中小企業が採用に苦戦する理由とは?【採用時に意識することや苦戦しないための対策などについて解説します】

記事更新日:2023年05月10日 初回公開日:2023年05月10日

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近年問題になっている少子高齢化や人口減少により労働人口が年々減ってきている為、誰もが知っている有名企業や大企業でも予定人数を採用する事は簡単ではありません。大企業でも人材の確保は難しい為、企業規模が小さく知名度が低い中小企業は更に採用に苦戦してしまいます。中小企業が採用活動を行う上で、意識しておくことや採用活動の対策などについて解説していきます。中小企業の人事担当者の方は、参考にしてみてください。

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中小企業の採用状況

従業員300人未満の企業の有効求人倍率が5.31倍

中小企業の採用状況は、従業員数が300人未満の企業では有効求人倍率が5.31倍と高い水準になっています。リクルートワークス研究所が行った第38回 ワークス大卒求人倍率調査(2023年卒)では、23年卒の有効求人倍率は1.58倍でした。全体の有効求人倍率と比べると中小企業において、新卒採用がとても難しいことが分かります。コロナウイルスの影響を受けた企業が多くありましたが、少子高齢化などの影響で労働人口が減少していることで売り手市場であることは変わりません。

中小企業が採用に苦戦する理由

大企業よりも知名度が低い

中小企業が採用に苦戦しているのは、大企業よりも知名度が低いことが原因です。学生に企業の存在を知られているかどうかが、応募者数に関係してきます。誰もが知っている大手企業や有名企業は求人に力を入れずとも一定数の応募がありますが、企業名や何をしている企業なのか知られていない中小企業への応募は少なくなります。募集を出しても条件などで大企業に劣ってしまう為、求人が埋もれてしまいなかなか求めている人材の確保が出来ない企業がほとんどです。

採用に高いコストをかけることが難しい

中小企業では、採用に高いコストを掛けることが難しい為、採用に苦戦しています。優秀な人材を確保する為には、様々な求人媒体の活用等が必要となりコストが掛かります。中小企業では十分に採用活動に掛けられる予算がない事が多い為、活用できる採用手法も限定されてしまうかもしれません。コストを掛けずに採用する事は現状簡単ではなく、潤沢に費用がある大企業の求人に埋もれてしまい、採用活動に苦戦するという状況に陥ってしまいます。

採用ノウハウが蓄積されていない

中小企業では採用ノウハウが蓄積されておらず、採用に苦戦している企業が多くあります。効率的な採用活動を行う為には、培ってきたノウハウが欠かせません。中小企業は設立された年数が短い場合もあり、なかなかノウハウが蓄積されていない事が多くあります。また企業として歴史がある場合でも、採用担当者を専任で置いている企業は少なく兼務の場合には、他の業務もある為ノウハウが中々蓄積しません。採用ノウハウが蓄積されていないと、採用活動を効果的に行うことは簡単ではありません。

魅力のアピールが足りていない

学生に対して魅力のアピールが足りていないことも、中小企業が採用に苦戦している理由です。企業規模に関わらず、魅力のある企業には応募者が集まります。しかし中小企業では、自社の強みをしっかりとアピール出来ていない企業が多い為、就職先に選ばれにくい状況に陥っています。自社の魅力をアピールするためには、しっかりと強みや弱みを把握しておくことが大切です。中小企業で採用活動に苦戦している企業は多い為、他社と差別化するためにも自社のアピールを行いましょう。

中小企業が新卒採用で意識するべきこと

学生の4割が中小企業志向

中小企業が新卒採用で意識しておくべきことは、学生の4割が中小企業志向だということです。採用活動が上手くいっていない中小企業の担当者の方は、学生の多くは大企業志向だと考えている人も少なくないのではないでしょうか。マイナビが行った大学生就職意識調査によると、全体の4割の学生が中小企業で就職したいという調査結果が出ています。中小企業志向の学生を採用するためにも、何を求めているのかをしっかり把握しましょう。

学生は仕事に楽しさややりがいを求めている

中小企業は、学生は仕事に楽しさややりがいをもとめているということを採用活動で意識しておく必要があります。マイナビの意識調査によると、収入が高い仕事に就きたい・出世したいと考えている学生は少なく仕事に楽しさややりがいを求めている学生が約4割を占めていました。プライベートとの両立が出来る仕事に就きたいと考えている学生も少なくありません。大企業にはない魅力を学生に発信することによって、中小企業志向の学生の採用に繋げることが出来ます。

中小企業が中途採用で意識するべきこと

転職希望者は8割がキャリアアップしたいと考えている

中小企業が中途採用で意識しておくことは、転職希望者の8割がキャリアアップを考えているということです。転職者は自身のスキルアップや仕事の領域を広げることの出来る企業を探している事がほとんどです。その為、キャリアアップ支援制度がしっかりと構築されていれば、中小企業も転職の選択肢に入ってくる可能性が高くなります。研修制度や費用を企業がサポートすることによって、転職者にキャリアアップとしての魅力となり中小企業でも転職者採用へと繋がります。

中小企業が採用に苦戦しないための対策

自社の強みをはっきりさせる

中小企業が採用活動で苦戦しない為には、自社の強みをはっきりさせておくことが大切です。有名企業や大企業は「安定している」と求職者から思われやすい為、就職の際に選ばれている傾向が高いですが、中小企業だからといって安定していない訳ではありません。しっかりとした地盤があり、長年専門的な分野で業績を上げ続けている中小企業は大企業に負けないアピールポイントを持っています。自社の強みをしっかりと把握し、求職者にとって魅力になる様アピールを行っていくことが大切です。

採用ターゲットを明確にする

中小企業では、採用ターゲットを明確にすることで採用活動に苦戦しない為の対策を行えます。ターゲット像を明確にせず採用活動を行ってしまうと、自社が求めている人材ではない場合余分なコストや時間が掛かってしまいます。求めている人材によって、アピール方法や採用の方向性が変わってくるため、採用したい人物像を明確にしておくことが重要です。求めている人材をはっきり示すことで、その条件に合った人が応募しやすくなります。求職者にとっても条件面が明確になっている事はメリットの為、応募に繋がる可能性があります。

求職者との接触窓口を増やす

中小企業で採用活動に苦戦しない為にも、求職者との接触できる窓口を増やしましょう。有名企業や大企業は企業側からアクションを起こさなくても、応募者が自分で調べるなどしてエントリーをします。しかし知名度が低い中小企業は企業側から応募者にアプローチする必要があります。応募したいと考えても、応募する場所が分かりにくくなっていては意欲が下がってしまうかもしれません。そういった事態を避けるために、求人サイトだけでなく自社ホームページやハローワークなど様々な窓口を作っておきましょう。

無料のツールを試す

中小企業が採用で苦戦しない為の対策として、無料ツールを試すことも方法の一つです。お金や時間に余裕があると、様々な採用手法を試すことが出来ますが、お金が掛けられないからといって選択肢がない訳ではありません。最近では、IndeedやSNSを利用したソーシャルリクルーティングという採用手法が主流になっています。ソーシャルリクルーティングは費用が掛からない為、中小企業でも取り入れやすい採用手法です。無料ツールを一通り試したという企業は、成功報酬型のサービスもあります。

SNSやWebサイトを活用する

中小企業が採用活動に苦戦することのないように、SNSやWebサイトを活用しましょう。最近では、SNSから情報収集をして就職活動に生かしている学生が増えています。企業規模に関係なく、魅力的な情報を発信している企業は求職者にとっても応募を考える理由の一つになります。自社に合ったSNSやWebサイトを活用して、定期的に情報を発信し続けることによって少しずつ企業を知ってもらうことが可能です。上手にSNSなどを活用して、採用活動に生かしていきましょう。

採用活動の開始時期を早くする

中小企業は、採用活動の開始時期を早くすることで採用に苦戦しない対策を取れます。優秀な学生ほど就職活動を早い時期から行っている傾向です。採用活動の開始時期が他社に比べて遅れてしまうと、それだけ優秀な人材を採用できる可能性は低くなってしまいます。学生にあまり知られていない企業は、なるべく早い時期から採用活動を行って学生と出会う機会を増やすことが重要です。その為にも、他社に負けないよう採用活動時期を早めて、自社に合う人材と出会える機会をなるべく増やすようにしましょう。

採用エリアを見直す

採用エリアを見直すことも、中小企業が採用で苦戦しない対策です。関東エリアは企業数も多く、大企業や有名企業で働きたいと考えている学生が多くいます。しかし地方の学生は大企業志向の人は少なく、地元で求人数も限られている為、内定辞退率が低い傾向にあります。関東や都心部で上手く採用活動が行えていない企業は、採用エリアを拡大することで採用の幅が広がります。今まではわざわざ地方で採用するにはコストが掛かっていましたが、Web上で説明会や面接を行える為、中小企業でも対応することが可能です。

内定後のフォロー体制を整える

内定後のフォロー体制を整えて、採用で苦戦しない対策を取りましょう。優秀な人材ほど、早い時期から就職活動を行っている為、内定を出した場合入社するまでに時間が空くことがほとんどです。内定承諾をしていても、全く企業から連絡がない状態では学生の中で不安が大きくなりせっかく内定を出していても辞退になってしまうこともあります。内定辞退にならない為にも、座談会や内定者ランチなどを実施し定期的に学生が従業員と触れ合える場を作るようにしましょう。しっかりとフォローすることで内定辞退を防ぐことが出来ます。

中小企業の採用成功事例

株式会社Dai

株式会社Daiは中小企業で採用を成功させた企業です。株式会社DaiはBtoBの受発注業務をIT化するクラウド型ECプラットフォーム「Bカート」の開発・運営を行っている企業で、京都に本社を構えています。ハローワークで求人を行っていましたが、求める人材を採用出来ない課題を抱えていました。そこでDaiは事業内容や理念を積極的に発信しました。その理念に共感した応募者に合うことができ、自社にマッチした人材の採用に成功します。

株式会社新東通信

中小企業で採用に成功したのは、株式会社新東通信です。新東通信は名古屋の老舗広告企業で、東京・名古屋・大阪を中心に広告事業を展開しています。大手就活サイトを活用していましたが、自社が求めている「周囲とは違う視点をもつ、面白い人材」とはなかなか会うことが出来ませんでした。そこで、会社の情報を自由に発信できるサービスを導入し学生に興味を持ってもらえるように努めました。それだけでなく、若手従業員や内定者に情報発信を任せ、学生が求めている情報を発信することに成功します。

まとめ

採用方法を見直して優秀な人材を確保しよう

中小企業が採用活動を行う際の対策や成功例について解説しました。中小企業はどうしても大企業と比べると、採用活動が不利になってしまうことがあります。しかし中小企業志向の学生は4割と少なくなく、中途採用においてもしっかりとしたキャリアパスを提示できれば魅力の一つとなります。中小企業で採用活動を成功させるためにも、自社の魅力をしっかりと把握し自社に合った採用手法を活用することが大切です。従来の採用方法をしっかりと見直し、優秀な人材を確保していきましょう。

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