記事更新日:2024年10月08日 | 初回公開日:2024年10月08日
用語集 外国人採用・雇用 外国人留学生の採用 人事・労務お役立ち情報日本で働く外国人は2024年時点で200万人を超えています。厚生労働省が発表したデータによると2024年の外国人労働者は204万人となり過去最高を記録しました。前年より22万人増え、外国人を雇用している事業所は32万箇所と多くの事業所で雇用されていることがわかります。国別で見るとベトナムからの労働者が最も多く、多くの外国人が製造業で働いています。製造業が多く分布している東京や愛知・大阪などで多く働いていることがわかります。
外国人と働く上でストレスを感じるのは、言語の壁があるからです。コミュニケーションを取ろうとしても、共通言語がない場合には意思疎通が出来ずにストレスを感じやすくなります。英語も話せない外国人と会話するには通訳を介さない場合、スマートフォンの翻訳機能などを使うしかありません。また日本語を話せたとしても、ニュアンスなどが伝わりにくいため日本人と同様のコミュニケーションを取れるわけではないため、ストレスを感じます。
外国人といっしょに働くノウハウがないため、ストレスを感じやすくなります。先述したように、外国人労働者を採用する事業所は増えていますが、外国人労働者を採用する場合には日本人を採用する場合と異なり追加で申請や手続きが必要です。そのため初めて採用する場合にはノウハウがなく、必要な手続きを調べる事から始まります。実際に採用に繋がっても、言語の壁やOJTをどう進めていくかなど課題は山積みです。ノウハウがない状態で外国人労働者と一緒に働くと精神的負荷が掛かりやすくなります。
外国人を部下に持っている上司の約4割が強いストレスを感じていることが分かっています。外国人労働者が年々増加しているため、外国人労働者を部下に持つ上司も増えてきています。JCASTの調査によると、4割の上司が強いストレスを感じ、2割の上司が今すぐにでも辞めたいと考えていることが分かっています。外国人部下をマネジメントしていく中で、自己主張の強さや従来のやり方が通用しない事からストレスを強く感じる上司が多いのが現状です。
外国人雇用を行う中でのトラブルは、会社の備品を持ち出すことです。外国人に限ったことではありませんが、日本で働いたことのない外国人は会社の備品を勝手に持ち出してしまうことがあるかもしれません。これは悪意があって持ち出しているというよりも、持ち出すことが禁止されていることを知らない可能性もあります。会社の備品を私用に使うことや、持ち帰りを行うことは窃盗罪や横領罪に問われる可能性があることをわかりやすく説明しておくことが大切です。
外国人を雇用しても音信不通になるトラブルが発生します。外国人労働者で発生する問題として多いのが、音信不通や失踪です。2019年には実習先から約5000人の技能実習生が失踪するといったことが問題になっており、外国人の失踪について注目されています。基本的に日本で働く外国人は在留資格を持っている人が殆どであるため、失踪した外国人がそのまま在留期間を過ぎると不法滞在者になってしまいます。音信不通や失踪の可能性がある場合は、入国管理局に連絡しましょう。
外国人労働者同士で喧嘩になるのも、外国人雇用で発生しやすいトラブルです。会社と外国人労働者の間でトラブルが発生しやすいですが、外国人労働者同士でもトラブルになることがあります。様々な国の人が同じ場所に集まることによって、政治や宗教・外交問題の話題からいざこざに発展する可能性もあります。建設的な話し合いになっていれば問題ありませんが、感情的になってしまうと傷害事件などに発展してしまう恐れもあります。
外国人と働く上で大切なことは、ストレートに伝えることです。外国人は当然ですが育ってきた環境などが異なるため、価値観や文化的背景が異なります。文化や言葉の壁は大きく、基本的な会話が問題なく出来ていたとしても全てが伝わっているとは限りません。重要なことが間違って伝わってしまうと、トラブルに発展する恐れもあります。そうならないようにするためにも、当回しな発言は控え伝言ゲームのような伝聞にならないよう直接伝えるようにしましょう。
外国人と働く上で、仕事以外の集まりを強要しないことも大切です。日本では今でも飲みニケーションという言葉があるように、関係を深めるために飲み会を開催するという文化が根づいています。日本文化の中ではチーム内で信頼関係を構築することを重要視しており、本音を言える場として重宝されています。アジア圏ではこういった風習を使っている国もありますが、宗教上の理由で飲酒を禁止されている国もあります。そのため、外国人労働者にはそういった場への参加を強要しないようにしましょう。
外国人と働く上で大切にしておくべきなのは、適度な世間話を行うことです。日本では業務中に雑談することはあまり良しとされていません。しかし多種多様な文化で育ってきた外国人にとって、互いの文化を尊重して理解を深めるために世間話を積極的に行いたいと考えている外国人も少なくありません。雑談を行うことで他者理解を深めて、コミュニケーションを円滑に進められる方法でもあります。しかし全ての国の人が同じ考えではないため、適度に実施しましょう。
わかりやすい日本語で伝えることも、外国人と働く上で大切です。会社内において、日本語は一つではなく丁寧語や謙譲語・尊敬語など様々な場面で使い分けが必要になるため、外国人にとっては理解することが容易ではありません。尊敬語や謙譲語は混乱を招く可能性があるため、使わないようにすることで混乱を避けることが出来ます。日本語で説明する際には、例などをあげて伝えることでわかりやすく伝えることが可能です。理解できているかこまめに確認するようにしましょう。
外国人には表情や仕草を交えて伝えることも意識しましょう。異文化交流を行う場合は、言語によるコミュニケーションだけでなく表情や仕草も大事なコミュニケーションツールの一つです。仕草に関しては国によって微妙に異なる可能性がありますが、挨拶や笑顔などは万国共通であるため日頃から笑顔で挨拶するようにしておきましょう。メラビアンの法則では、聞き手に最も影響を与えるのは視覚であると言われており態度や仕草が言葉以上に影響を与えることをしっかりと理解しておくことが大切です。
外国人と一緒に働く場合は、当たり前と思わず日本のルールをしっかりと伝えましょう。新卒で採用した人材も日本人であれば、業務上のルールではなく日本人としてという意識があるため全てを説明しなくても理解している人が多いことがあります。しかし外国人であれば、日本の文化とは違う環境で育っているため「言わなくてもわかるだろう」ということは通じません。分かって当たり前だろうと思ってそのままにしていると、大きなミスやトラブルに繋がってしまう可能性もあります。ルールはしっかり伝えるようにしましょう。
多様性を尊重することも、外国人と働く上で大切にすべきことです。昨今ではダイバーシティを推進する企業が増えています。日本では他人と同じということを美徳としがちですが、様々な人材を雇用することが増えている今では個人を尊重することが大切です。多様性を尊重する事ができれば、従業員の満足度が向上するだけでなく企業全体の創造性も高めることが出来ます。多様性を尊重する企業は、社会的な評判も高まり人材が集まりやすくなるというメリットも有るため、従業員の多様性を尊重するよう心掛けておきましょう。
外国人と働くメリットは、社内が活性化することです。会社の事業が安定すると社内がマンネリ化し従業員のモチベーションが低下してしまう恐れもあります。こういった状況になっている時に外国人を採用することで、社内に新しい風を吹き込んで活性化させることが可能です。また外国人労働者にいいところを見せようと張り切る従業員も出てくるかもしれません。外国人と信頼関係を構築するために親睦会などを実施することで、話すことのなかった従業員同士が話すきっかけにもなり社内の交流を深めることに繋がります。
外国人と働くことで、幅広く優秀な人材を採用することが出来ます。日本の企業で働くことを目的にしている外国人は、優秀な人材である可能性が高いです。外国では英語を学ぶことはありますが、日本語を必修としている国はありません。そのため日本で働こうと考えている外国人人材は他の勉強や仕事と同時進行しながら、日本語の勉強を行っています。日本語の勉強を継続して行えている外国人人材は、高い学習能力を持っているといえます。東南アジアの人は、日本企業に採用されている人材はエリート人材であることが殆どです。
海外進出のきっかけになるのも、外国人と働くメリットです。国内だけでなく海外に拠点を広げたいと考えている企業にとって、外国人従業員を採用すれば企業として対応できる言語の幅が広がります。とくに拠点を広げたいと考えている国の言語を母国語にしている人材を採用することで、企業にとっても貴重な戦力となります。現地の情報収集や営業活動を行うときにも、リーダーとして頼りになる存在になってくれるはずです。出身国が同じ人が社内にいることで信頼を勝ち得やすくもなります。進出国を決めて、採用を行うのも一つの方法です。
外国人を雇用する際のトラブルや、外国人と働く上で大切なポイントなどについて解説しました。外国人人材は、日本人労働者に比べ人件費が安く済むため人件費削減の目的だけで採用しようとしている企業もあるはずです。しかし単なる人件費削減のために採用してしまうと、企業の負担が大きくなってしまう可能性もあります。外国人人材を採用する際は、日本とは文化や考えなどが異なることをしっかりと念頭に置いて対応することが大切です。外国人人材と働くことでストレスになる要因を理解し、外国人人材と気持ちよく働ける環境を作りましょう。
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