記事更新日:2025年02月13日 | 初回公開日:2025年02月13日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報可処分時間とは睡眠や仕事など、生活する上で必ず必要な時間を差し引いた個人が自由に使える時間のことで、近年注目されています。企業は人々の所得があまり伸びない現在、自社のサービスや商品を消費者の可処分時間に売り込もうと激しく競争をしています。ネットやスマートフォンの普及でその傾向はさらに強まっています。最近ではある政党が、可処分時間の確保を目的とした法律の制定を公約に掲げており様々な分野で話題となっています。
2021年に行われた総務省の調査によると、日本人の可処分時間は6時間強となっています。この調査によると可処分時間の中で人々が多く費やしたのは、テレビ(ラジオ)や新聞(雑誌)の閲覧で2時間8分でした。次いで休養やくつろぎの時間が1時間57分でした。つまり可処分時間、6時間強のうち4時間ほどをメディアに目を通したり休養やくつろぎに使っているのです。この一日の4分の1にあたる可処分時間をどのように過ごすか、人々が興味を寄せていてその使い道を模索しています。
近年では、リモートワークによって可処分時間が増加する傾向にあります。総務省の調査によると、リモートワークをしている人達はしていない人達より、通勤通学時間が短く、睡眠時間と趣味や娯楽の時間が長いという結果が出ています。このような結果をみると、可処分時間が長いリモートワークの方がいいじゃないかという人もいるかもしれません。ですが、ある研究では可処分時間が長すぎると不幸に感じる人が増えるという結果がでています。このことから、可処分時間の長短は人生の幸福度を測る絶対の物差しではないということがわかります。
近年、時間の浪費を防ぐために可処分時間の有意義な過ごし方が模索されています。必要のない会議を減らしたり、テレワークを導入するといった生産性を向上させる取り組みは可処分時間を増やし、企業と従業員双方に利益をもたらすでしょう。実際にある企業は、従業員の可処分時間を増やす取り組みをしています。コアタイムが無いフレックスタイムの導入やテレワークの導入によって通勤時間の短縮や、ストレス軽減で生産性が向上し残業時間の減少が報告がされています。
可処分所得は所得のうち自分が自由に使えるお金のことです。所得が税込で、可処分所得が各種税金や社会保険料を差し引いた後の手取りの収入と言えるでしょう。可処分所得の時間版が可処分時間といえます。近年、大企業を中心に年4〜5%賃金が上昇していますが、物価の上昇や社会保険料の負担増の影響で可処分所得が大きく増えているとは言えません。また社会保険料の負担増なども現役世代には重荷になっています。企業が可処分時間に注目しているのは、所得の頭打ちの影響があります。
可処分時間が重要視される理由として、デジタル化による時間の消費先の変化があげられます。インターネットの普及により、Web上で商品やサービスを売る企業が増えました。スマートフォンの登場以降その傾向は顕著になり、動画配信サービスやスマホゲームアプリなどユーザーがいかに可処分時間を、自社のサービスに使ってくれるかが重要になったのです。巨大IT企業はプラットフォーム上の手数料で莫大な利益をあげていて、事業の大小を問わず可処分時間が重要になったのです。
顧客に有意義な時間を使ってもらうことが重要になったことで、可処分時間はより注目されるようになりました、高度成長期のように所得がどんどん増えていく時代ではなくなり、時間を消費してもらうことが重要になったのです。例えば魅力的なコンテンツでサイトに長く滞在してもらい、商品やサービスを買ってもらうなど多くの企業が限られた時間を獲得するために躍起になっています。顧客が時間を使っても惜しくないと感じることが大事になったのです。
可処分時間を自社のコンテンツに使ってもらおうと競争は激化するばかりです。コロナ禍で家で過ごす時間が増えて、ネット上のコンテンツに消費者が触れる機会が増えました。インフルエンサーに商品の紹介をしてもらう、動画の再生直後や合間に短いCMを入れるなど各社あの手この手です。近年では低予算でユーザーにゲーム内課金してもらおうと、品質が粗悪なゲームをリリースし炎上するケースも増えています。可処分時間の奪い合いは必ずしもユーザーにいい結果を生みません。
複数のことを同時にこなすこといわゆる「ながら」作業による可処分時間の効率化は現代の特徴でしょう。ランニングをしながら音楽や音声朗読アプリを楽しんだり、家事をしながら動画配信でドラマ鑑賞など、ながら作業はビジネスチャンスと言えるでしょう。ただ、ながら作業は集中力の低下を招き、達成感が得られにくいという研究結果が報告されていて、問題も指摘されています。歩きスマホなどが問題視されていますが、ながら作業による事故は防ぎたいものです。
「倍速視聴」や「ショート動画」は可処分時間の消費に効率化を求める人々のニーズに応えています。スキマ時間に楽しめるショート動画や、1.2倍や1.5倍の再生速度で動画を視聴する倍速視聴は主に若い世代で好まれています。これは職場や学校で話題になっているものを、情報だけでも押さえておきたいが消費時間は短縮したいという需要があるからです。その一方自分が応援しているアイドルのライブやオリンピックといった、世の中やその人にとって特別な価値をもった動画は倍速視聴をしない傾向にあります。すべてのコンテンツで効率化が求められているわけではありません。
可処分時間をSNSなどで消費するのは現代人の特徴でしょう。XやInstagramといったSNSは現代の娯楽で最もメジャーなもので、可処分時間の大半をSNSの使用で消費しているという人も多いのではないでしょうか。スマホの設定で使用時間を制限するなどの工夫が必要です。可処分時間を消費するのではなく、自己投資に回して人生を豊かにする視点が必要です。世の中がどうなっているかではなく、自分がどうするのかと視点を変えて可処分時間の過ごし方を考えましょう。
可処分時間を、勉強など自己成長につながる行為に費やしたい人も多いようです。クラウドソーシングサイトが行った調査によると、フリーランスになって可処分時間が増えた人は6割を超えています。増えた可処分時間の使い道で最も多かったのが自己投資で次に多かったのは家族と過ごす時間でした。これは多くの人が、増えた可処分時間を有効活用したいと考えている結果と言えるでしょう。勉強など自己成長につながる行為は、豊かさやさらなる時間的なゆとりをもたらしてくれます。
筋力トレーニングなどの自分磨きも自己投資です。体は資本といいますが、健康でなければ有意義な時間を過ごせません。筋力トレーニングは体力の向上はもちろん、集中力の強化など生産性を上げて、仕事や健康にいい影響を与えます。筋力トレーニングによるダイエット効果も無視できません。筋力トレーニングやバランスのとれた食事による容姿の変化は自己肯定感を高める効果があり、自分磨きをすることは可処分時間の有効活用といえるでしょう。内面だけでなく、外見を意識して可処分時間を消費するのもいいでしょう。
スキルアップによる所得の増加は、可処分時間を投資に回すメリットです。スキルアップすれば、希望条件を満たす転職先が見つかる可能性が高まり、結果として可処分所得が増加します。資格の取得のための勉強や転職エージェントへ登録するなど、有効に可処分時間を使いましょう。転職先の企業が通勤距離が短いと、より可処分時間が増え更なる自己投資が期待できます。副業を始めてスキルアップして人材として差別化をはかり、収入を増やす方法もあります。副業は所得の増加だけでなく独立など、キャリアの選択肢を増やすので積極的に検討してみましょう。
自信がつくのは可処分時間を自己投資に回すメリットと言えるでしょう。勉強や筋力トレーニングを積み重ねて、着実に変わっていく自分を実感することで自信がつきます。重要なのは明確な目標をもち、細かなゴールを設定してモチベーションを維持して、他人と比較せず自分に合ったペースで自己研鑽に取り組むことです。このような可処分時間の自己投資は応用ができて、仕事とプライベートに良い結果をもたらしてくれるでしょう。日々の成長を実感しながら、明確な目的意識をもつことが重要です。
時間やお金を有効に使用できるのも、自己投資のメリットといえるでしょう。時間とお金を有効に使うということは漫然と過ごさずメリハリを持って生活することです。自己投資の時間はしっかり集中して取り組み、休養やくつろぐ時間はリラックスして過ごすなど、時間やお金を浪費するのではなく、高い目的意識をもって生活することです。ただ無理は続かないので、何かに取り組んだらご褒美を設定しましょう。自分へのご褒美は自己投資のモチベーションの維持につながります。
可処分時間を自己投資に回すとキャリア形成に良い影響があります。仕事の課題や改善策の発見による生産性の向上や、意識的に休息をとることの心身の回復などが期待できます。可処分時間を自己投資に回すというのは、有限のリソースをどう活用するかということです。限られたリソースをどう使うかはどんな仕事でも重要なことです。結果をだして、よりよいキャリア形成をするため生活を見直して可処分時間の把握と捻出をしましょう。可処分時間の使い方を見直すとキャリア形成に変化と成長をもたらします。
可処分時間を有効に使い、充実した人生を実現しましょう。睡眠や労働など生きていくための時間を削るのは現実的とは言えず、長続きせず健康を損なったり、人生の質を落としてしまいます。生活に必要な時間以外の自由に使える時間を有効活用するのが継続して自己投資する最も現実的な方法です。継続的な自己投資はキャリアアップや所得の増加など、人生を豊かにしてくれます。この記事では可処分時間を有効活用するメリットや方法についてまとめました。時間という限られたリソースを有意義に使い、充実したキャリアを歩んでいきましょう。
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