レコグニションとは【メリットや導入する際のポイントについてお伝えします】

記事更新日:2023年10月25日 初回公開日:2023年04月19日

用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報
働き方改革による労働環境の変化や、ワークライフバランスを重視する人が増えてきていることから、高い給料をもらう為に働きたいと考える人は徐々に減少しています。そういった考えの人達には、いくら給料を高く払っても継続して長く働いて貰える保証はありません。金銭的な報酬よりも心理的・精神的な報酬を求めている人達に最適な制度が、レコグニションです。今回はレコグニション導入の際のポイントなどについて解説していきます。人事担当者の方は是非参考にしてください。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

レコグニションとは

対象者の持つ能力や実績を認めること

レコグニションとは、対象者の持つ能力や実績を認めることです。レコグニションには、「認識」や「承認」という意味があり、人事業界では従業員が携わっている業務に価値があるという事を認め、活躍に対して賞賛や承認する仕組みの事を言います。永年勤続表彰などといった企業が主体となって実施し、きちんと制度化されている物や、サンクスカードといった従業員同士で賞賛しあうものまで様々なレコグニションが活用されています。

レコグニション注目の背景

金銭面だけがモチベーションではなくなった

レコグニションが注目されているのは、金銭面だけがモチベーションではなくなったことが影響しています。働き方が様々になってきていることから、仕事へのモチベーションも多様化してきています。従来は、従業員が働くモチベーションは金銭面を重視している人が殆どだったため、勤続により昇給や賞与を与えていました。金銭面がモチベーションになる従業員も居ますが、従業員全員がそう考えている訳ではない為、柔軟に対応出来るようにレコグニションが注目されています。

優秀な人材を確保することが難しい

レコグニションは、優秀な人材を確保することが難しくなっていることから注目されています。少子高齢化や労働人口の減少、雇用形態に拘らずに働きたいと考える人が増えている中で人材の雇用は簡単ではありません。売り手市場により、労働者が働きたいと考える企業を選ぶことが出来、従業員にとって魅力的な職場環境や福利厚生などを提供していないと、離職率があがってしまいます。従業員の満足度向上のためにも、様々な形での報酬やインセンティブが求められています。

レコグニションとソーシャルレコグニションの違い

ソーシャルレコグニションは身近なメンバー間で称賛し合う

レコグニションと似た意味として、ソーシャルレコグニションがありますが、ソーシャルレコグニションは身近なメンバー間で賞賛しあう場合に使われます。レコグニションは本来、企業が従業員に対して賞賛を行う制度が殆どです。永年勤続表彰や社内表彰制度などがレコグニションの典型例と言えます。ソーシャルレコグニションは、報酬などを受け取ることを前提にしておらず従業員同士が賞賛しあう制度を指しています。サンクスカードなどを活用して行われ、コミュニケーションの活性化などに活用されています。

レコグニションとリワードの違い

リワードは貢献に対して金銭的な報酬を与える

レコグニションとリワードの違いは、リワードは貢献に対して金銭的な報酬を与えることを意味しています。レコグニションは必ず金銭的な報酬を付与する訳ではなく、成果に対しての表彰など精神的な報酬を可視化しています。リワードには必ず金銭的な報酬が伴っており、業績や企業への貢献に対してインセンティブなどを支払うシステムです。レコグニションとリワードどちらを活用すべきかは企業によって異なりますが、最近では金銭的・精神的な報酬を組み合わせて活用するトータルリワードが活用されています。

レコグニションを導入するメリット

従業員のエンゲージメントが向上する

レコグニションを活用することで、従業員のエンゲージメントを向上させるメリットがあります。様々な働き方が出来る現在では、働く意味や仕事に何を求めているのかといった考え方も従来とは異なってきており給料が貰える企業程、従業員の満足度が高いかというとそうではありません。従業員に継続的に長く勤務してもらうには、金銭的な報酬だけでは不十分です。金銭的な報酬ではなく、上司や同僚に働きぶりを評価してもらうことでやりがいを見出すことが出来、業務への満足感にも繋がります。

組織全体の生産性が改善する

レコグニションの導入によって、組織全体の生産性を改善することが可能です。自分の働きを認めてくれている人や、自分を必要としてくれている人に対してはしっかりと気持ちに答えようとします。従業員一人一人のエンゲージメントがレコグニションによって高まることで、今まで以上に企業やチームに対して貢献しようと考え業務に取り組みます。レコグニションにより、コミュニケーションが活性化する事で他のメンバーの業務にも関心を持ち、風通しの良い環境が出来ます。前向きな姿勢で業務に取り組むことにより、パフォーマンス力が高まり組織全体の生産性向上に繋がります。

離職防止に繋がる

離職率防止に繋がるのも、レコグニションを導入するメリットです。働き方改革により、一社に長く働くよりも転職をすることが当たり前と感じている若年層の労働者にとって、金銭的な報酬よりも働きがいや上司から評価されているのかを重視します。上司からの評価だけでなく、同僚や先輩から称賛されることで会社への愛着度も高めることが可能です。また、レコグニションは可視化が難しい努力に対しての評価を行うことが出来る為、従業員のエンゲージメントが高まります。企業への愛着が高まることによって、長く働きたいと思ってもらえるようになります。

レコグニションを導入する際のポイント

導入目標と対象範囲を明確にする

レコグニションを導入する際のポイントは、導入目標と対象範囲を明確にすることです。レコグニションは従業員を対象にした制度の為、対象とする従業員を決めましょう。正規雇用だけでなく、派遣社員やパートやアルバイトの従業員を対象にするのか事前に決めておく事が大切です。レコグニションは従業員の満足度を上げるための施策です。対象にする従業員を制限してしまうと、一部の従業員から不満が上がってしまいます。また、導入目標などを定めずに運用してしまうと計画が立て辛く継続的に運用することが難しくなる為、しっかりとした目標を定めておきましょう。

基準や方法を決定する

レコグニションを導入する際は、基準や方法を決定する点がポイントになります。レコグニションを行うには、導入する前に明確なルールを立てておく必要があります。レコグニションを与える人は誰なのか、与えられる対象はどこまでの範囲なのか、表彰を行うタイミングなど細部まで決めておきましょう。表彰基準なども定めておくことで、不満が出にくい環境を作ることが出来ます。レコグニションを効果的に活用していくためには、事前に表彰の基準や方法を決めておくことが大切です。

従業員に周知する

レコグニションは、導入する時に従業員に周知を行うことも大切です。運用ルールが確定した後は、きちんと従業員へ運用する目的やルールを理解して貰えるよう説明を行いましょう。しっかりと説明を行わずに導入してしまうと、従業員の間で上手く活用することが出来ずレコグニションの効果を得ることは難しいでしょう。説明会の場を設け、レコグニションの必要性を理解・納得してもらった上でレコグニションを運用していくことが大切です。

効果を確認して改善点を洗い出す

効果を確認して改善点を洗い出すことも、レコグニションを導入する際のポイントです。レコグニションを継続して効果的に行う為には、定期的に効果測定を行いましょう。効果を測らず長期間運用してしまうと、当初の目的や目標からかけ離れてしまっている可能性もあります。効果測定を行うためには、従業員に社内アンケートを行い利用状況や改善点などのヒアリングを行いましょう。改善点の見直しなどを柔軟に行っていくことによって、効果的にレコグニションを実施することが出来ます。

レコグニションの定着に活かせるツール

Achievers

レコグニションを定着させるために、Achieversというツールを活用しましょう。Achieversはネットワーク上に存在している端末を活用して、従業員が1対1で通信を行うP2P(Peer to Peer)を利用したシステムです。Peerとは、同じ境遇や立場にいる人達のことを指しています。P2Pを活用することで、相手に感謝などの気持ちを言葉や報酬で伝えることが出来、1対1で完結する為周りを気にする必要がありません。

インセンティブ・ポイント

レコグニションの定着には、インセンティブ・ポイントというツールがお勧めです。インセンティブ・ポイントは、貯まったポイントでインセンティブや福利厚生・アイテム交換などを行えるシステムです。設定された基準を元に、ポイントが付与されるだけでなく同僚が感謝を伝えるサンクスポイントの機能も備わっています。インセンティブ・ポイントを活用することで、従業員のモチベーションアップだけでなくアイテムに交換ができる為、代理店への販売促進も行うことが出来ます。

TUNAG

TUNAGもレコグニションの定着にお薦めなツールです。TUNAGはSNS機能が付いており、プロフィールやタイムライン機能も備わっており、従業員がどういった人なのかなどを確認することが出来ます。TUNAG最大の特徴として、社内制度管理機能が付いており制定した施策を共有することで従業員に企業文化を醸成することが出来るのもポイントです。SNSでは写真や動画投稿も出来る為、若年層の人達は気軽に活用することが可能です。

レコグニションの導入事例

メルカリ

メルカリでは、レコグニションを活用しています。メルチップ賞という制度を設けており、1ポイント=1円に換算出来るメルチップと共に感謝の言葉を贈るシステムです。従業員の数が多くなればなるほど顔と名前が一致せず、上手くコミュニケーションが取れなくなってしまい結果として様々な弊害を生みかねません。そういった状況を防ぐために、部署の壁を越えて一体感を作り出せる仕組み作りを行っています。ポイントを1番貰っている従業員にメルチップ賞を授与するようになっています。ポイントを付けずに感謝の気持ちを送ることも可能です。

オリエンタルランド

ディズニーランドで有名なオリエンタルランドは、キャストと呼ばれている従業員に対してレコグニションを行っています。オリエンタルランドでは、来場者に対してのおもてなしを行う判断・行動基準を「The Four Keys~4つの鍵~」として定めています。ファイブスター・プログラムは基準を満たしている 従業員に対し、上司からファイブスターカードが手渡される制度です。カードを5枚集めた従業員は、特別なパーティーに参加することが出来ます。これによって従業員満足度が上がるだけでなく、来場者へのサービス向上にも繋がる好循環が生まれています。

全日本空輸株式会社

全日本空輸株式会社でもレコグニションが活用されています。全日本空輸株式会社では、「Good Jobカード」というカードを活用してお互いの仕事ぶりを褒めあう文化が根付いています。2017年には21万回ものグッジョブやおめでとうといった言葉が飛び交っており、企業内でしっかりとコミュニケーションが取れる環境作りに活かされています。この制度を導入したことにより、羽田空港では国内拠点の中で成績が下位から上位に上がるなど企業としての生産性向上などにも繋がっています。

まとめ

レコグニションを取り入れて従業員のモチベーションを高めよう

レコグニションが注目されている背景や、導入するメリットについて解説しました。従業員にあったレコグニションを活用することで、従業員エンゲージメントの向上だけでなく組織全体の生産性向上や顧客満足度にも繋げることが出来ます。レコグニションを効果的に活用するためには、事前の目標設定や対象者の範囲決めなどをしっかり行っておくことが大切です。対象から外れる従業員から不満が出ないような運用を行う必要があります。レコグニションを上手く活用し、従業員のモチベーションアップに繋げていきましょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら