特定技能「農業」とは?【派遣で受け入れは可能?・試験内容】

記事更新日:2020年07月30日 初回公開日:2020年07月23日

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人手不足を感じている農業者の方はいませんか。特定技能「農業」を利用すれば最大5年間外国人労働者を雇用することができます。そもそも特定技能とは外国人が日本で住み生活するために必要な在留資格の一種。国内で労働者を確保することが難しい業界は特定技能枠で外国人を雇用できることになっています。特定技能「農業」は新しく創設された分野ということもあり、特定技能「農業」を利用して外国人を雇用できることを知らない農業者の方もいるのではないでしょうか。今回は特定技能「農業」の概要や特定技能「農業」を利用できる条件など詳しくお話ししていきます。

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特定技能「農業」とは

14分野での就労を可能とする新たな在留資格

平成31年4月1日より人手不足が深刻な14の分野に限り、単純労働を許可する特定活動という在留資格がスタートしました。特定技能は国内の人材だけでは人手が足りず、外国人を雇用することにより人材の確保をする目的で作られた在留資格のこと。特定技能は特定の分野のみで利用することができます。農業は14分野の一つとして特定技能ビザでの就労が許可されました。現在指定されている14分野は、介護や建設、自動車整備、外食業など様々な種類があります。

特定技能第1号での受け入れのみ

特定技能「農業」は特定技能第1号のみで受け入れられています。特定技能には第1号と第2号の2種類に分類され、対象となる業種も異なります。特定技能第1号は特定産業分野に関する相当程度の経験や知識を必要とし、特定技能第2号は特定産業分野に関する熟練した技能を必要とします。そのため特定技能第2号で働くよりも特定技能第1号で働く方がハードルは低いと言えるでしょう。特定技能「農業」は特定技能の中でも第1種に分類される分野。外国人にとっても比較的就労しやすく、農業者側も外国人を雇いやすい分野であると言えるでしょう。

新たな在留資格「特定技能」が制定された背景

新しい在留資格である特定技能「農業」が制定された背景には、近年深刻な人手不足が進み外国人労働者に頼らざるを得ない状況になってきたことが関係しています。日本は少子高齢化による労働人口の減少が問題視されています。令和元年の全職種平均有効求人倍率は1.60倍。160人の求人募集をかけても100人しか求職者が集まらないという結果が出ました。このことからも日本の産業全体が人手不足に陥っていると言えるでしょう。その中でも特に農業分野は人手不足が深刻化しています。農業分野は若者の定着率が低いこともあり、外国人労働者を雇用せざるを得なくなっているのでしょう。

日本の農業の現状

農業従事者の減少と高齢化

日本の農業は農業従事者の減少と農業従事者の高齢化が問題となっています。農林水産省が行った調査によると、平成31年時点の農業就業人口は168万人。平成22年は農業就業人口が260万人もいたのに対し、100万人もの農業就業者が離農していることが分かりました。また平成22年に比べ現在は65歳以上の農業就業者の割合が増え、農業就業者の平均年齢も上昇傾向にあることが判明。この結果からも日本の農業は衰退していると言えるでしょう。農業は天候による影響を受けやすい点や近年価格が安い農産物が輸入されていることもあり、なかなか収入が安定しないことも農業従事者の減少につながっているのかもしれません。

食料自給率の低下

日本の農業の問題点として食料自給率の低下もあげられるでしょう。農林水産省の調査によると、平成30年度の日本の食料自給率は37%であることが分かりました。この結果により、現時点では63%を輸入に頼っていると言えるでしょう。安い価格で農作物を購入できることは国民にとってメリットに感じるかもしれません。しかし現在国内で出回っている農作物の過半数以上を外国に依存していると考えると、今後も安定して食料を確保できるのかという問題が出てきます。世界的に見ても日本のようにほとんどの食品を海外に頼っているのはごく稀なこと。食の安定を確保するためにも、国は令和12年度までに食料自給率を45%まで引き上げたいと考えています。

TPP締結による外国産農産物との市場競争が激化

日本の農業の問題点として、TPPの締結により外国産の農産物との市場競争が激化していることもあげられるでしょう。TPPとは加盟国間の関税を90%撤廃し自由な貿易を目指すために発足された協定のことで、現在日本も加盟しています。しかしTPPはメリットばかりではなく、特に日本の農業には大きな影響を与えると考えられています。TPP締結により市場には安い外国産の農産物が出回るようになりました。その結果、日本の農家は商品を生産しても市場で選ばれないことが多くなり、せっかくの商品を大量に廃棄している農家が増えているのも現状です。日本は個人で営んでいる農家が多く、売り上げの悪化により廃業にせざるを得ない人が増えていると考えられるでしょう。

特定技能「農業」の目的

人手不足の解消

特定技能「農業」が新しく創設された目的には人手不足の解消があるでしょう。農林水産省が行った調査によると、農畜産業分野の有効求人倍率は全産業平均の有効求人倍率を上回っていることが分かりました。また直近の雇用農業者数はここ10年の伸び率から見込まれる人数に到達していないことも分かりました。このことからも現在の日本の農業は人手不足が深刻化し、現時点では今後も日本の農家が増えることは難しいと推測できるでしょう。そこで特定技能「農業」を活用し日本の農業の活性化を図ろうと考え、特定技能「農業」という新しい在留資格が生まれました。

日本の農業の永続的な発展のため

特定技能「農業」が新しく創設されたのは、日本の農業の永続的な発展のためでもあるでしょう。これまでお話ししたように農業従事者の人口不足や農業従事者の高齢化により、日本の農業は衰退しています。このままでは離農する農家も増え続け、これまで蓄積された農業に関する知識も失われてしまうことでしょう。そこで特定技能「農業」を創設し外国人労働者を雇い入れることで、日本の農業の衰退化に歯止めをかけようとしています。現在はグローバル社会。今後は日本の農家も世界で戦うことが求められるでしょう。外国人労働者を雇うことで日本の農業のグローバル化にもつながっていくかもしれません。

特定技能「農業」で受け入れ可能な人材

特定技能第1号のみ

最長5年間の勤務が可能

特定技能「農業」で受け入れられる外国人は特定技能第1号の人で、最長5年間勤務可能です。冒頭でもお話ししたように特定技能「農業」を利用できるのは、在留資格である特定技能第1号の人のみ。特定技能第1号に分類される外国人の在留期間は通算で5年を限度としています。そのため特定技能「農業」を利用すれば最長でも5年間は外国人を雇うことができます。1つの品種だけでなく多くの品種を生産している農家の方もいるかもしれません。最長でも5年間雇うことができるとなると、長い目で見て農業に関する知識を教えながら雇用することができるでしょう。

技能実習2号からの移行

特定技能「農業」では技能実習2号から移行した外国人も受け入れることができます。技能実習制度とは外国人が日本の企業で働きながら仕事に関する知識や技術を身に付け、最終的に母国の発展のために活かす目的で創設された制度のこと。この技能実習制度を利用し技能実習2号を無事修了することができた外国人は、技能実習枠から特定技能枠に移行して在留資格を取得することができます。特定技能「農業」を利用しても人手が足りないと悩んでいる農業従事者の方もいるかもしれません。技能実習2号修了者を受け入れることも人手を増やす手段になることを知っておきましょう。

特定技能「農業」で外国人材を受け入れる方法

農業者が受け入れ機関として直接受け入れる方法

特定技能「農業」を利用し外国人を受け入れる方法の1つに、農業者が受け入れ機関として直接外国人受け入れる方法があります。特定技能「農業」を活用し直接外国人を雇う場合は、いくつかの条件をクリアしなければなりません。その中でも特に重要になるのが、農業特定技能競技会への加入と過去5年間の間に6ヶ月以上継続して労働者を雇用した経験があるかの2点です。外国人を受け入れた後4ヶ月以内に農業特定技能競技会に加入していなければ受け入れ機関として認められません。特定技能「農業」を利用して直接外国人を雇いたいと考えている農業従事者の方は、農業特定技能競技会への加入を忘れず行いましょう。

派遣会社が受け入れ機関となり派遣してもらう

特定技能「農業」を利用して外国人を受け入れる方法の1つに、派遣会社が受け入れ機関となり外国人を派遣してもらう方法もあります。これは農業者が派遣先となり、派遣元である労働者派遣事業者との間で労働者派遣契約を行って外国人を雇う方法です。一時的に人手が足りないものの繁忙期と閑散期があるため長期間外国人を雇えないと考えている農業従事者の方もいるかもしれません。そのような場合は派遣形態で一時的に外国人を雇うことによって人手不足を解消することができます。派遣先となる農業者にもいくつか要件があるので農林水産省のホームページをよく見て確認しておきましょう。

特定技能「農業」で外国人材を受け入れる際の留意点

受入れ分野に関する相当程度の知識・経験を必要とする技能を有している必要

特定技能「農業」を利用して人材を受け入れる際は、受け入れ分野に関する相当程度の知識または経験を必要とする技能を有している外国人でなければ雇用することはできません。雇用する側だけでなく、雇用される側の外国人も一定の基準に達していなければ特定技能「農業」を利用することはできないとされています。具体的には農業技能試験に合格する必要があるでしょう。農業技能試験は耕種農業全般と畜産農業全般の2種類に分類されます。また農業技能試験は日本語能力を問う問題も出題されるため、農業技能試験に合格した外国人はある程度の日本語力も身に付けていると考えていいでしょう。

報酬について

日本人が同等の業務に従事する場合の報酬額と同等以上

特定技能「農業」を利用して外国人を雇用する際、外国人労働者に支払う報酬額は日本人が同等の業務に従事する場合の報酬額以上でなければいけません。外国国籍の労働者だからといって不当な扱いをすることは固く禁じられています。外国人労働者の報酬額を決定する際は、これまでの経歴や取得している資格など様々な面を見て決定しましょう。また賃金だけでなく福利厚生や手当に関しても日本人労働者と同様に外国人労働者にも付与しなければなりません。外国人を雇用したいと考えている農業者は、外国人労働者も日本人労働者と同等に働きやすい環境整備をしていくよう心がけましょう。

これを機に特定技能「農業」の人材受け入れを考えてみてはいかがでしょうか

今後も人手不足が続いていくと予想される日本の農業。このままでは日本の農業技術はどんどん失われ、離農してしまう農家が増えていくことでしょう。そこで人手不足による離農を防ぐべく、農業者から注目を集めるようになったのが特定技能「農業」。実際に特定技能「農業」を利用し外国人労働者を雇用した農業者の中には、人手不足の解消はもちろん、売り上げが大幅に伸びたという人もいるようです。日本で住みたいと考え、特定技能「農業」を利用している外国人は仕事に対する熱意があることも多いです。日本人労働者だけに視野を狭めるのではなく、日本で働きたいと考えている外国人の受け入れを考えてみてはいかがでしょうか。

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