【2020年版】外国人の雇用で使える助成金をまとめました【キャリアアップ助成金など】

記事更新日:2020年10月20日 初回公開日:2020年10月20日

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現在の日本は少子高齢化により労働人口も減少しています。そのため採用活動は今後も難しくなっていくことが予想されると言えるでしょう。そこで多くの企業が近年取り入れているのが外国人労働者の雇用。働き手を確保する目的の他にも外国人を雇用することにより助成金が受け取れる点も企業にとっては大きなメリットです。またグローバル化が進み、日本企業も海外の企業と戦っていく時代となっています。外国人労働者を雇うことによって会社のグローバル部門も大きく成長するかもしれません。今回は外国人を雇用した際の助成金の種類や取得方法についてお話しします。

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外国人雇用に対する助成金はあるのか

雇用に対する助成金は目的と対象によって様々な種類がある

外国人を雇用しただけでは助成金の対象にはなりません。外国人や日本人であることに関わらず雇用に対する助成金は目的や対象によってさまざまな種類が存在します。基本的には雇用助成金は雇用を安定させる目的で創設されています。助成金の種類によって該当する対象者は様々。自分の企業では助成金を活用しどんな人を雇いたいか、助成金の内容を見ながら検討する必要があるでしょう。また現在は新型コロナウイルスによる景気の悪化を理由に特例措置も出されています。常に最新の情報を入手し自社に合った助成金を調べるようにしましょう。

助成金と補助金の違い

助成金は条件を満たすことで必ず交付される

助成金と補助金の違いとして、助成金は条件を満たすことで必ず交付されるという点があげられるでしょう。助成金を受給する場合雇用保険を適用しているか、過去に不正受給をしていないか、申請時に必要な書類を期日までに提出できているか等の条件を提示されることが多いです。取得するための条件やステップは助成金の場合易しくなっています。比較的簡単に受給したいと考えている場合は、助成金を申請する方が申請時の難易度が低く感じるかもしれません。

補助金は期間内に審査を通ると交付される

助成金と補助金の違いとして、補助金は期間内に審査を通ると交付されるものという点もあげられるでしょう。助成金も補助金も受給した後返済する必要はありません。しかし補助金は助成金とは違い、取得するまでに厳しい審査を期間内に通過する必要があります。そのため助成金に比べ補助金はどちらかというと取得しづらいものと言えるでしょう。とは言っても審査に通過し補助金を利用している企業もあるので、気になる方は助成金と共に補助金についても調べてみるといいかもしれません。

外国人雇用に活用できる助成金

雇用調整助成金

目的

雇用調整助成金は経済上の理由により、事業活動を縮小しなければいけなくなった事業主が対象。外国人を雇用している際に活用できる助成金の一つです。雇用調整助成金は従業員に出向や休業、教育訓練を行っている企業が条件となります。新型コロナウイルスによって影響を受けた企業に関しては通常の雇用調整助成金とは違った特例措置を利用することもできるので確認してみてください。この雇用調整助成金を利用すれば企業の業績の悪化に伴って外国人従業員の離職を防ぐことができるでしょう。

金額

雇用調整助成金を利用した場合の金額は、休業や教育訓練を行った場合の賃金に相当する額に助成率を乗じた額になります。この雇用調整助成金の助成率は2分の1で、限度額は令和2年3月時点で1人1日当たり8330円。教育訓練を行った場合だとさらに1人1日当たり1200円が加算されます。しかし一般的な雇用調整助成金は被保険者が対象となっているので十分注意しておきましょう。また新型コロナウイルスによる特例措置の場合、助成率が変わってくる点についても注意する必要があるでしょう。

申請方法

雇用調整助成金の申請は雇用調整の計画を行った後計画書の提出、雇用調整の実施、助成金の支給申請と進んでいきます。その後労働局で審査し支給を決定した後で助成金が振込まれるという流れです。特に企業側は計画届を出さないと雇用調整助成金の支給申請ができないことを把握しておきましょう。一般的には計画書や支給申請は都道府県の労働局や、場合によってはハローワークでも書類の受付を行っています。申請の際は近くの労働局やハローワークに向かいましょう。

中小企業緊急雇用安定助成金

目的

中小企業緊急雇用安定助成金は外国人を雇用している中小企業が利用できる助成金です。中小企業緊急雇用安定助成金は雇用調整助成金と同じで、経済上の理由により事業活動を縮小しなければいけなくなった事業主が対象。また従業員に出向や休業、教育訓練を行っている企業が条件であることも同じです。違いは企業の規模。中小企業緊急雇用安定助成金は名前の通り、中小企業の事業主が対象となります。助成率も変わってくる点も注意しておきましょう。

金額

中小企業緊急雇用安定助成金を利用した場合の金額は、教育訓練や休業を行った場合の賃金に相当する額に助成率を乗じて得た額になります。中小企業緊急雇用安定助成金の助成率は3分の2。限度額は雇用保険基本手当日額である、1人1日当たり8330円となっています。また教育訓練を行った場合だと1人1日当たり1200円が加算されます。基本的には雇用調整助成金と同じ内容ですが、助成率が中小企業緊急雇用安定助成金の場合は3分の2と多くなっている点が大きな違いと言えるでしょう。

申請方法

中小企業緊急雇用安定助成金の申請方法も雇用調整助成金と同じ手順です。まず雇用調整の計画をし、計画届を提出。その後雇用調整の実施を行ったら支給の申請という流れです。その後は労働局で審査があり支給額が決定され、助成金が振り込まれます。中小企業緊急雇用安定助成金の窓口も都道府県の労働局ですが、場合によってはハローワークでも助成金の受付を行ってくれることがあります。中小企業緊急雇用安定助成金を受給したい企業の方は近くの労働局かハローワークに出向きましょう。

トライアル雇用助成金

目的

トライアル雇用助成金も外国人であっても条件を満たせば利用できる助成金です。トライアル雇用助成金はこれから外国人雇用を考えている企業が利用できる助成金でしょう。トライアル雇用の意味は様々な理由から日本国内で働いた経験が乏しい求職者を、一般的には3か月試行雇用すること。このトライアル雇用を利用すると助成金を受給することができます。企業側はトライアル雇用を使うことで求職者の適性を見て常用雇用に移行することができ、ミスマッチを防ぐことも可能でしょう。外国人労働者の雇用を考えている企業は要件を確認してみてください。

金額

トライアル雇用助成金で受給できる金額は、一般的に対象者1人につき月額最大4万円。しかし例外として対象者が父子家庭の父または母子家庭の母の場合、対象者1人につき月額5万円が支払われます。また若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の対象者にトライアル雇用を行う際も、一人当たり月額5万円が支払われます。トライアル雇用の期間は原則3か月。トライアル雇用助成金の受取額も最大で3か月分となっています。トライアル雇用助成金は1か月ごとに受け取れるものではなく、3か月分の合計がまとめて支払われる点には十分注意しておきましょう。

申請方法

トライアル雇用助成金の申請をするにはいくつかの段階を踏まなければなりません。まずトライアル求人というトライアル雇用を利用したい求職者向けの求人を作成し、ハローワークに提出します。その後面接選考を行い、対象者を雇用してから2週間以内に実施計画書を提出。そして実際にトライアル雇用をした後2ヶ月以内に支給申請書を提出すれば助成金を受け取ることができます。トライアル雇用助成金についての問い合わせ先は都道府県労働局やハローワーク。提出書類も多いので書類についてなど分からないことはこれらの機関に尋ねましょう。

特定求職者雇用開発助成金

目的

外国人雇用に活用できる助成金として、特定求職者雇用開発助成金もあげられます。就職困難者を雇う事業主をサポートし、雇用を安定させる目的で特定求職者雇用開発助成金は創設されました。この助成金はハローワークなどの紹介で継続して雇用することを前提に就職困難者を雇い入れた事業主に支給されるもの。就職困難者には障害者、高年齢者、母子家庭の母などが含まれますが、外国人の就職希望者にも利用できる制度です。支給要件はいくつかあるので、気になる方は労働局やハローワークに出向きましょう。

金額

特定求職者雇用開発助成金は就職困難者である対象労働者の類型や、対象労働者の労働時間によっても変わってきます。また対象者の類型によっても助成される期間は変わり、企業規模によっても助成金の金額は変わってくるので注意しておきましょう。一般的に大企業よりも中小企業の方が助成金の受取額は多く、短時間労働者の対象者よりも短時間労働者以外の対象者を雇う方が助成金の受取額は多いです。また、助成金の対象者においては高年齢者や母子家庭の母よりも、障害者を雇い入れる方が助成金の金額は高くなっています。細かく支給金額は変わってくるので気になる方は厚生労働省のホームページで確認するといいでしょう。

申請方法

特定求職者雇用開発助成金はハローワークなどから紹介があり、実際に対象となる労働者を雇い入れてから支給申請を行います。支給申請書を提出後審査され、支給不支給が決定し受給できる流れは他の助成金と同じ。しかし特定求職者雇用開発助成金の受給は2回から6回に分割して行われることから、何度か支給申請をする必要があります。申請期間は支給対象期末日の翌日から2か月以内。申請の期間を逃すと助成金が受け取れなくなってしまうので、申請期間中に必ず労働局やハローワークに出向き申請をするようにしましょう。

外国人雇用に対する助成金の注意点

外国人を雇ったからと言って交付されるわけではない

外国人を雇用し助成金を利用する際の注意点として、外国人労働者を雇ったからと言って必ずしも助成金を受給できるわけではないという点があげられます。外国人労働者が利用できる助成金は多くあります。しかし助成金を支給できる要件を満たせていない場合や、助成金の審査に落ちてしまった場合などは助成金を利用することはできません。またこれからの日本情勢の変化により制度が見直されることも有り得るでしょう。企業としては自社の雇用を安定させていくためにも助成金に頼りすぎると危険かもしれません。

不法就労の外国人がいると助成金が付与されない

不法就労の外国人がいる場合、助成金を受給できない点も十分理解しておきましょう。不法労働者とは不法に日本に入国する人もそうですが、在留期間を超えているのにもかかわらず不法に日本に残留する人も該当します。採用した外国人労働者が不法就労していた場合、雇用した側も罪に問われてしまうので注意する必要があります。外国人労働者を採用する際は在留資格を持っているか確認するために就労資格証明書や外国人登録証明書、パスポートなどを採用活動時に確認したうえで採用を行っている企業が多いでしょう。

外国人雇用においても助成金を活用し負担を軽減しましょう

2019年10月時点で日本で働く外国人労働者は165万人を超えています。特にベトナムや中国などアジア圏の人達を中心に、多くの外国人が現在日本で働いています。また外国人労働者数は7年連続で過去最多。グローバル化に伴い、外国人労働者を雇用している事業主が多くなっていると言えるでしょう。外国人を雇うことによって生まれるメリットがある反面、継続して雇うことができるのか不安視していた企業もあったかもしれません。積極的に助成金を活用して自社の雇用を安定させてみませんか。


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