記事更新日:2021年06月02日 | 初回公開日:2021年06月02日
用語集 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報 外国人採用・雇用人材流出とは、自社で働いていた社員が他社へ転職することを指します。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあってか転職率は一時的に低下したものの、2020年時点で正社員の転職率は4.9%だったという結果が出ています。またこの調査では実際に転職した人の67.5%もの人が会社を退職する前に転職活動を行っていたことが判明。終身雇用制度が崩れ始めた近年の日本では特に若者の転職率が高い傾向にあります。これらの点から日本企業は人材流出をさせないための対策を講じる必要があると言えるでしょう。
人材流出が会社に与える影響として、自社のノウハウが流出することがあげられます。会社の発展のために積み上げてきた経験や業務システム、会社の機密情報、会社の運営方法など守りたい情報が企業にはたくさんあることでしょう。人材流出によってこれらの重要な情報が流れてしまうと業績の悪化や周囲からの信用を失う原因となってしまいます。また人材流出により重要顧客が他社へ流れることもあるため、特にライバル会社へ優秀な元社員が転職した場合、自社の売り上げに大きな打撃を与える可能性があるでしょう。
人材流出が会社に与える影響として、採用や教育にかけたコストが無駄になる点もあげられるでしょう。新しい社員を雇う際には、採用活動にかかるコストや雇用した社員の教育にかかるコストなど、多くの資金と時間が必要になります。採用した社員が他社へ転職してしまえばまた新たに社員を補充する必要があり、元社員と新社員の2人分のコストがかかりかねません。また経費や時間だけでなく、その業務にあたった社員の労力も無駄になる点から、人材流出が起こると様々なコストが無駄になってしまうと言えるでしょう。
人材流出が会社に与える影響として、業務効率の低下があげられます。自社で働いていた社員が流出すれば、その社員がこれまで行っていた業務を他の社員が賄わなければなりません。そのため慣れない業務に割く時間や労力が増えてしまい、結果、業務効率が低下する原因となってしまいます。また優秀な人材が流出した場合、他社員の何倍もの戦力を失ってしまう可能性もあるでしょう。人材流出が起きると他社員へのしわ寄せが大きくなり、社員たちが会社に対して不満を抱くこともあるかもしれません。
人材流出が会社に与える影響として、会社の評判の低下があげられます。自社の離職率が高まれば、周囲からブラック企業だと思われるリスクも高まります。また元社員からの告発により会社のイメージが落ちてしまい、それが発端となって業績まで悪化する可能性もあるでしょう。そして人材流出が起きてしまうと、その社員分の穴埋めを他の社員がしなければなりません。人材流出が続けば現社員への負担も重なり、社員のモチベーションの低下や社内からの評判の低下も考えられるでしょう。
人材流出が起こる原因に労働環境への不満があげられます。残業や休日出勤が当たり前の会社になっていないでしょうか。長時間労働が蔓延化すると社員はプライベートの時間を確保できず、心身ともに疲弊してしまう原因になり得ます。特に育児や介護を行っている社員の場合、プライベートの時間も大切にしたいと考え、働きやすい会社への転職を希望するかもしれません。また業務量が多すぎる、1人の社員へタスクが集中しているといった場合も、ゆとりをもって仕事をしたいという考えから転職を考える社員が出てきてしまうでしょう。
人材流出が起こる原因に給与面の不満もあげられます。貴社では1人1人の働きに見合った給与額を社員たちに支払えているでしょうか。業務量は多いのに給与が少ない、残業や休日出勤をしたのに正当な額を会社が支払ってくれないといった場合、社員は会社が支払う給与額に不満を感じるようになるでしょう。生活のために必要な額を会社からもらえないのであれば、社員側も他の企業への転職を考えるしかありません。また何年も働いているのに給与や賞与が上がらないといった場合も将来に不安を感じ、転職を考えてしまうかもしれません。
人材流出が起こる原因に人事評価制度への不満もあげられるでしょう。貴社で用いている人事評価制度は今の会社に合ったものでしょうか。人事評価制度は会社の経営方針や世の中の経済状況によっても変化するもの。そのため何年も同じ人事評価制度を用いて社員を評価するのは現実的ではありません。また公平性に欠ける人事評価が行われている場合、正当に評価されないと感じた社員は不満を持ってしまうでしょう。そうなれば自分の能力をきちんと評価してくれる会社で働きたいと転職を考えてしまうかもしれません。
人材流出が起こる原因にキャリアアップ面の不満が考えられるでしょう。貴社では社員が成長できる機会をきちんと設けているでしょうか。昇進したい、業務経験を積みたい、自分のスキルをもっと向上させたいなど、仕事に対して前向き取り組んでいる社員もいることでしょう。このような熱心な社員は会社としても手放したくないもの。しかしどうすれば昇進できるのか、ずっとこの企業で働いても成長できないのではと不安を感じてしまえば、転職を考えるきっかけになってしまうかもしれません。
人材流出が起こる原因に人間関係への不満もあげられます。貴社の社員たちは職場で積極的にコミュニケーションを取れているでしょうか。上司や同僚と合わない、職場内でハラスメントを受けているといった事象が発生していれば、社員が精神のバランスを崩す危険性が高まります。入社してすぐや異動直後など人間関係が構築されていない時は特に心身ともに負担がかかる時期。精神的にも余裕を持って仕事をしたい、安心できる場所で働きたいと感じた時、転職を考えるきっかけになってしまうでしょう。
人材流出を防ぐための対策の1つに、社員が働きやすい環境を整備することがあげられます。現在の日本では働き方改革の施行を受け、企業独自の福利厚生を完備したり、短時間勤務やフレックスタイム制を取り入れるなど、働きやすさを追求する企業が増えてきました。働きやすい会社が増えたことにより、職場環境が悪い会社で働いている転職希望者は他の企業へ目移りしてしまうことがあるかもしれません。自社の社員を繋ぎとめるためにも、優秀な社員を獲得するためにも、社員が働きやすい環境の整備は重要と言えるでしょう。
人材流出を防ぐための対策の1つに、労働時間の管理を徹底することもあげられます。貴社ではどのような手段を使って勤怠管理を行っているでしょうか。勤怠管理を曖昧にすると長時間労働やサービス残業が発生しやすくなり、人材流出が起こる原因になってしまいます。近年では正確に、より楽に勤怠管理を行うために、勤怠管理システムを導入する企業が増えています。勤怠管理がうまくいっていないと感じている企業は、この機会に勤怠管理システムを導入して労働時間の管理をしてみてはいかがでしょうか。
人材流出を防ぐための対策の1つに、人事配置を見直すこともあげられます。社員の能力に見合った給与や待遇を準備することによって、優秀な社員が抱えていた会社に対する不満感を軽減させることができるでしょう。また本人の希望とは違う部署で働いていたり、部署内の人間関係に悩んでいる社員の場合、人事配置を見直すことで社員のストレスを緩和できるかもしれません。社員の希望を聞き、今の給与や待遇、人事配置に納得できているか一度面談を行ってみてもいいでしょう。
人材流出を防ぐための対策の1つに、人事評価制度を見直すこともあげられます。能力でなく好き嫌いで評価されているように感じたり、人事評価の基準が不明瞭だと感じると、社員は会社の人事評価制度に対して不満を持ってしまうでしょう。また長年同じ人事評価制度を使用していると今の会社が求めている社員像が分からず、社員たちはどのように頑張ればいいのか分かりません。今の会社が求めている社員像を明確にしたうえで人事評価制度を作成し直し、評価方法を社員たちに公表することで人材流出を防ぐことができるかもしれません。
人材流出を防ぐための方法に、スキルアップの機会を設けることもあげられます。真面目な社員は同じ仕事ばかりこなす日々に将来的な不安を感じたり、自分を成長させられる環境で働きたいと考えるかもしれません。社員たちのスキルアップを促すためにジョブローテーションや資格手当を導入したり、資格試験やセミナー費の補助を行っている企業が増えています。社員の能力やモチベーションを向上させるための取り組みに力を入れられていない企業はスキルアップの機会を増やしてみてはいかがでしょうか。
人材流出を防ぐための方法に、社内コミュニケーションを積極的に行うこともあげられるでしょう。風通しが悪くコミュニケーション不足が常に起こっているような職場環境だと社員は抱えている悩みをなかなか打ち明けられません。そこで近年では社内SNSやフリーアドレス制度の導入、社内イベントの開催などによって、他の社員とつながりが持てる場を整備している企業が増えています。また社員を教育する目的だけでなく、コミュニケーションはかる場として1on1ミーティングやメンター制度を取り入れてみるのもいいかもしれません。
人材流出を防ぐための対策を講じることは、会社に対する社員からの満足度を上げることにも繋がります。そのため場合によっては、人材流出を防ぐ目的で始めたことが社内の雰囲気の改善や業績の向上に役立つことも大いにあり得るでしょう。また社員からの満足度が上がれば離職率を低下させることもでき、採用活動で優秀な人材を獲得できるチャンスも増えるかもしれません。人材流出を防ぐことは今の企業にとっても今後の企業のためにも重要なこと。十分に対策を練れていない企業はできるだけ早く人材流出防止のために行動していきましょう。
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