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ケーススタディ‐それぞれの言い分 的確な指示とはどんなことでしょうか?

記事更新日:2017年12月04日 外国人を採用するために

あなたは仕事の現場で外国人に対して「もう少し工夫してみて」と指示していませんか?ちょっと待って!!その言葉は外国人に伝わるかどうか一度考えてみてください。言葉が全ての人たちと円滑に業務を遂行させるために重要な事とはどんなことでしょうか。

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私たちがした指示は何がいけなかったのでしょうか?!

「工夫」だけでは伝わらない?

 私は都内の主に外国製の日用品雑貨を取り扱う小売業界で働く田中明日香です。働き始めて7年目になり副店長を努めています。都内では外国人のお客様も日常的に多く、弊社でも3年程前から積極的に外国人の雇用に力を入れています。私が働く店舗は今年の夏に新しく立ち上がった新規店舗の為、オープンに合わせて新しく日本人スタッフ5名と外国人スタッフを3名採用しました。弊社では日用雑貨をただ販売するだけではなく実演販売やワークショップなども定期的に店舗で行っていることが他社との違いであり「売り」です。私はオープン以降参加者数が伸び悩んでいるこのワークショップの企画を、外国人スタッフのAさんに担当をお願いしました。Aさんは日頃から業務においてたくさんの意見を述べてくれますので、店長と私でAさんが適任者だと判断しました。Aさんを呼んで「ワークショップの1ヶ月の開催スケジュールをオープン以降来場者が多い時間の回は残し、その他の時間帯をお客様の立場になって参加しやすいタイムスケジュールを工夫して作ってみてください。」と伝えました。

 Aさんは「はい。わかりました。」と返事をしてその4日後には1ヶ月の開催スケジュールを提出してくれました。提出されたスケジュールを見て店長と私は驚きました。そこにはなんと残してほしいと伝えた「来場者が多い時間の回」と「もう1つ別の時間の回」だけしか載っていないスケジュールでした。つまり開催時間は1ヶ月の内に2パターンしか無かったのです。

 Aさんを呼んで、「2つのパターンでしか開催時間が無ければお客様にとって選択できる数が少ないと思いませんか?!お客様の中には家族がいる方や独身の方、平日お休みの方もいれば土日がお休みの方もいる中で、ある程度バランスの取れたスケジュールにする必要があります。」と伝えました。すると、Aさんはみるみるうちに不機嫌になりました。

私は指示通り仕事をしただけなのに何で怒られなければいけないの?!

何で最初にそこまでの指示を言ってくれなかったの?!

 私はアメリカ出身のレイチェルです。来日3年目になります。アメリカの大学卒業後日本に来ました。日本文化が大好きで来日後は日本語の語学学校へ入学し半年前に「日本語能力試験1級」を取得しました。今年の7月から都内の日用品雑貨を取り扱うお店で働いています。憧れの東京で大好きな雑貨に囲まれて、大学時代に習ったマーケティングの知識を活かせたらと、とてもワクワクしています。

 先日困った事が起きました。職場でお客様向けの雑貨を使用したワークショップの1ヶ月のスケジュールを作成するように言われたので急いで作成したところ、タイムスケジュールの大幅な変更があったのです。しかも、その変更が生じたのは私が原因だと言うのです。作成してほしい時間帯があったのならば初めから、平日はこの時間からこの時間の間で何回、土日はこの時間からこの時間で何回作って欲しいなどの指示を出してくれていたら会社の希望通りのスケジュールを作成することが出来ました。これでは時間の無駄ですから次回からはより具体的な指示が出るまでは業務に取り掛からないことに決めました。しかし、この私の意見をお話したら私の上司は困った様な表情をしていました。私は何か間違った事をしたのでしょうか?!全く理解できませんでした。

日本人同士の会話は外国人からすると「もはやミステリー!?」

知らなかった日本語の曖昧さ。

ここで再度、田中明日香さんと店長がレイチェルさんに指示した言葉を振り返ってみましょう。

 田中明日香さんと店長はAさんを呼んで「ワークショップの1ヶ月の開催スケジュールをオープン以降来場者が多い時間の回は残し、その他の時間帯をお客様の立場になって参加しやすいタイムスケジュールを工夫して作ってみてください。」と伝えました。

 日本人の方への指示でしたら、これで充分だと言えるでしょう。なぜならば、日本はハイコンテキストの文化ですので、この指示の中には「お客様の立場になって」と「参加しやすいタイムスケジュールを工夫して」と2つの考えるヒントと会社の意向を伝えておりますし、求めている答えはたくさんの方法があると想像できます。この想像こそが「ハイコンテキストの文化」です。日本人の皆さん、この指示の中には想像するには充分な情報があるとは思いませんか?!

では一方、外国人の方への指示だとしたらこれでは少し不充分なのかもしれません。

「工夫する」を国語辞典と英英辞典それぞれで引いてみましょう。諸説あると思いますが「工夫する」は英語でdeviseです。

国語辞典:良い方法や手段をみつけようとして、考えをめぐらすこと。また、その方法や手段。

例文「新しい方法を工夫する」

例文「まだ工夫が足りないようだ。」

英英辞典:to plan or invent a new way of doing something

例文「She devised a method for quicker communications between offices.」

(直訳)彼女はオフィスでのより迅速なコミュニケーションの方法を工夫しました。

例文「She devised a method for taking out stains easily.」

(直訳)彼女は簡単なしみ抜きの方法を工夫しました(考えました)

 意味は同じ事を説明していますが、ここでは「例文」に注目してください。英文では必ず「何をどのように」工夫するのか具体的な目的語が書かれているのに対して、日本語の文章は至ってシンプルです。英文では、Sー主語、Vー動詞、(Cー補語、)Oー目的語がありますが、日本語の文章にはCー補語、Oー目的語が抜けていることが多く、時にはSー主語さえも無い場合があります。

 田中明日香さんと店長は前後の文章で何をどんな視点で工夫してほしいかを伝えてはいますが、タイムスケジュールを「どのように(Oー目的語)」工夫したら良いのか具体的な指示まではしていませんでした。この文章構成のズレが認識のズレを発生させていました。外国人と働く日本人は、日本語がどれだけ彼らにとって曖昧な表現で会話をしているのかを自覚する必要はあります。

 しかし、レイチェルさんが正しいわけではありません。この舞台は「日本」です。日本で働く以上、日本の文化に合わせる必要があります。社内・社外問わず「日本の文化」に合わせなければなりません。なぜならば舞台が日本の為お客様も日本人が多いからです。お客様との会話では自国の常識を押し付けられません。そんなことをしたらお客様は怒ってしまいます。どれだけこの日本人の感覚に近づけられるかが、今後日本で働きキャリアアップできるかどうかの鍵となることでしょう。

 いかがでしたか?もしかしたら外国人労働者だけに限られた話でもないですよね。新人教育にも併せて、事前にどんな点に注意して何をどのように説明したら良いのか?少しでも役に立てたらと思います。

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    この記事を書いた人

    佐多 由梨(さた ゆり)

    1981年生まれ。神奈川県出身。日本企業にて総務・人事部門で10年ほど勤務後、現在のグローバル企業の同部門マネージャーとして働いている。人事・教育担当としての経験と学生時代から活動していた国際交流や言語学習で培った経験を活かして、これからのグローバル社会において企業側が心得ておくことや、どのように人材開発したら良いかのポイントを発信している。

    HP:Spectrum