アスリートにとって重要なデュアルキャリアとは?【メリット・デメリットや企業においての考え方などを紹介します】

記事更新日:2025年05月27日 初回公開日:2025年05月27日

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スポーツに打ち込んできたアスリートが抱える問題として、引退後のキャリアがあります。多くのアスリートが抱えるこの不安に対して、注目されているのがデュアルキャリアという考え方です。競技生活をおくりながら、学びや仕事をつじて社会人としての力も育てることは、アスリートと企業どちらの立場にとってもプラスに働くでしょう。また、デュアルキャリア支援を取り入れることは多様性を尊重する企業文化を育み、社会貢献に繋がります。本記事では、デュアルキャリアのメリットや企業にとっての考え方などを紹介します。

デュアルキャリアとは

アスリートがスポーツを行いながら1人の社会人として仕事を行うこと

デュアルキャリアとは、アスリートがスポーツを行いながら、1人の社会人として働く生き方です。プロのアスリートが一般的な社会人の定年である65歳まで活躍することは難しいことから、引退度のキャリアが懸念されていることから、注目されています。現役中からビジネス経験を積むことによって、引退後の不安を軽減し、経済的安定や社会スキルの習得を可能にします。近年、多くの企業がアスリートのデュアルキャリアを支援しており、スポーツと仕事の両立が新たなスタンダードとなりつつあります。

デュアルキャリアとセカンドキャリアの違い

セカンドキャリアは第二の人生における職業を意味する

デュアルキャリアと似ている言葉として、セカンドキャリアというものがあります。セカンドキャリアとは、第二の人生における職業を意味しています。主に、定年後のキャリアや出産・育児後の女性における社会復帰などのことを指していますが、アスリート選手の引退後におけるキャリアも含まれています。セカンドキャリアでは、引退した後に次のキャリアについて考えますが、デュアルキャリアは現役の頃から別のキャリアの道に進んでいます。

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デュアルキャリアが必要とされている理由

引退後の仕事や生活に対する問題を解決するため

引退後の仕事や生活に対する問題を解決することはデュアルキャリアが注目されている理由であると考えられています。アスリートとしてのキャリアは、多くの場合、他の職業に比べて短いため、若いうちに競技を引退しその後の人生をどう生きていくかという問題は、多くの選手が直面する大きな課題です。スポーツの現場で得た経験やスキルを、次のステージでも活かせるようにすることが、アスリートにとっても、社会にとっても大きなメリットとなります。

社会や国民のロールモデルとなるような人材育成のため

社会や国民のロールモデルとなる人材育成に寄与する点もデュアルキャリアが注目されている理由です。アスリートはその強さや努力の姿勢から、多くの人に影響を与える存在です。そんな彼らが、競技の枠を越えて学びや仕事にも真剣に取り組む姿を見せることで、社会全体に良い刺激を与えることができます。デュアルキャリアを通じて育ったアスリートは、多面的な視野を持ち、次世代に夢や希望を与える「ロールモデル」としての役割を果たせるようになります。

デュアルキャリアのメリット

スポーツ以外の分野でのキャリアを築ける

​デュアルキャリアを選択することで、1人の社会人としてのキャリアを築くことができます。​これにより、ビジネススキルや専門知識を習得することが可能であり、アスリートの道をお得だ場合でも将来に対する心配や不安を軽減させることができます。また、デュアルキャリアは企業と契約を結んでいるわけではないため、アスリート人生に関わる怪我などが合った場合にも仕事における待遇には影響せず専念できることがメリットです。

経済的な不安を軽減できる

また、デュアルキャリアは経済的な不安を軽減する効果もあります。例えば、会社員として仕事を行うことで、企業から給与が得られることは、一定数の収入を確保することに繋がり、不安を解消できます。​競技生活中に安定した収入源を確保することで、生活基盤を安定させ、競技に集中できる環境を整えることができます。​仕事を通じて得た給与は、協議を行うために必要な資金源となります。さらに、引退後の生活設計も容易になり、将来への安心感が得られます。 ​

スポーツ選手としての経験を活かすことができる

デュアルキャリアはスポーツ選手としての経験を活かすことができる点もメリットと言えます。スポーツ選手は競技で培った努力や忍耐力、チームワーク、目標達成力といったスキルを社会で活かすことができます。このような経験はビジネスの現場でも高く評価されやすいことから、組織に新たな価値をもたらします。競技生活だけでは得られない視野を広げることで、引退後も自信を持ってキャリアに挑戦できる点もメリットと言えるでしょう。

キャリアのリスク分散ができる

キャリアのリスク分散にも寄与する点もデュアルキャリアのメリットです。​アスリートとして成功する人はごく僅かであり、すべてのアスリートが活躍できるわけではないことから経済的に生活が苦しくなる可能性があります。また、スポーツ選手は怪我や成績不振など、予期せぬ理由で競技生活が終わってしまうリスクなども考えられます。​しかし、並行して別のキャリアを築いておくことで、そうしたリスクに備え、安定した将来を確保することができます。

デュアルキャリアのデメリット

時間の使い方が難しくなる

デュアルキャリアのデメリットのひとつは、限られた時間をどう使うかという点が難しいことです。競技のトレーニングや試合に加えて、学業や職業活動にも力を入れなければならず、心身ともに大きな負担を抱えることになります。時間の使い方を誤れば、どちらにも全力を注げず、成果が中途半端になってしまう恐れもあります。競技と職務の両立において、バランスのとれた生活を実現するには、個人の自己管理能力に加え、周囲の理解と支援が不可欠となります。

支援体制が不十分である

支援体制が未だ不十分である点もデュアルキャリアのデメリットです。デュアルキャリアを実現しようとするアスリートに対し、まだまだ社会全体としての支援体制は十分とは言えません。柔軟な学習環境や働き方、専門的なキャリア相談などの仕組みが整っていないと、選手は孤立し、モチベーションを失う可能性もあります。環境づくりが進まなければ、「挑戦したくてもできない」アスリートが増えてしまいます。制度やサポート体制の充実が、今後ますます求められます。

デュアルキャリアに対する認知や理解がまだ十分に進んでいない

デュアルキャリアに対する認知や理解がまだ十分に進んでいない点もデメリットであると考えられています。デュアルキャリアという言葉や考え方は、まだ社会全体に浸透しているとは言えません。特に、競技を最優先とする文化が根強い中では、「競技以外に力を入れること」がネガティブに捉えられる場面もあります。周囲の理解が得られないことで、アスリート自身も葛藤を抱えることがあるのです。この課題を乗り越えるには、関係者や教育機関、企業が一体となって、デュアルキャリアの価値を広く発信していく必要があります。

デュアルキャリアにおける企業での考え方

多様性組織の構築

企業でのデュアルキャリアへの考え方として、多様性組織を構築することを意識しましょう。企業にとって、デュアルキャリアを支援することは多様性のある組織づくりに直結します。競技で培った精神力やチームワーク力を持つアスリートが加わることで、組織の中に新しい価値観や視点が生まれます。多様なバックグラウンドを持つ人材が共に働く環境は、イノベーションを促し、企業全体の成長にもつながります。単なる人材確保を超えて、企業文化そのものを豊かにすることが重要です。

柔軟な働き方の推進

企業では、柔軟な働き方を推進していく考え方も重要であると考えられます。デュアルキャリアを支援するには、従来型の「フルタイム勤務」にとらわれない柔軟な働き方が求められます。リモートワークやフレックスタイム制度、副業・兼業の容認など、アスリートが競技と仕事を両立できる環境整備が重要です。こうした柔軟な制度は、アスリートに限らずすべての従業員にとって働きやすい環境を生み、結果として企業の競争力向上にも貢献するのです。

地域貢献

企業が、デュアルキャリアを取り入れ、支援体制を作ることは、地域貢献にもつながります。アスリートは地域のシンボル的な存在にもなり得ます。企業がデュアルキャリア支援を通じてアスリートを受け入れることは、地域社会とのつながりを強めるきっかけにもなります。地元イベントやスポーツ教室への参加、地域振興プロジェクトへの貢献など、アスリートの活躍は企業の地域貢献活動に新たな可能性をもたらします。社会に根差した企業づくりにおいて、デュアルキャリア支援は非常に有効なアプローチとなるのです。

デュアルキャリアの事例

株式会社ワイズ

デュアルキャリアを導入している企業として、株式会社ワイズがあります。株式会社ワイズは、脳梗塞リハビリセンターという病院の退院後のリハビリを希望する患者を対象とした、病院でもデイサービスでもない新しい施設を全国に展開しています。患者のリハビリを完全にマンツーマンで行う体制をとっており、様々な現役アスリートを運動トレーナーとして雇用しています。そのため、デュアルキャリアを導入し支援しており、陸上競技やバスケットボール、チアリーディングなど数多くの現役アスリートが働いています。

バリュエンスホールディングス

バリュエンスホールディングスもデュアルキャリアを取り入れている企業です。バリュエンスホールディングスは、バッグなどのブランド品や貴金属、骨董品、美術品を買い取っており、様々な販売経路を通じて販売を行なっているリユース会社です。「大切なことにフォーカスして生きる人を増やすこと」を目標とし、その取り組みの一環として、アスリートのデュアルキャリア採用を開始しました。採用しているアスリートとしては、サッカー選手やバスケットボール選手など多岐に渡り、

日本オリンピック委員会

日本オリンピック委員会では、アスナビを運営してデュアルキャリアにおけるサポートを行っています。アスナビは、日本オリンピック委員会や日本パラリンピック委員会が認定したアスリート選手が主に登録をしており、アスリートを採用する企業に対しても、選手の応援の仕方や入社に向けた準備方法などのサポートを行っています。また、現役を引退し、次のキャリアへと移行しようとしているアスリート向けにアスナビNEXTというものも運営しており、現役のうちから将来のキャリアについて考え、カウンセリングなども実施しています。

まとめ

デュアルキャリア採用で企業の競争力向上に繋げよう

デュアルキャリアは、アスリート個人の未来を切り拓くだけでなく、受け入れる企業や社会に新しい可能性をもたらしてくれます。競技と仕事、二つの舞台で成長する彼らの姿は、多様な働き方を認め合う社会づくりにもつながるはずです。デュアルキャリアを行うことで、安定したい収入を得たり、スポーツ経験を通じて得た経験を仕事に活かしたりするメリットがある一方、時間の使い方が難しくなるデメリットなども生じます。これらの特性を理解した上で、企業の魅力を高めるためにも導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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