメージはあまりにも古すぎます。

協調性

多種多様な考えを持つ人々をまとめ上げる、協調性もグローバル人材に不可欠なスキルです。日本に比べて海外では、対立を恐れずに自分の主張をぶつけてくる人がたくさんいます。そのような人たちの意見を整理し、全員が納得する結論を導き出す能力は、並大抵のものではありません。強烈な積極性と、他者に歩み寄り妥協点を見つけ出す協調性を併せ持つのは難しいですが、グローバル人材であれば身につけておきたい能力です。また、日本人は元来、空気を読むことが得意なので、他の要素に比べて磨きやすいスキルだといえるでしょう。

責任感グローバル人材にのしかかる責任の重さは計り知れません。自分の決定により、自社だけではなく、様々な国の事業にまで影響が及ぶ場合もしばしばあります。グローバル人材は、自分が抱える責任の重さをしっかりと自覚した上で、1つのことを最後までやりきる能力が必要です。一種の根性論にも聞こえますが、自分の立ち位置を客観的に理解して役割を果たし切ることは立派なスキルであり、後天的にも磨けるものです。また、ただやりきるだけでなく、やらなくてもいいことを切り捨てるという責任もあるため、決断する力も重要であることを理解しましょう。

グローバル人材育成上の課題

海外勤務を嫌がる社員の増加

若い世代、特に新入社員の間で、海外勤務を嫌がる人が増えています。グローバル人材の育成を促進していきたいのであれば、まずは若者の意識を変えていく必要があるでしょう。若者が海外勤務の忌避する原因の1つに、発展途上国への派遣が増えていることが挙げられます。「発展途上国ってなんだか生活するのがキツそう」というネガティブなイメージが広まってしまっているということが原因と言えるでしょう。この現状を打開するには、新入社員に海外勤務のリアルな情報を丁寧に説明した上で、海外で働くやりがいを伝えてあげることが大切です。

育成に時間がかかる

グローバル人材の育成には非常に大きなコストがかかります。世界で活躍できるビジネスエリートに必要な「総合的な人間力」は一朝一晩で身に付くものではないため、長期的な視点で育てていかなければいけません。特に、積極性や協調性などの力は、実践を重ねて磨かれていくものです。また、コストの課題を克服するためには、入社直後から本格的な研修を始めることが効果的でしょう。また、求人の段階から「グローバル人材を教育する」という教育の方向性を提示しておき、求職者との認識のミスマッチを防ぐことも大切です。

グローバルに活躍できるリーダー不足

協調性を重視する日本には、リーダーの素質を持つ人材が育ちづらいという文化的な背景があります。リーダーシップは入社後に磨けないというわけではありませんが、その大部分は学生時代の経験により形成されてしまうものです。この課題を解決するために会社ができることは、リーダーの経験がある程度ある学生をリクルートする他ないでしょう。政府が義務教育をリーダーシップ重視の方針に転換するのは、まだまだ遠い未来の話です。市場が急速に変化する現代において、教育改革をのびのびと待っている時間はありません。

グローバル人材の育成方法

グローバル人材を育成する外部セミナーへの参加

グローバル人材の育成は、外部セミナーによって行うのがおすすめです。社内育成よりもコストはかかるものの、長期的な目線で見れば決して高い値段ではありません。また、グローバル人材に必要な能力はどれも抽象的でわかりづらいため、社内で効果的に教育を進めるのはたいへん難しいものです。その点、外部セミナーには、世界のビジネスシーンを知り尽くした人材育成のプロフェッショナルが揃っています。また、セミナーでの学びを社内に蓄積していけば、将来的には社内で人材教育ができるようになる可能性も考えられるでしょう。効率よく人材育成をしたい企業は、ぜひセミナーへの参加を検討してみてください。

海外支社に派遣する

海外支社に派遣し、実際に働きながら人材を育てていくのも方法の1つです。海外での実践は大きなプレッシャーとストレスがかかるため、成長の速度も国内教育の比ではありません。また、実際にチャレンジすることで自分に足りないスキルに気づき、課題を明確にできるというメリットもあります。自分の課題がわかっていれば、働く場所に関係なくスキルアップに努められます。たとえば、「対立する意見を、1つの結論にまとめるのが苦手だな」と気付ければ、国内の現場においても、自分の課題を意識しながら仕事ができますよね。

eラーニングの活用

eラーニングを利用した育成もおすすめです。eラーニングとはインターネットを利用した学習スタイルの総称で、時間や場所に縛られずに講義を受講できるのが特徴。特にコロナ渦の現在、大きく市場規模を伸ばしている学習方法です。eラーニングを導入する際の注意点は、社内で学習ルールを事前に決めておくということ。eラーニングはいつでもどこでも学習できる一方で、受講生が能動的に学習しないと全く知識が身につかないという危険性もはらんでいます。事前にルールや学習ノルマを決めておくことで、社員のモチベーションを維持するための環境を作っておきましょう。

グローバル人材を育成する際のポイント

自社がどんなグローバル人材を求めているかを考えてから育成する

グローバル人材の定義は一様ではなく、企業の目的によっても変わります。「台湾人に広く受け入れられるサービスを作る」と「全世界から不平等を取り除くプロジェクトを成功させる」という目標では、必要なスキルは異なるものです。そのため、グローバル人材の育成を始める前に、「自社が求めているのはどのような人材なのか」を明確にしてから育成のプランを作りましょう。どのようなビジネスにおいても、先にゴールを決めてから走り出すのは鉄則です。また、目標を明確にすることで、コストも削減できます。

グローバル人材の採用にも力を入れる

育成だけでなく、採用にも力を入れましょう。グローバル人材に必要な能力は経験によって形成されている部分が大きいため、採用はとても重要になります。また、優秀な人材を採用すれば、入社後の教育コストも大きく削減できます。語学力を重要視する面接官が多いですが、語学のスキルは入社後にいくらでも伸ばせます。そのような後天的スキルよりも、リーダーシップや責任感のような「人間力」を判断できるような質問を考えましょう。特に、学生時代の経験を深掘りするのが効果的です。

まとめ

グローバル人材を増やし海外で戦える会社へ

これからの時代、海外でも活躍できるビジネスエリートの重要性は高まっていく一方です。もはや、グローバル人材の存在が企業の運命を担っていると言っても過言ではありません。なぜなら、日本の市場成長は停滞しており、チャンスを広げるためには海外の市場に目を向けるしかないからです。そのため、グローバル人材の育成は決して簡単ではありませんが、企業が現代の荒波を生き抜いていくためには欠かせない要素の1つとなっています。是非この記事を参考に、グローバル人材の育成、そして採用に注力してみてください。

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