記事更新日:2020年06月08日 | 初回公開日:2017年05月29日
グローバル用語解説 日本の英語教育 グローバル経済 用語集JETプログラムは総務省、文部科学省、外務省及び一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)が協力して運営されています。「JETプログラム」の名称は、「語学指導等を行う外国青年招致事業」(The Japan Exchange and Teaching Programme)の略称で、文字通り語学指導等を行うために諸外国から青年を招致し、彼らが地方自治体や教育委員会、小中学校や高等学校で、国際交流の業務や外国語教育に携わることで、地域レベルでの国際化を推進することを目的としています。JETプログラムは、世界各国で大規模な国際的人的交流として高く評価されています。そして、プログラム開始年は4か国848人だった参加者は、2018年度は54か国5528人まで増加しています。
JETプログラムに参加している外国人が来日する際には以下の3つのうちのいずれかの職種に就きます。
JETプログラム開始時からの職種であり、最も所属人数が多いのが「外国語指導助手」(ALT:Assistant Language Teacher)です。日本人外国語教師の助手として外国語指導に携わり、教材準備などの課外活動にも関わります。配属先は主に教育委員会や学校で、JETプログラム参加者のおよそ90%がALTの職に就いています。
ALTと同じくプログラム開始時からの職種である「国際交流員」(CIR:Coordinator for International Relations)です。その名の通り国際交流活動に従事するため、高い日本語能力が求められます。実際にCIRとして従事しているほとんどの外国人は日本語能力試験2級相当の能力があり、1級相当の能力がある人も少なくありません。主に地方公共団体の国際交流担当部局等に配属されます。実際の業務内容は、配属される団体のニーズによって異なりますが、外国からの訪問客の接遇や通訳、外国語刊行物の編集・翻訳・監修などがあります。
JETプログラムが開始して8年目の、平成6年から招致が始まった職種が「スポーツ国際交流員」(SEA:Sports Exchange Advisor)です。特定のスポーツの専門家としてスポーツ指導等を行います。SEAは、他のALTやCIRと選考方法が異なり、参加するためには国内オリンピック委員会や他の政府組織からの推薦が必要となります。
JETプログラムの受験者は、大学卒業後の若手が大きな割合を占めています。
将来の方向性をはっきりと決めておらず、キャリア模索の真っ最中という人がプログラムへの参加を希望しているようです。JETプログラムは、若者たちが自分のキャリアを模索するの有効な手段となったり、グローバルフィールドでの経験値を得る機会となったりしています。
ALTとして働く参加者が多いとはいえ、教員免許がなくても参加できるので、さまざまなキャリアを目指す人が参加しやすくなっています。
JETプログラム参加者は職種に関わらず給料が一律で決まっています。一年目の新規参加者の給料は年間で336万円で、そこから所得税や住民税等を支払います。任期が更新されると二年目では360万、三年目は390万、4年目と5年目は396万となり、最長で5年まで更新があります。
JETプログラム参加者は全国健康保険協会管掌健康保険、年金、JET傷害保険、雇用保険の4つの保険に加入します。年金に関しては、JETプログラム終了後に日本国外に居を移す場合、脱退一時金を申請することができます。また、健康保険と年金は日本人と同じく配偶者とその子供も加入します。
住居は配属される任用団体が用意し、住居費も任用団体が家賃の一部や敷金の一部に補助を出すことがほとんどです。ただし、補助金が不要な場合は、JETプログラム参加者自身が気に入った住居に住むこともできます。
JETプログラム参加者の招致に関わる費用は、参加者を受け入れる任用団体が負担をします。また、報酬や費用弁償等のJETプログラム参加者に関わる費用は基本的に任用団体が負担しています。そのため、地方財政措置として、地方交付税により所要の措置が講じられています。地方交付税の金額は団体の規模によって異なり、都道府県(標準団体規模170万人)における標準的な経費として2億4690万円、市町村(標準団体規模10万人)の場合は118万円が交付されます。実際の基準財政需要額算定にあたっては、人口規模によって額が増減します。
進路として人気なのはJETプログラムでの経験を活かせる、社内英語研修の講師や、公的教育機関や英会話スクールでの教師業です。しかし、それ以外にも多種多様な職業に進んでいる人がいます。
例えば、日本企業主催の海外で開催されるイベントのプロジェクトマネージャー職に就いた人もいます。また、日本の静かな田舎の環境の中で執筆に勤しんだという参加者は、母国に戻りライター活動を経て、マーケティング会社を立ち上げることに挑戦しています。
JETプログラム参加者は、日本国外でのキャリア構築を行う人が多いですが、プログラム終了のタイミングで迷う参加者も多いそうです。彼らは現在日本政府が受け入れを進めている高度人材に含まれるので、日本での採用支援が推し進められています。
まず、JETプログラムの任用期間満了前の2月・3月には東京近郊にて「終了前研修」が行われ、プログラム終了後に直面する進路等についての支援が行われています。また、JETプログラム参加者の採用を考えている企業が出店する「JETプログラムキャリアフェア」(http://jetprogramme.org/ja/careerfair/)といった就職フェアも行われています。
さらに、「JETキャリアアップインターンシップ研修プログラム」が開かれ、多くのJETプログラム参加者が日本企業でインターンシップに参加できるように支援されています。
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