smartの法則とは【目標設定する方法やメリット、smartのそれぞれの意味などについて解説します】

記事更新日:2023年04月27日 初回公開日:2023年04月27日

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みなさんは、いつも仕事や私生活においてどんな目標をお持ちでしょうか。そしてその目標は何を基準に考えましたか。目標を作ることは簡単に見えて難しいものです。いまから40年以上も前に、マネージメントの目標を正しく立案するために「smartの法則」なるものが発表されました。当時も注目されましたが、近年になって、経営の父と呼ばれるピーター・ドラッカーが提唱したことにより、またsmartの法則が再注目されています。ここでは、smartの法則の成り立ちや意味と、現代に活かすsmartの法則について紹介致します。

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smartの法則とは

5つの要素からなる目標設定手法のこと

smartの法則とは、5つの要素からなる目標設定手法のことで、5つの要素である英単語の頭文字をつなげた頭字語(アクロニム)です。5つとは、「Specific」「Measurable」「Achievable」「Relevant」「Time-boun」という言葉になります。それぞれを日本語に訳すと、「具体的な」「測定可能な」「実現可能な」「関連した」「期限を定めた」という意味です。目標設定の際に5つの要素を落とし込むことで適切な目標設定ができるとされています。

ジョージ・T・ドランが論文で発表した

smartの法則は、1981年にアメリカの「ジョージ・T・ドラン(George T. Doran)」が、論文で発表したことが始まりです。彼が発表した論文である『There’s a S.M.A.R.T. way to write management’s goals and objectives』は、経営者に向けた目標の重要性と目標設定の難しさ論じたものでした。その後になって、経営者だけでなく企業や個人の目標設定にも応用可能とされ、いくつかの単語が置き換えられています。

smartの法則とfastの法則の違い

現実性を帯びているかどうかの違い

smartの法則と同じように、目標設定に有効と言われるfastの法則があります。fastの法則は「Frequent」「Ambitious」「Specific」「Transparent」という言葉のアクロニムです。4つの言葉には「頻繁な」「野心的な」「具体的な」「透明性な」という意味があり、smartの法則と良く似ています。決定的な違いは、smartの法則が社員のモチベーションアップなどのために、現実に可能であるかを重視していることです。fastの法則は実現が可能であるかよりも、もっと高みを目指す野心ある心を尊重しています。

smartのそれぞれの意味

s

specific

smartのsは「specific」という言葉で、具体的なという意味があり、目標が具体的であることが重要であると言っています。抽象的な目標では具体的な行動が起こしにくく、実際に何をすれば良いか考えているうちに、時間だけが経過することにもなりかねません。目標が具体的であれば行動にも移しやすく、目標を早く達成するために、素早く行動できるメリットがあります。抽象的な目標である方が聞こえは良いですが、目標達成までに時間を要することになるでしょう。

m

measurable

smartのmは「measurable」という言葉で、達成度を測れるという意味があります。測定可能な目標でなければ、目標が達成できたかを確認することが難しくなるでしょう。価値ある高い目標を設定し、それに向かって尽力しても、達成できたかを知ることができなければ意味がありません。後の目標に向かう姿勢にも影響を与えることでしょう。現在では特に注目されている項目であり、見えない部分でも「見える化」対策によって、多くの企業などでも成果が分かるように取り組んでいます。

a

achievable

smartのaは「achievable」という言葉で、実現可能な目標でなければならないと言っています。非常に魅力的な皆が憧れるような目標であっても非現実的であっては、これも目標の意味を成しえません。多少難しいことではあっても現実性があることが大事です。とくに、物理的に無理である目標は立てただけの目標になってしまいます。日々の進捗など余力を持って考え、高い目標であっても現実に達成可能であることが肝要です。

r

relevant

smartのrは「relevant」という言葉で関連したという意味があり、目標の達成が何に関連するかが重要になります。目標を達成することにより、自分や会社の利益になることなどを具体的に考えてみましょう。そうすることで、目標に向かうモチベーションも大きく変わります。目標達成が何に繋がり、もっと先には何があるかを考えて目標を立てることで目標達成の意義を知ることができ、より目標達成の意欲も湧き持続できるでしょう。

t

time-bound

smartのtは「time-bound」という言葉で、期限を定めたという意味があります。期限のない目標は努力目標程度のものとなり、「みんなで頑張ろう」くらいで終わってしまうことが殆どです。いつまでに目標を達成すると決め、達成するための細かいスケジュールを立てる必要があります。つまり大きな期限の中に細かい期限を設けて、着実に目標達成に進んでいくことが大事です。目標達成のために必要な項目を洗い出し、それらに全て期限を設け実行していきましょう。

smartの法則に則って目標設定するメリット

評価基準を明確にできる

smartの法則に則って目標設定することは、評価基準を明確にできるというメリットがあります。個人だけでなくグループ単位での表にも有効です。会社における個人の評価は一定期間でグループの中でどのくらい貢献したか、グループ単位では企業にどのくらいの恩恵が与えられたかを総合して判断します。単純に売り上げや生産数が上がったと判断するよりも、どのような目標を立てて、個人やグループがどの程度目標を達成できたかを知り、明確な人事評価の基準にすることができるでしょう。

社員のモチベーションが上がる

個人で目標を立てれば、達成できれば充実感が得られ、達成できなければ次は頑張ろうと社員のモチベーションは上がるでしょう。グループ全体で目標を立てた場合にも、他のグループに負けていられないという良い競争心が芽生え、社員個人はもちろんグループの士気も上がり、ひいては会社全体のモチベーションアップに繋がります。活気のある企業は、個人やグループで、はっきりとした目標を持って仕事に取り組んでいる傾向が見られます。

業務を効率化できる

smartの法則に則って目標を立てることで、作業を具体的に細分化し可視化することになり、無駄な部分を見つけ出して業務の効率化に繋げることができます。現場において物理的に実現可能な生産体制を構築することも業務を効率化する近道です。自分の行う業務の効率化により、その先の関連部署に影響を与えることも知ることができます。そして、業務の効率化で重要なのが作業にかかる時間、つまり期限です。このようにもとを辿れば、目標とは業務の効率化を目指していることが理解できます。

smartの法則で目標設定する方法

テンプレシートを使用する

smartの法則で目標設定する最善の方法として、テンプレシートの使用が挙げられます。テンプレートを用いることで、何から目標を考えていけばよいかが分かり、自分に不足していることも理解できます。テンプレシートに順序良く書き込んでいくだけで、自分の目標がはっきりと見えてくるので、初めて目標設定する新入社員などにも最適です。企業には多くの多彩な業種があるため、それぞれに合うテンプレートを用意した方が良いでしょう。細かい目標設定ができるように、それぞれの部門に合ったテンプレート作りを工夫してください。

smartの法則の現状

時代遅れと言われている

smartの法則は、論文が発表されてから40年以上も経過しながらも、さまざまな企業で使われています。しかし一方では時代遅れの法則だと言われており、多様化が尊ばれる時代に合わせた新しい目標設定方法が発表されているのも事実です。しかしそれらの殆どはsmartの法則の原型を踏襲しており、多様化やグローバル社会に対応する柔軟性を追加するだどの工夫が見られます。また、短期プランだけでなく、長期的な目標にも対応した未来へつながる新しい目標設定方法が考えられているのです。

smartの法則を発展させた法則

smarter

smartの法則を発展させた法則に「smarter」があります。これは、「SMART」に「Evaluated」の「er」をプラスしたものです。Evaluatedには「評価される」という意味があり、ビジネスの場では上司から評価されることを意味します。他にも「Recognized:承認または認められた」や「Rewarding:報酬を与える」の「er」を主張する人もいますが、正しいかという結論には到りません。とにかく現代においては、smart以外にも目標設定に必要な事項が増えているということです。

smartta

他にsmartの法則を発展させたものでは、「smartta」も有名です。smartに付け加えられた「t」と「a」は、それぞれ「Trackable:追跡できる」「Agreed:同意した」という言葉になります。Trackableには目標への取り組み経過を把握できるかという意味があり、自分がどの程度のレベルまで達しているのか、次に進むためにはどうするかという確認が含まれています。Agreedは当事者間で合意がされたのかという意味合いです。目標の設定方法は、時代の流れと変化によって個々の価値観とともに変わってきています。

smarrt

smartの法則を変化させたかたちの「smarrt」は、「realistic:現実的かどうか」という言葉から「r」を1つ取って足していますが、achievableに似た言葉です。達成可能であるかということと、現実的な目標であるかとは同意義と見なす人も多くいます。realisticは写実的な現実の世界であるのに対し、achievableは達成可能である現実味という違いがある単語です。同意であっても、プラスすることによって強調の意味と具体性が加わり、より合理的な目標を立てることが可能になります。

smartの法則に関する本

これだけ!SMART

「これだけ!SMART」は、副題に「目標を達成できるかどうかは、実は目標を設定した時点で9割決まる」と書いているように、目標設定の段階で既に目標が達成できるかが分かってしまうと結論付けた面白い本です。9割と書いていますので全てという訳ではありませんが、目標設定の重要さを物語る一冊です。smartの法則を徹底解説しているので、法則の成り立ちや現代に到るまでの経緯も知ることができます。著者である倉持淳子さんは飲食関係のプロフェッショナルでもあり、売り上げが伸び悩んでいるお店の方にもおすすめです。

まとめ

smartの法則で社員のやる気を引き出そう

smartの法則は目標を立てるために考えられた法則であり、現代に到っても共通したことが多いため、いろいろな分野で活用されています。目標とは自己を高め、社会や所属する会社などの組織に貢献するために不可欠なもので、人は目標を失ってしまえば生きる価値がないという人までいるのも事実です。smartの法則は、より具体的に目標を立てることによって、曖昧な余分なものを切り捨ててスマートにするという意味合いもあると考えられます。smartの法則を使い最善の目標を立て、社員のやる気と希望ある未来を引き出してあげましょう。

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