記事更新日:2021年12月21日 | 初回公開日:2021年11月17日
人事・労務お役立ち情報 外国人採用・雇用 用語集中堅社員とは、主に入社3年目以降の役職についていない社員を指しています。一般的には、新人や若手と呼ばれる入社1年目から3年目の社員と管理職の間のポジションにいる社員が中堅社員と呼ばれています。ただし中堅社員の定義は様々で、社歴で判断する企業もあれば、社員の年代で決める企業もあります。そして、中堅社員は若手社員と異なり、一人である程度の業務を遂行できる能力があると認識されているのが特徴です。
次に中堅社員が果たすべき役割を順に説明していきます。まず初めは、現場と管理職のつなぎ役になることです。中堅社員は管理職の補佐であり、チームの架け橋となる存在です。現場と管理職の中間に位置する中堅社員は、現場の状況を管理職に伝えたり、管理職の意向を現場に伝えることが必要です。特に若手社員は管理職に対して自分の意見をはっきりと伝えられない人も少なくありません。そこで中堅社員がつなぎ役となり、お互いの意見を共有することで、部署内の問題も解決しやすくなるでしょう。
2つ目の役割は後輩の育成です。新入社員や若手社員の育成をするのも中堅社員の大切な役割です。特に右も左も分からない新入社員に対しては仕事の進め方や仕事の意義、コミュニケーションの取り方などを丁寧に教えることが重要です。また、後輩の社員が困っているときは自らが手本を示し、正しい方向に導いてあげることが必要でしょう。さらに後輩の仕事に関して定期的にフィードバックを行なうことで、後輩社員のさらなる成長を促すことが出来るはずです。
3つ目の役割は、業務の中心的なメンバーとして社内で活躍することです。後輩に指導をすることも重要ですが、それと同時に自らがプレーヤーとして高い成果を上げることが求められます。中堅社員はある程度一人で業務を進められるとはいえ、管理職と比べると伸びしろが大きいはずです。そのため、積極的に業務に関する専門性を身に付け、スキルアップを目指す姿勢が期待されるでしょう。そして自らが活躍することで、周りのメンバーにも良い影響が与えられるはずです。
4つ目は業務スキルを向上させることです。中堅社員になれば、普段関わる業務に関しては周囲の力を借りずに行うことが出来るでしょう。それだけでなく、中堅社員になると若手社員よりもさらに関する専門的な知識の習得やスキルの向上が求められるはずです。また、普段の業務スキルの向上に加えて、主体性やリーダーシップ、問題解決力などの今後リーダーとして必要になるスキルについても少しづつ習得していくことが必要でしょう。
続いて中堅社員の特に求められる能力について解説します。1つ目はビジネススキルです。ビジネススキルとは仕事を進めていく上で必要な能力のことです。例えば周りの社員と連携して業務を進めていくために必要なコミュニケーション能力やロジカルシンキングなどが当てはまります。他にもクライアントや上司にうまく意見を伝えるためのプレゼンテーション能力などもビジネススキルとして必要でしょう。こうしたビジネススキルがあれば、仕事で高い成果を出しやすくなるはずです。
2つ目はリーダーシップです。リーダーシップは業種に関わらず必要なスキルであると言えるでしょう。リーダーシップは目標や指針を示して組織やメンバーを導いていく能力のことです。業務の中核メンバーとして同僚を引っ張るときも、同じの部署の後輩を指導するときもリーダーシップは欠かせません。さらに中堅社員は次期管理職候補でもあるので、将来的にも必要となる重要なスキルです。
3つ目は問題解決力です。問題解決力とは、業務上で発生する課題に対して論理的に解決策を導き出す能力のことです。中堅社員は日常の業務においても、チームビルディングにおいても組織の中核として役割を期待されています。そのため、周りの社員から意見を求められる機会も多くなるでしょう。そうなったときに課題に対してロジカルに考え、解決法を示すことが出来れば、組織を良い方向に導けるでしょう。
4つ目はフォロワーシップです。フォロワーシップとはチームの成果を最大化するために、自律的かつ主体的にリーダーや他のメンバーに働きかけて支援をすることです。中堅社員の場合は管理職クラスの社員や上司への支援がこれにあたります。経験を積んだ管理職でもすべての決断が正しいとは限りません。ですので、中堅社員はイエスマンになるのではなく、自分の意見も伝えながら上司の決断のサポートをすることが大切です。そうすることで、チーム全体のパフォーマンスもあがるはずです。
最後はメンタリング能力です。メンタリング能力はコミュニケーションを通じて部下の自発的な成長を促す能力を指しています。近年は、新入社員に対して比較的年齢の近い中堅社員が相談役となる「メンター制度」を導入する会社が増えています。メンター制度では主に中堅社員がメンターとなり、相談に乗るだけでなく新入社員に対して業務に関する指導も行います。そこでメンターとなった中堅社員がうまくコミュニケーションをとることで、新入社員をより成長させることが出来るでしょう。
中堅社員が中々うまく育たないという企業の方もいるかもしれません。そこでここでは主な原因を上げていきます。1つ目は、担当業務の専門化です。新入社員のうちは浅く広くとはいえ比較的多くの業務に携わることが出来るでしょう。しかし業務経験をある程度積んでいる中堅社員になると担当する業務が専門化されやすくなります。当然担当する業務の専門性を高めることは出来ますが、それ以外の業務に関する経験やスキルを増やすことは難しくなるでしょう。
2つ目の原因は中堅社員を指導する人材が不足していることです。中堅社員は新入社員と比較すると当然行える業務の幅も広いですが、それでも定期的に指導を受けながらスキルを伸ばす必要はあるでしょう。しかし中堅社員を指導できる人材が不足していると、中堅社員の育成は進みにくくなります。また、中堅社員の視点からも自身のロールモデルとなる先輩社員が見つからず、成長の道筋が見えにくくなってしまうでしょう。
3つ目の原因は若手社員の減少です。景気や少子化の影響や会社の方針によって新卒採用を行わない企業も一定数あります。また、新卒採用した若手社員が中々定着しないという悩みを抱える企業もあるでしょう。しかし、こうした状況では本来中堅社員となる社員がいつまでも新人のポジションであり続けることになってしまいます。さらに後輩を指導するという機会も得られず、リーダーとしてのスキルも身に付けづらくなるでしょう。
最後に中堅社員を育成する際のポイントを4点紹介します。1点目はキャリアのステップアップを積極的に支援することです。中堅社員の中には自身のキャリア展望が漠然としている人も少なくありません。そうした社員は社内にどのようなキャリアやポジションのルートがあるのかが分からないため、学習や成長の必要性を感じにくくなってしまいます。ですので、会社側が中堅社員のキャリアのステップアップをするための道筋を示し、積極的に支援を行なうようにしましょう。
2つ目のポイントは中堅社員としての役割を認識させることです。先程述べた通り、中堅社員は現場の中核として担うべき役割が多くあります。しかし自身がそのような役割を担うべき社員であると認識しないまま、業務に取り組んでいる人も多いはずです。そこでまずは、組織の中でどのような役割を果たすことを期待しているのかを面接等を通じて中堅社員に伝え、自らの役割を正しく理解してもらうことが重要です。そうすることで、中堅社員はモチベーションが上がった状態で日々の業務に取り組むことが出来るでしょう。
3つ目のポイントは、それぞれの課題に合った研修を実施することです。中堅社員の場合は業務に関する専門的なスキルは実務の中である程度習得済みです。ですので、日常業務では身に付かない知識やスキルを習得させるために研修が有効な手段となります。研修では人材育成のプロによって行われる外部の研修サービスを利用すると良いでしょう。そして現状で足りない知識やスキルは各社員によって異なるので、それぞれの課題に合った研修内容を用意するようにしましょう。
最後のポイントは積極的にチャレンジングな業務を任せていくことです。研修の実施も重要ですが、それだけでは本当の意味の成長にはつながりません。ですので、研修で学んだ内容が活かせるように上司が中堅社員に対してあえてチャレンジングな業務を任せてみると良いでしょう。身の丈より少し高い業務に挑戦し、それを乗り越えることで中堅社員が大きく達成感を感じることが出来るはずです。そうした経験を繰り返すことで中堅社員自身の大きな成長につながるでしょう。
今回は、今後会社の中心メンバーになることが期待される中堅社員について様々な角度から解説をしてきました。中堅社員に求められる能力や育成するポイントなどについて理解を深めることが出来ましたでしょうか。中堅社員を育成することは会社の未来にとって非常に重要です。ですので、中堅社員本人の努力だけではなく、会社全体として中堅社員を育成する仕組みを作ることが大切です。中堅社員の育成を通して、企業全体をさらに成長させていきましょう。
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