未来人材ビジョンとは【未来人材ビジョンの求める人材像や必要な取り組みについて解説します】

記事更新日:2024年08月02日 初回公開日:2024年08月02日

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近年では、グローバル化やデジタル化、少子い高齢化などの時代の変化が顕著です。それに合わせて企業の在り方も変化しています。時代に合わせて企業も順応していかなければ、他の企業との競争に勝つことができません。今回は、未来の会社の在り方や指針について考えるべく、「未来人材ビジョン」について説明をします。経営層や人材教育の担当者の方は是非ご一読下さい。

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未来人材ビジョンとは

経済産業省による未来の人材育成・確保の指針

未来人材ビジョンとは、経済産業省のまとめた、未来の人材育成や確保のための方針をさします。この未来人材ビジョンは、2030年や2050年に起こりうる産業構造の返還を見据え今後の日本の人材政策を検討する「未来人材会議」でまとめられました。公表された資料には多くのデータが入っており、その内容からは衝撃的とも言える現在の日本の人材に関する実態が示されています。リスキリングやAI人材の必要性、労働人口の減少について取り上げられています。

未来人材ビジョンが公表された背景

社会が不確実性を帯びてきている

未来人材ビジョンが公表された背景として、社会が不確実性を帯びてきていることが挙げられます。一般的に1990年代から2000年にかけてIT革命が起きたと言われています。そして、IT化の流れは2020年のコロナ危機が拍車をかけることとなりました。、あた、2000年代以降環境意識も高まり、脱炭素やカーボンニュートラルが世界的に注目されるようになりました。このような世界の変化から、産業構造や雇用構造が激変するだろうと言われています。こうした理由から新たな人材のビジョンが提示されました。

必要なスキルや能力が変化してきている

未来人材ビジョンが公表された背景として、必要なスキルや能力が変化してきていることが挙げられます。AIやロボットの活躍が目覚ましく、今後AIが人間の仕事の多くを奪う可能性があると言われています。それに伴い、従来より仕事で必要とされていた能力が変化しつつあります。例えば、未来人材ビジョンでは、2015年に必要な能力にミスのないことを挙げていました。しかし、2050年に重要な能力として問題発見力を一番に挙げています。このように時代の変化に伴い能力やスキルが変化していることが背景に挙げられます。

未来人材ビジョンの求める人材

常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力

未来人材ビジョンの求める人材として、常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力が挙げられます。新しい斬新なアイディアを出していくという能力は、AIが現在のところ苦手としている能力であり、これからの時代人に必要とされる能力と言えます。具体的に言えば、企画職やゲームクリエイター、デザイナーなどの仕事が挙げられるでしょう。どのような仕事においてもクリエイティブな発想が求められます。

夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢

未来人材ビジョンの求める人材として、夢中に手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢が挙げられます。デジタル化の進んだこれからの時代においては、処理や解決が簡単な仕事は自動化が推し進められていくでしょう。つまり、1つのことに対して深く考えていく仕事を人が担うようになるでしょう。したがって、何事にも夢中になり、1つずつ深くこなしていく姿勢が求められます。

グローバルな社会課題を解決する意欲

未来人材ビジョンの求める人材として、グローバルな社会課題を解決する意欲が挙げられます。グローバル化は顕著であり、世界の抱える問題がより日本にも身近になってきています。例えば、海外での大企業の株価の動向は日本の経済を大きく左右するものになっています。また、官民の壁を越えて日本では海外のインフラ支援や難民支援などの活動にも多く従事しています。こうしたグローバル化が加速する中で、グローバルな社会課題を解決する能力はますます必要とされることでしょう。

多様性を受容し他者と協働する能力

未来人材ビジョンの求める人材として、多様性を受容し他者と協働する能力が挙げられます。先述のようにグローバル化が顕著になっているこの世の中では、様々なバックグラウンドをもつ人々と一緒に仕事をする機会が多いでしょう。また、障がいを持つ人やLGBTQの人など近年ではこれまでマイノリティとされていた人々を広く受け入れる風潮がでてきました。こうしたことから、多様性の価値観を持ち協力できる人が仕事でも求められるようになっています。

未来人材ビジョンで浮彫りになった日本の抱える問題

日本の従業員エンゲージメント水準が低い

未来人材ビジョンで浮き彫りになった日本の抱える課題として、日本の従業員エンゲージメントが低いことが挙げられます。日本の従業員エンゲージメントは、世界全体の平均が20%であるのに対し、5%と最低水準になっています。また、現在の勤務先で働き続けたいという意欲のある人の割合も日本がかなり低く、52%となっています。これは、日本での職場環境が世界に比べて悪く仕事に対して高いモチベーションを維持できていないことを意味しています。残業の問題や労働環境の悪さが具体的な問題点と言えるでしょう。

働く意欲や転職意欲を持つ人が少ない

未来人材ビジョンで浮き彫りになった日本の抱える課題として、働く意欲や転職意欲を持つ人が少ないことが挙げられます。日本は転職や起業をしようと考える人の割合も低水準です。理由としては、日本は安定雇用を求める人が多く起業の考えに至りにくいことが挙げられます。安定して給料が支払われれば企業はどこでも良く、能動的に労働環境を変えようとする意欲がないなど総じて働く意欲がない状況だといえるでしょう。

企業と個人の間のスキルギャップがある

未来人材ビジョンで浮き彫りになった日本の抱える課題として、企業と個人の間のスキルギャップがある点が挙げられます。未来人材ビジョンのデータに基づくと、技術革新に必要なスキルと現在の従業員のスキルのギャップを感じる企業は4割以上です。3年から5年以内にギャップが顕在化すると考えている企業を含めると、8割以上の企業が、現在の従業員のスキルでは今後の業務に対応できないと考えています。今後国レベルで従業員がスキルを身に着けられる環境を整備していく必要があると言えます。

日本の国際競争力が低下している

未来人材ビジョンで浮き彫りになった日本の抱える課題として、日本の国際競争力が低下している点が挙げられます。日本の競争力ランキングは年々下落傾向にあります。2021年には中国に追い抜かれれてしまいました。また、海外に留学する日本人の数は減少し、海外で働きたい新入社員数が減っています。この要因として、日本の英語の教育レベルが依然低いことや円安による留学経験者の減少が考えられます。海外での若者の経験の多さが今後の国際競争力の向上につながるでしょう。

未来人材ビジョンに必要な取り組み

旧来の日本型雇用システムからの転換

未来人材ビジョンに必要な取り組みとして、旧来の日本型雇用システムからの転換が挙げられます。旧来の日本型雇用システムでは、企業が労働者を選ぶ立場にありました。つまり、企業が圧倒的にパワーがありました。今重要なのは、人的資本経営を推進し企業と労働者がお互いを選び、選ばれる関係への転換です。これによりお互いのミスマッチが減り、企業にとっても従業員にとってもWinWinな関係を構築し効率性も向上させることが可能です。

好きなことに夢中になれる教育への転換

未来人材ビジョンに必要な取り組みとして、好きなことに夢中になれる教育への転換が挙げられます。従来の教育は、同じ学年やクラスの中で画一的に知識を詰め込むタイプが中心でした。しかし、これからの時代に求められるのは画一的でない個性を伸ばでる教育でしょう。個々の子供たちが持つ多様性を受け入れ、好きなことに繰り返し挑戦し、成功体験を詰める教育環境を整備することが必要となります。それにより人材としての多様性や独創性が高まります。

未来人材ビジョンに必要な取り組みのための具体策

人的資本経営へ転換する

未来人材ビジョンに必要な取り組みのための具体策として、人的資本経営へ転換することが挙げられます。人的資本経営とは、人材を管理の対象となる人的資源として考えるのではなく、投資すべき資本と捉えて教育や育成などを行い、価値を高めて企業の成長につなげる経営戦略のことです。投資を促進することで人材がスキルや知見を蓄積させていき、成長につながります。個々の成長が企業の成長につながるのです。未来人材ビジョンが掲げる人材を育てるためには、人的資本経営にシフトすることが望まれています。

企業と個人が対等な関係を築く

未来人材ビジョンに必要な取り組みのための具体策として、企業と個人が対等な関係を築くことが挙げられます。日本ではこれまで、新卒一括採用されてから定年を迎えるまで、1つの企業内に個人を囲い込むような雇用コミュニティーが一般的でした。これはいわゆる終身雇用制度と言われています。これにより企業は個人より優位な立場におかれ、対等な関係を築けていませんでした。しかし、産業構造や雇用状況が大きく変わり、個人の価値観・ニーズも多様化してきています。これからは企業と個人がお互いに選び選ばる対等な関係構築が求められています。

年齢・場所・時間によらず自由に学べる環境作りをする

未来人材ビジョンに必要な取り組みのための具体策として、年齢・場所・時間によらず自由に学べる環境作りをすることが挙げられます。日本は社会人が学ぶという文化が薄く、それが産業の競争力を落としているということが言えます。今一度学ぶ環境を整備し、従業員誰もが学ぶ機会が与えられることが求められます。具体的には、社内にeラーニングツールを導入することや資格取得を奨励して書籍補助を出すなどが挙げられます。

デジタルを活用する

未来人材ビジョンに必要な取り組みのための具体策として、デジタルを活用することが挙げられます。仕事に必要な学習に時間をかけたいと思っていても、知識の習得に必要な教科学習に時間を割かざるをえないというのが、今の教育現場の課題です。そのような課題に対して、ITやデジタルの力による解決が考えられます。企業内にいつでも視聴可能な学習用のパソコン設備を整えることや、AI教材の導入などが考えられます。AIなども活用した先進的な学習方法を取り入れていくことで、教育現場や人事教育の部署の負担軽減と効率化が図れることが期待されます。

まとめ

未来人材ビジョンの指針や取り組みを理解し企業で実践しよう

このように、未来人材ビジョンでは、社会の流れが劇的に変化していることと同時に日本がその流れについていけていない状況を説明しています。また、その施策としていくつかの具体的な施策についても検討されています。こうした国の指針をしっかりと把握し、これからの時代に備えた企業の基盤づくりを進めていきましょう。最後までお読みいただきありがとうございます。

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