ミッション・ビジョン・バリューとは【メリットや作る際の注意点について解説します】

記事更新日:2021年07月05日 初回公開日:2021年07月02日

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ミッション・ビジョン・バリューという言葉をご存じでしょうか。ミッション・ビジョン・バリューとは、企業の経営方針の事で、企業の目標にするべき点が明確になります。また、企業全体が目指す方向も統一されるため、方向性が定まっていない企業にも必要な要素です。ミッション・ビジョン・バリューを行うことで在宅勤務が増えている企業の一人一人の方向性を統一させることができます。今回はミッション・ビジョン・バリューのそれぞれの役割から、メリット、注意点などについて紹介していきます。

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ミッション・ビジョン・バリューとは

企業の経営方針のこと

ミッション・ビジョン・バリューは企業の経営方針のことで、ミッション、ビジョン、バリューの3つの要素に分かれています。経営学者のピーター・F・ドラッガーが提唱した企業の経営方針です。ミッション・ビジョン・バリューはピラミッドの形をしていてそれぞれが密接に関係しています。ミッションが変わることによってビジョンが変わっていきますし、ビジョンが変わることでバリューも変わっていきます。ミッション・ビジョン・バリューを簡単に表すとミッションは「WHY(なぜ)」、ビジョンは「WHAT(なにを)」、バリューは「HOW(どうやって)」です。

ミッション・ビジョン・バリューの意味

ミッションとは

実現したいこと

ミッションとは会社が果たすべき使命や実現したいことを指します。ミッション・ビジョン・バリューの三つの要素の中で最も重要な要素となります。企業にとってのミッションは、事業を通して何を成し遂げたいか、社会に対しどのような価値を提供するかを示すものです。ミッションは、企業そのものを表していると言えるため社内外のどちらでも大きな役割があります。社員に浸透させるだけでなく、たくさんの人に見られるべきポイントになっていきます。

ビジョンとは

ミッションが実現したときの状態

ビジョンとはミッションが達成したときの理想像、つまり企業の未来を表します。将来的にどのような企業になっていたいか、どのような未来を実現したいかなどを示しているのがビジョンです。ミッションが現在の状況に対して目を向けているのに対し、ビジョンは未来に目を向けているという特徴があります。ビジョンはビジネスにおいて「目標」や「方向性」という意味で使われることもありますが、「展望」と解釈するのも良いです。「将来こういう企業になりたい」という「展望」を掲げたものです。

バリューとは

価値観や行動指針

バリューはビジョンを実現するための価値観や行動指針のことを指します。企業では社員一人一人がバリューに見合った行動をすることで、企業としてのミッションやビジョンを達成することに繋がります。また、企業として日常の基本的な行動のことをバリューとする場合もあります。バリューの土台となるのが企業理念であり、企業理念が表している理想的な企業の姿を実現するために、どのような行動をとるかを示したのがバリューです。

ミッション・ビジョン・バリューとクレドの違い

クレドは経営理念を具体化したもの

クレドとは、経営理念を具現化したものです。企業全体の従業員が心がける心情や行動指針のことであり、企業の目的や社会的責任、存在意義などを明確に示したものがあります。クレドに最も近い価値観はバリューです。ミッション・ビジョン・バリューとクレドとの違いは、それぞれの方向性にあります。ミッション・ビジョン・バリューは社会全体に企業の使命を宣言するものですが、クレドは社員に対して「我々があるべき姿」を明確にしています。

ミッション・ビジョン・バリューのメリット

戦略に一貫性を持たすことができる

ミッション・ビジョン・バリューのメリットとして戦略に一貫性を持たすことができるという点があります。ミッション・ビジョン・バリューは企業の経営方針で、その中でも特にビジョンはあるべき企業の未来を指しています。未来像を描けるようになると、実現していくためのプロセスを明確に考えることが出来るので、戦略に一貫性が生まれるでしょう。戦略に一貫性を持たせられると、チームが空中分解してしまうのを防ぐことができます。

当事者意識が強まる

さらに、ミッション・ビジョン・バリューを行うことで社員一人一人に対して当事者意識が強まるというメリットがあります。近年、リモートワークの導入や転職を前提とした就職の増加により、各社員の主体的な活動への関心を寄せている経営者も増加してきました。更に個人でもミッション・ビジョン・バリューを立てると目標が見え、当事者意識が高まるので効果的です。そのためミッション・ビジョン・バリューを行うことは個人に主体性の意識を持たせるきっかけになります。

目標意識を共有できる

ミッション・ビジョン・バリューを明確にすることで、目標が明確化されるため、ミッション・ビジョン・バリューには「行動規範」としての役割もあります。「会社として何を目指しているのか」、「そのために、どのような行動をするべきなのか」などの目標意識を明確にする事が出来ます。また、社内で価値観が統一されることで、社員一人一人が同じ目標を持つ事が出来るようになるというメリットもあります。目標意識を共有することで、自律的に行動することのできる社員が増えることも期待できるでしょう。

自社の魅力を採用活動で伝えることができるようになる

ミッション・ビジョン・バリューの4つ目のメリットは、自社の魅力を採用活動で伝えられるという点があります。採用活動でアピールする際、給与や待遇、福利厚生、人事制度などをアピールしている企業は少なくありません。確かに、休みがとりやすいことや、ワークライフバランスの充実などを前面に出すことで、求職者が魅力に感じられるでしょう。しかし、条件が良い企業ばかりあるわけではありません。給与が相場より少ない、福利厚生が整っていないという場合もあるでしょう。この場合、機能しているミッション・ビジョン・バリューがあれば、企業の考え方や価値観を魅力として伝えることができます。

ミッション・ビジョン・バリューの注意点

ミッション ビジョン バリューの定義を伝える

ミッション・ビジョン・バリューを行う上での注意点は、ミッション・ビジョン・バリューの定義を伝えるということです。ミッション・ビジョン・バリューを行う時、全員がそれぞれの定義を理解しているわけではないということを考えなくてはいけません。例えば、ミッションは、自社が利益を得るためだけに事業を行うのではなく、社会にとっての存在意義を示すために何を成し遂げるか、というように定義をはっきりと提示する必要があります。ミッション・ビジョン・バリューのそれぞれの定義をあらかじめ伝えておくことで、要素を考えやすくなります。

3つの要素を連動させる

次に、ミッション・ビジョン・バリューを行う上での注意点の二つ目は3つの要素を連動させることです。ミッション、ビジョン、バリューはそれぞれピラミッドのように関係性をもって成り立っています。ミッションに合ったビジョンを立て、そのビジョンに向けたバリューを組み立てることで連動していきます。ミッションに対してのビジョンがあってなければ、バリューも合わなくなるので連動しなくなってしまいます。ミッション、ビジョン、バリューを並べたときに3つが関連性を持つように立てることで連動しやすくなります。

1人1人の意見を尊重する

ミッション・ビジョン・バリューを行う上での注意点の三つ目はグループで行う際に一人一人の意見を尊重するということです。周囲に遠慮してしまい本音が言えないという人もいます。しかし、ミッション・ビジョン・バリューでは、様々なメンバーの意見を大切にする必要があります。全員の意見を聞き、誰の意見でも否定せずに最後まで聞くという姿勢を大事にして、意見を尊重するように心掛けることが大切です。意見を尊重することで、一人一人が考えていることを聞けるだけでなく、意見を聞いてもらえることで信頼関係が生まれるというメリットもあります。

分かりやすく表現する

ミッション・ビジョン・バリューで気を付けなければいけないことは、自分の意見をわかりやすく他人に表現するということです。特に、グループで行うとなると、自分の意見をよりはっきりわかりやすく伝える必要があります。表現する際に難しい言葉で目標を掲げてしまうと捉える側が難しく考えてしまうかもしれません。そのため、ミッション・ビジョン・バリューはそれぞれわかりやすく表現して書き出していくのが大切なポイントです。

ミッション ビジョン バリューを作るだけで終わらせない

ミッション・ビジョン・バリューを作っただけで満足してしまい、終わりにしてしまうというのは良くありません。目標意識を共有することや一貫性をもたらすためにはミッション・ビジョン・バリューを作っただけで終わらせるのではなく、実現させることも大切です。価値観を共有し、自律的に行動できるようにするためには、ミッション・ビジョン・バリューを浸透させていく必要があります。ミッション・ビジョン・バリューに触れる機会を増やす、立場が上の人が率先してミッション・ビジョン・バリューに合った行動をするなど、浸透させていきましょう。

ミッション・ビジョン・バリューの作り方

4つのステップを踏んで決定する

ミッション・ビジョン・バリューは定義づけ、アイデア出し、共有、ワーディングの4つのステップを踏んで決定していきます。まず初めに3つのそれぞれの意味に対して抽象的に定義を決めます。具体的に書いてしまうと次のステップで躓いてしまうので注意しましょう。大まかに定義を決めたら、思いつく限り具体的にアイデアを出していき、出たアイデアを共有していきます。同じようなものはまとめ、考えている価値観を明確にします。ここでは価値観を絞るだけで問題ありません。最後にワーディング行います。適した言葉を選び、ミッション・ビジョン・バリューに対して統一感を持たせていきます。このような手順でミッション・ビジョン・バリューを決めます。

ミッション・ビジョン・バリューを桃太郎を使って説明する

桃太郎のミッションビジョンバリューとは

ミッション・ビジョン・バリューを具体的にわかりやすくするために桃太郎に沿って説明していきます。桃太郎は「平和な生活を送る」というミッションをもって行動し始めます。鬼退治がミッションだと思う人も少なくありませんが、鬼退治は平和な生活を送るための通過点です。鬼退治をすることがゴールではないので、ミッションではありません。そして、「鬼が襲ってこない未来」というビジョンがあります。このようにビジョンは具体的であることが大切です。ビジョンを実現するために「仲間を増やして作戦を練る」「仲間と協力して退治する」などのバリューがあります。バリューは理想的ではない現実から戦略を練り、理想の未来像を考えることが必要となります。

桃太郎の話からわかること

桃太郎を例にして考えてみると、ミッション、ビジョン、バリューのそれぞれの役割と目的、関係性がわかりやすくなります。各概念が生まれる流れを整理してミッション・ビジョン・バリューをどのように組み立てていくと良いかがわかりますね。企業を桃太郎に置き換えると、やりがいを感じながら仕事をしていくうえで鬼と同じような存在が必要になっていきます。鬼と同じような存在を企業で活動していくうえで見つけることができるかがポイントになるでしょう。そのためにも、ミッション・ビジョン・バリューで細かく分け、明確にすることは大切です。

まとめ

ミッションビジョンバリューを浸透させて、企業の成長に繋げませんか

ミッション・ビジョン・バリューを行うことは、これから先企業がどのような姿であるべきかを考えることにもなります。企業として目指すべき姿があるということは、社員の自律的行動を促すとともに社会に自分たちの方針を発信するきっかけになります。社員一人一人が自律性をもって行動するようになれば自ずと企業の成長にもつながっていきます。また、経営方針が明確な企業は就職活動を行っている人にとってもいい印象を与えられます。ミッション・ビジョン・バリューを浸透させて、企業の成長に繋げてみてはいかがでしょうか。

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